独大統領「宗教は争いを正当化するものであってはならない」 WCRP世界大会開幕、宗教者ら千人以上参加

2019年8月22日11時30分 印刷
+独大統領「宗教は争いを正当化するものであってはならない」 WCRP世界大会開幕、宗教者ら千人以上参加
開会式であいさつするドイツのフランク・ヴァルター・シュタインマイヤー大統領=20日、ドイツ・リンダウの国際会議場「インゼルハレ」で

世界宗教者平和会議(WCRP)の第10回世界大会が20日、ドイツ南部リンダウの国際会議場「インゼルハレ」で開幕した。125カ国から宗教者ら千人以上が集い、日本からも正式代表5人を含む約40人が参加。開会式では、ドイツのフランク・ヴァルター・シュタインマイヤー大統領があいさつに立ち、「宗教は争いを正当化するものであってはならない。平和を実現するためのものであり、そうでなくてはならない。宗教は、人類の平和のために尽くすもの」と訴えた。

2013年のオーストリア・ウィーン大会以来6年ぶりの開催となる今大会のテーマは、「慈しみの実践:共通の未来のために――つながりあういのち」。ドイツ外務省やバイエルン州教育省なども協力する。WCRP日本委員会からは、理事長の植松誠・日本聖公会首座主教や、理事の庭野光祥(こうしょう)立正佼成会次代会長らが参加。庭野氏は、WCRPの国際共同議長も務めており、開会式では、同じく国際共同議長の一人で、カトリック教会ナイジェリア・アブジャ大司教のジョン・オナイエケン枢機卿と共にあいさつを述べた。

開会式ではまた、全長7・5メートルの彫刻作品「リング・フォー・ピース(平和のための輪)」が発表された。これは、世界中から集めた多種の木材を用いて、連続性を象徴する「メビウスの輪」を形作ったもので、永続的な宗教間平和への願いが込められている。開会式ではこのほか、子どもたちが諸宗教による祈りをささげ、ノーベル平和賞受賞者のジョゼ・ラモス・ホルタ東ティモール元大統領が、積極的平和のビジョンを語った。

独大統領「宗教は争いを正当化するものであってはならない」 WCRP世界大会開幕、宗教者ら千人以上参加
講演に耳を傾ける宗教者ら

基調発題では、東方正教会のコンスタンディヌーポリ総主教バルソロメオス1世と、WCRP国際共同議長でムスリム社会における平和推進フォーラム会長のシェイク・アブドラ・ビンバイヤ氏、WCRP国際委員会のウィリアム・ベンドレイ事務総長がスピーチ。そして、シャンティ・アシュラム代表で国際共同議長の一人でもあるビヌ・アラム氏が、信仰に基づいた誓いを発表した。

午後には、宗教別会合、全体会議、分科会が行われた。このうち全体会議は「つながりあういのち」を共通テーマに、最終日の23日まで連日行われ、宗教指導者やNGOの代表、国連の上級代表らが計4回にわたって意見を交わす。期間中は特別セッションや地域別会合も行われる。

開幕前日の19日には、女性事前会議と青年事前会議も開催された。最終日には、大会中の議論を踏まえ、宣言文が採決される予定。WCRP日本委は開催に先立ち、「リンダウ宣言へ向けた日本からの提言」を宣言文起草委員会に提出している。そこでは、1宗教施設が1難民家族を受け入れることや、核廃絶の最大の壁だとして核抑止論を否定すること、持続可能な開発目標(SDGs)達成のための国際連帯税を実施することなど、15項目にわたる提言をしている。

独大統領「宗教は争いを正当化するものであってはならない」 WCRP世界大会開幕、宗教者ら千人以上参加
全体会議の様子

第10回世界大会の模様は、WCRP日本委の公式サイトに設置された特設ページで随時更新される。

WCRPは、1970年に発足した諸宗教の連帯によって平和活動を推進する国際組織。国連経済社会理事会(ECOSOC)に属し、99年からはNGOの最高資格である総合協議資格を取得している。現在、世界90カ国以上にネットワークを持つ。70年に京都で開かれた第1回世界大会が、WCRPの正式な設立につながった。一方、WCRP日本委は72年に日本宗教連盟の国際問題委員会を母体として発足。2012年からは公益財団法人として活動を展開している。

続報:世界宗教者平和会議、世界大会閉幕 初の女性事務総長選出

関連記事

クリスチャントゥデイからのお願い

いつもご愛読いただき、ありがとうございます。皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。記事の一つ一つは、記者や翻訳者、さらに編集者の手などを経て配信されているものです。また、多くのコラムニストや寄稿者から原稿をいただくことで、毎日欠かすことなくニュースやコラムを発信できています。

この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、読者の皆様にはぜひ、祈りと共に、毎月定期的にサポートする「サポーター」として(1,000円/月〜)、また単発の「サポート」(3,000円〜)によって応援していただきたく、ご協力をお願い申し上げます。支払いはクレジット決済で可能です。申し込みいただいた方には、毎週のニュースやコラムをまとめた申込者限定の週刊メールマガジンを送らせていただきます。サポーターやサポートの詳細、またクレジットカードをお持ちでない方はこちらをご覧ください。

国際の最新記事 国際の記事一覧ページ

人気記事ランキング

おすすめのコンテンツ【PR】

コラム

主要ニュース