Skip to main content
2025年5月17日12時19分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 社会
気候変動・環境問題

環境問題扱った教皇による初の社会回勅「ラウダート・シ」 日本語訳者が「宗教と環境」シンポで講演

2019年9月19日18時52分
  • ツイート
印刷
関連タグ:フランシスコ(ローマ教皇)ラウダート・シ環境問題上智大学宗教・研究者エコイニシアティブ(RSE)
環境問題扱った教皇による初の社会回勅「ラウダート・シ」 日本語訳者が「宗教と環境」シンポで講演+
基調講演をする吉川まみ・上智大学神学部准教授=7日、東洋大学(東京都文京区)で

宗教・研究者エコイニシアティブ(RSE)が主催する第10回宗教と環境シンポジウムが7日、東洋大学(東京都文京区)で開催された。RSEは2011年、さまざまな宗教の信者と各分野の研究者が、協力して環境問題に取り組むことを目的に設立された団体で、シンポジウムは毎年開催している。第10回となった今年は「海と環境を宗教から考える」がテーマ。基調講演では、ローマ教皇フランシスコが環境問題をテーマに発表した回勅「ラウダート・シ」(2015年)の日本語訳を手掛けた吉川まみ・上智大学神学部准教授が講演。「ラウダート・シ」の内容を基に、カトリック教会が環境問題をどのようにして信仰の問題として捉えているかを語った。

回勅とは、教皇が公表する公文書の中で最も重要な文書。信者の信仰生活を指導することなどを目的に出されるもので、内容は多岐にわたるが、特に社会問題に関するものは「社会回勅」として欧米では社会的にも大きな影響力を持つ。「ラウダート・シ」は教皇フランシスコ独自のものとしては最初の回勅で、さらに環境問題を扱った初の社会回勅ということもあり、世界のキリスト教界では発表時、正教会や聖公会、プロテスタントなど、カトリック教会外からも歓迎の声が上がった。

「ラウダート・シ」という名称は、中世イタリアの著名な聖人であるアッシジの聖フランシスコによる「太陽の賛歌」の中に出てくる言葉「ラウダート・シ、ミ・シニョーレ」(「わたしの主よ、あなたはたたえられますように」の意)から取られている。教皇フランシスコという名前自体も、アシジの聖フランシスコに由来する。

吉川氏は初め、カトリック教会では基本的な立場として、イエス・キリストを「本来の人間のモデル」として見ていると説明。環境問題においても、聖書に記されている出来事を現代の文脈で考えたとき、どう捉えられるのかという視点で取り組んでいると語った。

教皇は「ラウダート・シ」の冒頭で、自然について「わたしたち皆がともに暮らす家は、わたしたちの生を分かち合う姉妹のような存在」と表現している。吉川氏はこの箇所から、「私たちと自然の関わりを読み取ることができる」と指摘。カトリック教会では自然を「資源を提供してくれる単なるリソース」ではなく、「姉妹のような存在」として見ていると語った。

「ラウダート・シ」では環境問題を、「内在する環境」と「外在する環境」の関係から見ている。「外在する環境」は今、消費主義的な過剰な発展により、環境の悪化が起こり、「いのちを虐待する世界」となっている。これについて教皇は、「内的な意味での荒れ野があまりにも広大であるがゆえに、外的な意味での世の荒れ野が広がっています」と述べ、「内在する環境」の荒廃が根本的な原因にあると指摘している。

では、人間の本来の在り方とはどういうものなのか。キリスト教では伝統的に、人間を「神の似姿に造られた存在」と捉えてきたが、吉川氏は環境問題の文脈ではこれを「人間も被造物であり、自然の一部。しかし、自然の一部だけではない存在」と表現できると話した。その聖書的な根拠として、創世記1~2章の記述を紹介。そこでは、神が人間を含むすべての自然を創造されたことが書かれているが、人間に対しては、それら「すべてを支配せよ」(1章28節)と命じられ、さらに「人がそこを耕し、守るようにされた」(2章15節)と記されている。

これについて吉川氏は、英語であればスチュワードシップ(stewardship)という言葉がふさわしいと言い、「『支配』という言葉は度々物議を醸すが、『本来の秩序を守る・世話する・ケアする』というような意味」と説明。神が創造した当時、「極めて良かった」(1章31節)と話された世界を守るよう、神から委託されたのが人間だと語った。そして、そうした自然環境との本来の関わりが断絶されてしまっている状況は「罪」であり、環境問題も信仰上の罪の問題として捉えられると述べた。

こうしたことを踏まえ、教皇は「ラウダート・シ」の中で、新しい概念として「総合的なエコロジー(Integral Ecology)」を提唱している。神と人間の関係における「霊的な調和」、人間相互の関係における「連帯的な調和」、そして自然界との関係における「自然的な調和」という3つの視点、あるいは自己との関係における「内的調和」も加えた4つの視点から、総合的に環境問題を見るというものだ。

教皇はこの「総合的なエコロジー」の「最高の模範」として、アッシジの聖フランシスコの生き方を挙げている。

「彼(アッシジの聖フランシスコ)は殊のほか、被造物と、貧しい人や見捨てられた人を思いやりました。(中略)神と、他者と、自然と、自分自身との見事な調和のうちに生きた神秘家であり巡礼者でした。自然への思いやり、貧しい人々のための正義、社会への積極的関与、そして内的な平和、これらの間の結びつきがどれほど分かちがたいものであるかを、彼はわたしたちに示してくれます」

