Skip to main content
2025年8月31日08時25分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
世界はわが教区―ジョン・ウェスレーの生涯

世界はわが教区―ジョン・ウェスレーの生涯(2)友の重荷を背負う

2020年10月21日12時04分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
  • ツイート
印刷
関連タグ:ジョン・ウェスレー
世界はわが教区―ジョン・ウェスレーの生涯(1)猛火から救われて+
ジョン・ウェスレー(1703~91、画像:Frank O. Salisbury)

11歳になったジョンは、父親の友人であるバッキンガム侯爵の援助でロンドンのチャーター・ハウス校に入学することになった。彼はよく勉強し、品行方正だったので教師たちから目をかけられ、かわいがられた。すると、級友たちはこれをねたみ、あの手、この手で嫌がらせをするようになった。

しかし、ジョンはこんな彼らを恨むことをせず、校長に訴えることもしないで一人で耐えたのだった。

ある時のことである。食事の時間に乱暴な上級生が隣に座った。彼は横目でジョンのことを見ていたが、その耳もとで脅した。「おい、そのおかずよこせよ」。しかし、ジョンは黙って食事をしていた。すると、彼はいきなりテーブルの下で、思いきりすねを蹴飛ばした。

「言うことを聞かないとひどい目にあうぜ」。「きみがおなかをすかせているなら自分の分をあげてもいいよ。でもきみは自分のおかずに手をつけていないじゃないか」

ジョンは静かに言った。するとこの上級生は彼の腕をつねり上げ、その皿からおかずを取り上げてしまった。

それから毎日、この上級生は彼の皿からおかずを奪い続けたが、ジョンは一言も教師に告げ口をすることなく、何と4年間もおかずなしで食事を続けたのだった。

またある日、こんなことがあった。ウィリアム・ホーキンスというクラスで一番乱暴者の生徒がジョンの教科書を隠してしまった。「お願いだから返してくれないか。先生に叱られるから」。必死で頼んだが、ホーキンスはふてぶてしく腕組みし、首を横に振った。「知らないねえ。自分で探してみろよ。まあ、きみはいつも優等生だからたまには叱られるのもいいんじゃないか」

そのうち文法の時間がきた。教師は、教科書をどうしたのかとジョンに聞いた。「あのう…」。ジョンは立ったまま、何も言えなかった。その時、一番前の席の生徒が言った。「ジョンが悪いんじゃありません。ウィリアム・ホーキンスがそれを体育館の後ろの倉庫に隠すのを見たんです」

ウィリアム・ホーキンスはそれを聞くと急に青ざめてガタガタ震え出した。教師は厳しい顔で彼に言った。「きみは近ごろ、下級生や弱い者をいじめてばかりいるそうじゃないか。今またクラスの友達にそういうひどいことをするなどもってのほかだ。きみの両親に手紙を書いて引き取ってもらうことにするから、処分が決まるまで自分の部屋で待っていなさい。もう教室には出ないでよろしい」

すると、この乱暴者はいきなり机の上に身を伏せると悲しそうにすすり泣きを始めた。この時、ジョンははっと胸を突かれた。ウィリアム・ホーキンスの家が大変貧しく、レンガ職人である父親が仲間とけんかをして相手を傷つけて刑務所に入っているので、病身の母親がその細腕で内職しながら子どもたちを養っていることを耳にしていたからである。ウィリアム少年は伯父の情けで何とか学校に行かせてもらっていたのだ。

机に身を伏せて泣いている彼の姿を見たとき、何ともいえないほどの同情とあわれみがジョンの胸から湧き上がってきた。

「先生」。いきなり、ジョンは立ち上がった。「実は、ぼくが教科書をあそこに忘れてきたのでした。ホーキンスが悪いんじゃありません」。クラスの級友は、あっけにとられたように見守っていた。

教師は壁にかけてあるムチを取ると、ジョンの痩せた体をしたたか打ってから、文法の授業が終わるまでドアの所に立たせておいた。ジョンは友人の心の痛みを一緒に分け合いながら、喜んでこの苦痛に耐えた。彼が悲しむ者、苦しむ者と重荷を共に背負ったこれが最初の体験であった。

