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日本人に寄り添う福音宣教の扉

日本人に寄り添う福音宣教の扉(98)「不正の富」に忠実に寄り添う 広田信也

2020年7月4日10時23分 コラムニスト : 広田信也
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関連タグ:広田信也

お金(富)の流れを知ると世の中の動きが分かるとよく言われます。確かに、どんな働きであっても経済的な支えが必要になり、働きのある所に富が動きます。それが、教会や非営利をうたうさまざまな働きであっても同じです。富の流れに注意を払うことはとても大切なことです。

しかし一方で、富の流れを優先するあまり、その扱いを誤ると、私たちの信仰生活に悪い影響を及ぼしかねません。今日、世界を見渡すと、経済の成長した国において、無神論者が増加し、霊的覚醒がほとんど見られなくなっています。

物質的に豊かになった国に長年住んでいる私たちは、富に頼り、富に仕える生活に、違和感を覚えなくなっているのかもしれません。今回は、この必要かつ危険な富の扱いについて考えてみたいと思います。

貪る人生に陥る

「貪(むさぼ)る」とは、飽きることなく欲しがることを指しています。「貪」という漢字は「貝」の上に「今」という字が乗っています。貝は昔、貨幣だったことから、貨幣の上に今を乗せるとは、富に頼り、そこに安心の根拠を置いて生活することを示しているように思います。この世の富に心を委ねると、貪る人生に陥るのでしょう。

あなたがたは、神にも仕え、また富にも仕えるということはできません。(マタイの福音書6章24節)

聖書はこの世の富を「不正の富」と呼んでいます。この世は「不正の富」に支配されています。伝えられる情報は「不正の富」によって偏り、正しい判断を妨げています。そのような世の中で、富に仕えることなく神に仕えるとは、どのような生き方を指すのでしょうか? 私たちにとって重要な課題です。

「不正の富」に心を委ねなかった人々

全ての人は、この「不正の富」との関わりを持ち、中には多くの財産を得る人もいます。しかし、保有する「不正の富」に心を委ねなかった人々が聖書には登場します。

取税人のザアカイは大金持ちでした。不正によって得た財産により、有り余る経済力があったことでしょう。しかし彼は、自分の心の隙間を埋める手段に自らの富を選ぶことなく、イエスに会うため、なりふり構わずイチジク桑の木に登り、神様の愛を受け取りました。

アブラハムは、神様に導かれ、莫大(ばくだい)な富を生んだ故郷を離れて約束の地に向かい、神様の契約の確かさを知りました。モーセは、エジプトにある巨万の富と地位を捨て、イスラエル人を400年の苦役から救い出す役割を担いました。ダビデの心は、イスラエルに集まる富に向けられることなく、大きな繁栄をもたらした神様ご自身に向けられました。

新約聖書に出てくる、パウロ、ニコデモ、アリマタヤのヨセフ、百人隊長コルネリオ、エチオピアの宦官など大きな経済力を持っていたこれらの人たちは、心の安心を自らの財産に置きませんでした。

彼らは、いのちを握っておられる神様に信頼を置き、「不正の富」を正しく用いて真の富める者になっていきました。

「不正の富」に忠実に寄り添う

不正の富で、自分のために友をつくりなさい。そうすれば、富がなくなったとき、彼らがあなたがたを永遠の住まいに迎えてくれます。(ルカの福音書16章9節)

聖書は、不正な管理人のたとえ話を通し、「不正の富」を用いて、神様の祝福を持ち運ぶように勧めています。この世の富は天国にまで持ち運ぶことができませんが、それを宣教の(神様の祝福を届ける)ために用いるなら、永遠の関係を紡ぐ友を得ることができます。

私たちは、そのためにこそ「不正の富」に忠実に寄り添い、時には多くの財産を管理し、聖霊の導きに沿って惜しみなく用いていきたいものです。このような小さなことに忠実な者にこそ、神様は天来の祝福を備え、さらに霊的な働きに導いてくださるのでしょう。

最も小さなことに忠実な人は、大きなことにも忠実であり、最も小さなことに不忠実な人は、大きなことにも不忠実です。(ルカの福音書16章10節)

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◇

広田信也

広田信也

(ひろた・しんや)

1956年兵庫県生まれ。80年名古屋大学工学部応用物理学科卒業、トヨタ自動車(株)入社。新エンジン先行技術開発に従事。2011年定年退職し、関西聖書学院入学、14年同卒業。16年国内宣教師として按手。1985年新生から現在まで教会学校教師を務める。88~98年、無認可保育所園長。2014年、日本社会に寄り添う働きを創出するため、ブレス・ユア・ホーム(株)設立。21年、一般社団法人善き隣人バンク設立。富士クリスチャンセンター鷹岡チャペル教会員、六甲アイランド福音ルーテル教会こどもチャペル教師、須磨自由キリスト教会協力牧師。関連聖書学校:関西聖書学院、ハーベスト聖書塾、JTJ宣教神学校、神戸ルーテル神学校

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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