新型コロナ感染の牧師が退院、集中治療室から動画で注意喚起 WHO事務局長もシェア

2020年4月4日10時18分 印刷
+新型コロナ感染の牧師が退院、集中治療室から動画で注意喚起 WHO事務局長もシェア
集中治療室から動画メッセージを発信したマーク・マクラーグ牧師。動画はSNSで計190万回近く再生され、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長もシェアした。(画像:動画のキャプチャー)

新型コロナウイルスに感染し、集中治療室から外出自粛や社会的距離の確保を呼び掛ける動画メッセージを発信していたペンテコステ派の英国人牧師が3月29日、1週間の入院を経て退院した。SNSに投稿された動画メッセージは計190万回近くも再生され、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長もシェアするなどしていた。退院を伝える別の投稿では、祈ってくれた人や病院スタッフに感謝を述べるとともに、「イエスは私の癒やし主」とコメント。現在は自宅で自主隔離を行っており、家族ともまだ会えない状況だが、毎日定時にライブ配信を行い、感染者の癒やしを祈る取り組みを行っている。

退院したのは、北アイルランド北部ニュートナーズにあるアーズ・エリム教会のマーク・マクラーグ牧師(40)。英公共放送BBC(英語)によると、マクラーグ氏が発症したのは3月16日ごろ。最初は呼吸がしにくいと感じたものの、せきは出なかったという。しかし地元の看護師に連絡をして症状を伝えると、救急外来に行くように言われた。測定すると血中の酸素量が少ないことが分かり、体温は38度あり、その後も上がり続けた。しかし、新型コロナウイルスの検査結果は初め、陰性だったという。

「まるで水の中で息をするようなもので、息切れしたときのようになります」。マクラーグ氏は、感染により発症した肺炎のひどさを語った。「土曜日(21日)には、もう力が残っていませんでした。状態を落ち着かせるために、人工呼吸器につなげなければいけませんでした。呼吸するための力が肺にまったく残っていないように感じました。マラソンを走って、息が絶えそうなくらいヘトヘトになる感じです」。妻には電話で死を覚悟していることも伝えたという。

そうした中で25日、自身のフェイスブック(英語)とツイッター(英語)に、集中治療室で撮影した動画メッセージを投稿した。

「この愛すべき国の至る所から寄せられている励ましのメッセージと祈りを見ています。北アイルランドを愛しています。世界を愛しています。祈ってくださって本当にありがとう。私はイエスのものです。私はイエスを信じます。イエスを愛します」。マクラーグ氏は、かすれた声でそう言いつつ、新型コロナウイルスを「単なる風邪やせき」のように考えてはいけないと警告した。

「新型コロナウイルスに感染しないなどとは思わないでください。一瞬たりとも、これがただの風邪だとかせきだとか考えないでください。私を見てください。そして聞いてください。もしウイルスに感染して集中治療室に入るなら、それは呼吸が困難になることを意味しています。人工呼吸器につながれることもあり得ます。だから、どうか政府の助言に従ってください。社会的距離を確保してください」

マクラーグ氏は、現在の大流行もいずれは収束するだろうとしつつ、「私たちは北アイルランドの心と魂を守らなければいけません。今この時、それ(守るべきもの)はNHS(英国の国民保健サービス)の職員たちなのです」と述べ、感染者急増による医療崩壊を何としても避ける必要があることを強調した。

「私は彼らの顔を見、彼らと話しました。彼らのうち幾人かは、自らがやがて新型コロナウイルスに感染することになるという事実を受け入れていました。その言葉の意味を深く理解しましょう。皆さんも皆さんの役割を果たしてください。社会的距離を取るといっても、別に友人や隣人に電話をかけたり、彼らが自分に電話しても出ないようにしたりするということではありません。だけど賢く、親切になりましょう。そしてNHSを愛して守りましょう」

この動画は4月3日の時点で、ツイッターでは175万回再生され、リツイート(拡散)数は3万9千に上った。またフェイスブックでも13万回再生され、シェア数は7千を超え、千を超えるコメントが寄せられた。WHOのアダノム事務局長も自身のツイッター(英語)で、動画をリツイートした上で、次のように述べていた。

「マーク・マクラーグさん、強くあってください!私たちの祈りはあなたと共にあります。このような困難な状況で、新型コロナウイルスがどれほど危険になり得るか、また勧告に従い自粛することがどれほど重要か、さらに医療従事者(を守ることがどれほど重要か)についても、世界にメッセージを伝えてくれてありがとう。無事でありますように」

新型コロナ感染の牧師が退院、集中治療室から動画で注意喚起 WHO事務局長もシェア
退院後、病院前で撮影した写真(写真:マクラーグ氏のツイッターより)

その後29日、マクラーグ氏は自身のツイッター(英語)に、病院スタッフと撮影した写真や病院前で撮影した写真、また自宅に向かう車内で撮ったとみられる写真と共に、次のコメントを投稿した。

「良い知らせがあります。私はアルスター病院を退院します。皆さんの祈りに感謝します。私の命を救ってくれたアルスター病院の職員たちに感謝します。人生を喜んで生きようと思います。皆さん、新型コロナウイルスに打ち勝ってください。互いに優しくしましょう。イエスは私の癒やし主です」

30日には、自宅で撮影した動画をツイッター(英語)に投稿。自宅に戻っても1~2週間は自主隔離しなければならず、愛する妻や幼い3人の子どもたちとも会うことができないつらさを語った。一方、詩編121編1~2節「わたしの助けはどこから来るのか。わたしの助けは来る、天地を造られた主のもとから」などを引用し、自身と同じように自主隔離をしている人々のための祈りをささげた。

また、この日から、歴代誌下7章14節「もしわたしの名をもって呼ばれているわたしの民が、ひざまずいて祈り、わたしの顔を求め、悪の道を捨てて立ち帰るなら、わたしは天から耳を傾け、罪を赦(ゆる)し、彼らの大地をいやす」をもとに、毎日午後7時14分に、新型コロナウイルスの感染者などのために祈る取り組みもスタート。この時間に合わせてフェイスブックでライブ配信を行い、教会の信徒らと共に祈りをささげている。

英保健省(英語)によると、英国では3日までに、新型コロナウイルスの感染者数は4450人増え3万8168人となり、死者数は684人増え3605人となった。感染者数、死者数共にイングランドが8~9割を占めて最も多く、北アイルランドはそれぞれ904人、36人となっている。

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