教皇は「ラウダート・シ」発表の翌2016年には、東方正教会に倣い、9月1日を「被造物を大切にする世界祈祷日」に制定。昨年の同世界祈祷日のメッセージでは、環境の保護について「今日、避けられない義務であると同時に、まぎれもない真の課題でもあります」と重要性を強調した上で、「善意の人々と積極的に協力する必要があります」と、カトリック教会外との協力も強く押し出している。

一方、実際の信仰生活においては、「預言的で観想的なライフスタイル」を奨励している。氾濫する消費財が「心を惑わし、一つ一つの物事や、一瞬一瞬の時を大切にできなくしてしまいます」と言い、「心の平安は、エコロジーや共通善を大切にすることと密接にかかわっています」と指摘。「総合的なエコロジーが求めるのは、被造界との落ち着いた調和を回復するために時間をかけること、わたしたちのライフスタイルや理想について省みること、そして、わたしたちの間に住まわれ、わたしたちを包んでいてくださる創造主を観想することです」と述べている。

環境問題扱った教皇による初の社会回勅「ラウダート・シ」 日本語訳者が「宗教と環境」シンポで講演
質疑に応じるシンポジウムの発表者ら=同上

シンポジウムでは吉川氏の基調講演後、環境材料科学などが専門の山本良一・東京大学名誉教授が「気候の非常事態と海の非常事態」と題して発表。柏田祥策・東洋大学生命科学部教授も発表を予定していたが、体調不良で欠席したため、代わりにRSE代表である竹村牧男・東洋大学学長が、「海洋プラスチック汚染とその対策」をテーマにした柏田氏の発表を紹介した。

また宗教界からは、松本光明氏(金光教「環境と倫理」研究会代表)と深田伊佐夫氏(立正佼成会中央学術研究所研究員)が、各宗教における取り組みの実例を報告。その後、発表者全員が登壇して会場からの質疑に応じ、最後にはRSE副代表である山本氏により、RSEの「環境と気候の非常事態宣言」が発表された(関連記事:日本の宗教者と研究者が「環境と気候の非常事態宣言」 対応の遅れに高まる懸念)。

関連タグ:フランシスコ(ローマ教皇)ラウダート・シ環境問題上智大学宗教・研究者エコイニシアティブ(RSE)
  • ツイート

関連記事

  • 日本の宗教者と研究者が「環境と気候の非常事態宣言」 対応の遅れに高まる懸念

  • 教皇が秋篠宮ご夫妻と会見 環境保護への思い込め「ラウダート・シ」贈る

  • ローマ教皇、9月1日を「環境保護のための世界祈願日」に制定

  • 教皇回勅『ラウダート・シ』の意義と足尾・水俣・福島 キリスト教から環境倫理をどう考えるか? 同志社でシンポ(1)

  • 「環境保護の日」 全地総主教がキリスト教諸教派にも団結呼び掛け

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 21世紀の神学(27)プロテスタント教会側から見るローマ教皇 山崎純二

  • 映画「空中の権威」が日本語字幕で視聴可能に 現代クリスチャンに警鐘鳴らす作品

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(222)心を癒やす祈りと賛美 広田信也

  • 世界では神を信じている人の方が多い 85カ国・地域9万1千人を対象に大規模意識調査

  • カリフォルニア州のビーチで7752人が受洗、米国史上最大規模の合同洗礼式

  • 不公平な愛 菅野直基

  • ドイツの大聖堂で「世界最大の聖書のページ」展示 グーテンベルク生誕625年記念で

  • 「司牧と行政の両方に深い知識と経験」 日本司教協議会会長、新教皇誕生でメッセージ

  • 神の憐れみ 穂森幸一

  • 聖書普及事業150年記念式典・レセプションの申し込み受け付け始まる

  • 新教皇を選ぶコンクラーベ、いつ、何回目の投票で決まる? 181日間に及んだケースも

  • 映画「空中の権威」が日本語字幕で視聴可能に 現代クリスチャンに警鐘鳴らす作品

  • 次期ローマ教皇の有力候補4人

  • 21世紀の神学(27)プロテスタント教会側から見るローマ教皇 山崎純二

  • カリフォルニア州のビーチで7752人が受洗、米国史上最大規模の合同洗礼式

  • 聖墳墓教会の床下発掘調査で貴重な発見、ヨハネ福音書の記述を裏付ける証拠に

  • 「司牧と行政の両方に深い知識と経験」 日本司教協議会会長、新教皇誕生でメッセージ

  • 新ローマ教皇にプレボスト枢機卿、教皇名は「レオ14世」 初の米国出身者

  • 四半世紀ぶりに欧州で大規模伝道会議、今月末にベルリンで 牧師ら約千人が参加

  • 世界では神を信じている人の方が多い 85カ国・地域9万1千人を対象に大規模意識調査

  • 新教皇を選ぶコンクラーベ、いつ、何回目の投票で決まる? 181日間に及んだケースも

  • 次期ローマ教皇の有力候補4人

  • 新ローマ教皇にプレボスト枢機卿、教皇名は「レオ14世」 初の米国出身者

  • ローマ教皇フランシスコの死去に対する日本国内の他教派の反応

  • 聖墳墓教会の床下発掘調査で貴重な発見、ヨハネ福音書の記述を裏付ける証拠に

  • 映画「空中の権威」が日本語字幕で視聴可能に 現代クリスチャンに警鐘鳴らす作品

  • 21世紀の神学(27)プロテスタント教会側から見るローマ教皇 山崎純二

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • フランスのカトリック教会、復活祭に成人1万人以上が受洗 昨年比45%増

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

編集部のおすすめ

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 後藤健二さん没後10年、追悼イベントで長女が映像メッセージ 「誇りに思っている」

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.