やがて授業が終わると、ウィリアム・ホーキンスは彼の所にやってきて、そっと言った。「ウェスレー君、悪かった。本当にぼくは卑怯な人間だった。許してくれたまえ」。「ううん、いいんだよ。何とも思っていないから安心していいよ」。ジョンは静かに言った。

「それじゃあ」。ホーキンスは手を差し出した。「これから友達になってくれるかい?」「ああ、喜んで」。ジョンはしっかりとその手を握り返した。

このことがあってから、ジョンに意地悪をしたり、悪口を言う者は一人もいなくなった。

*

<あとがき>

いつの時代にも、どこの国においても「いじめ」は存在します。特に学校においては、品行方正で教師の信任の厚い生徒に対しては、級友のねたみやそしりがつきものです。ウェスレーの場合も例外ではありませんでした。しかし、彼は上級生から悪質ないじめを受けても、これを恨んだり、校長に訴えたりすることはなかったのです。

そしてある日、クラスで有名な乱暴者のウィリアム・ホーキンスからひどいいじめを受け、教科書を隠されてしまいます。しかしこの時、一部始終を見ていた級友の証言でホーキンスの悪事が発覚し、彼は校長から退学処分を命じられます。しかしウェスレーは、彼の家が貧しく、父親は刑務所に入っており、母親は働いて子どもを養っている貧困家庭であることを知り、あえて彼をかばって罰を引き受けたのです。

この出来事は、後のウェスレーの苦しむ者に寄り添い、福音を伝える巡回伝道者の姿をかいま見るような思いがします。

<<前回へ     次回へ>>

◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)、2003年『愛の看護人―聖カミロの生涯』(サンパウロ)など刊行。12年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝のWeb連載を始める。その他雑誌の連載もあり。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ジョン・ウェスレー
  • ツイート

関連記事

  • 鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの生涯(1)故郷を離れて

  • 太平洋の橋―新渡戸稲造の生涯(1)稲穂のように

  • ヘボンと日本語訳聖書誕生の物語(1)プロローグ―漂流する聖書

  • 戦国に光を掲げて―フランシスコ・ザヴィエルの生涯(1)叫び求める声

  • 混血児の母となって―澤田美喜の生涯(1)男まさりの子

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • アッセンブリー京都教会の村上密牧師死去、異端・カルト問題に長年取り組む

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(前半)悪魔の起源 三谷和司

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(後半)救いの計画 三谷和司

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

  • 21世紀の神学(30)伊藤貫氏が提唱する古典教育とセオセントリズムの復権 山崎純二

  • イエス様と共に働く 菅野直基

  • ワールドミッションレポート(8月30日):リビア 砂浜に響く殉教者たちの祈り(4)

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(241)聖書と考える「大追跡~警視庁SSBC強行犯係~」

  • 聖書のイエス(16)青銅の蛇 さとうまさこ

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

  • 進藤龍也氏×山崎純二氏対談イベント「神様との出会いで人生が変わった」 埼玉・川口市で8月30日

  • 米福音派の重鎮、ジェームス・ドブソン氏死去 フォーカス・オン・ザ・ファミリー創設者

  • 花嫁(31)神に従う者の道 星野ひかり

  • 21世紀の神学(30)伊藤貫氏が提唱する古典教育とセオセントリズムの復権 山崎純二

  • 「森は海の恋人」の畠山重篤さん、気仙沼市の名誉市民に

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(前半)悪魔の起源 三谷和司

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(後半)救いの計画 三谷和司

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版

  • キリスト教徒が人口の過半数を占める国・地域、この10年で減少 米ピュー研究所

  • N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(10)「苦しみ」から「苦しみ」へ 三谷和司

  • アッセンブリー京都教会の村上密牧師死去、異端・カルト問題に長年取り組む

  • 日本キリスト教協議会、戦後80年の平和メッセージ キリスト者の戦争加担にも言及

  • 福音派増えるベネズエラ、大統領が「マーチ・フォー・ジーザスの日」制定 全国で行進

編集部のおすすめ

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.