Skip to main content
2026年1月10日12時05分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 文化
  3. 映画

たとえ全世界を手に入れても・・・ 映画「ダリダ 甘い囁き」に見え隠れする「本当の幸せ」

2018年5月17日23時07分 執筆者 : 青木保憲
  • ツイート
印刷
関連タグ:フランス
たとえ全世界を手に入れても・・・ 映画「ダリダ 甘い囁き」に見え隠れする「本当の幸せ」+
©2017 BETHSABEE MUCHO-PATHE PRODUCTION-TF1 FILMS PRODUCTION-JOUROR CINEMA

フランスの国民的スターにして歌姫であるダリダ。彼女は1950年代から80年代にかけ、常に第一線で活躍し続けた。アラン・ドロンとのデュエット曲「甘い囁き」は全世界でヒットし、彼女の歌の多くは日本でもカバーされた。

しかし1987年5月3日、自宅の寝室で睡眠薬を多量に服用し、自ら命を絶った。当時54歳だったダリダは、今なお全世界に多くのファンを持つという。

その彼女の半生を映画化したのが本作「ダリダ 甘い囁(ささや)き」である。このような大スターの半生を映画化する企画は数多くあるが、この作品が他のスター映画と異なるのは、スーパーアドバイザーとして、実弟のブルーノ・ジリオッティ氏が積極的に関与していること。通常こういう映画では、遺族は監督や製作者側と対立したり、主人公の描き方が彼らにとって心地よいものかチェックしたりする立場にある。だが、今回はダリダのプロデューサーであり遺族であるブルーノ氏が製作段階から関わっている。

つまり、本当に「見てもらいたいダリダ像」を映像化したということだろう。

物語は、ダリダが恋人の後を追って自殺未遂事件を引き起こすところから始まる。人気も実力も当時絶頂にあった彼女が、どうして自殺を試みたのか。それはどんな経緯からなのか。オープニングからミステリー仕立ての物語が展開する。

大スターの自殺未遂事件を受けて、彼女の周りにいた一人一人が、ダリダという歌姫をどう見ていたのかについて告白する形式で物語は転がり始める。

1933年にエジプトはカイロで生まれたダリダ(本名:ヨランダ・クリスティーナ・ジリオッティ)は、イタリア移民の音楽家家庭で育つ。幼いころに目の感染症にかかり、眼鏡をかけて過ごしたという。それがきっかけで、幼少期時代は「自分は醜い」と思いながら育ってきた(ブルーノ氏の述懐より)。

しかし16歳の時に眼鏡を外し、一念発起して美人コンテストに出場。見事優勝し、その翌年にはミス・エジプトに選出された。つまり、本当は美人だったということだ。やがて他者が彼女を見るまなざしと、彼女自身が自分を見つめる視線との乖離(かいり)が、後々まで彼女を苦しめることになっていく。

モデルを生業としていたヨランダは、1955年にパリへ進出。生活のために歌うことを決意する。そしてオランピア劇場で行われたオーディションが彼女の人生を大きく変えていく。芸名「ダリダ」としてデビューしたヨランダは、プロデューサーのエディ・バークレイ(後に彼らは結婚する)との出会いにより、「バンビーノ」という楽曲を生み出す。これが空前の大ヒットを記録し、その後はスター街道をひた走ることになるのだが・・・。

昔も今も、芸能人に憧れる人は多い。それにはいろんな理由があるだろうが、得てしてそれは「表の顔」と「裏の顔」を生み出すことになる。特に人気が高まり、素顔で表を歩けないほどになると、人前では喜怒哀楽を素直に表せられなくなる。ダリダの人生はまさにその典型的なパターンだといえよう。

映画では、「ダリダ」というスターの華やかさが描かれるのと同時に、感染症から自分に自信を持てなくなった少女ヨランダとして、自分の本音を素直に吐露する場面が度々登場する。彼女が本当に願っていたこと、それは「愛されたい」「素敵な結婚がしたい」「子どもが欲しい」というとてもシンプルなものだった。

言い換えるなら、ヨランダは「ダリダ」としていきるためにこれらすべてを犠牲にする人生を送ってきたということである。その結果、彼女は「ダリダ」として欲しいものはすべて手にしたにもかかわらず、ヨランダとして願ったものはすべて手からこぼれ落ちていく体験をしてしまう。愛した男性はすべて自殺で世を去り、本当に結婚したかったときには仕事を優先するよう説得され、願わない懐妊の故に堕胎を決断せざるを得なかった。

世界の人々に、歌や存在を通して文字通り「愛を与え続けた」彼女は、ついに一度も満足のいく愛を受けることはなかった。恋人や夫に対し、プライベートの場で「愛されたいの」と訴えたが、彼らは彼女をヨランダしてではなく、「歌姫ダリダ」としてしか見なかったということだろう。

ついに彼女は命を絶つ。その時、遺した言葉が「人生に耐えられない、許して」だった。

観終わって、思わず心に浮かんだ聖書の言葉がある。

人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、何の得があろうか。(マタイ16:26)

全財産を貧しい人々のために使い尽くそうとも、誇ろうとしてわが身を死に引き渡そうとも、愛がなければ、わたしに何の益もない。(コリント一13:3)

彼女はきっとこの聖書の一節を知っていただろう。しかし、それが内面に転化しなかったことをとても残念に思う。だが、そのような苦しみは大スター特有の現象ではない。今も私たちの人生にも起こり得ることである。

映画の冒頭、彼女が登場する前に一瞬だけマリア像が映される。それは彼女のカトリック的信仰心の表れだろうか。このワンショットは、彼女が懸命に生きようとするその様を優しく見つめているように私には思われた。

それは監督の視点であると同時に、彼女の唯一の理解者であった弟ブルーノのまなざしとも重なるだろう。傷つき、それでも懸命に歌うことに専心しようとするヨランダ(ダリダ)の傍らで、いつも心配そうに寄り添っていたのが彼であったことからしても、あながちうがった見方とはいえないだろう。

ヨランダが「ダリダ」ではなく、本来の彼女自身として遺した「人生に耐えられない、許して」という言葉。それは映画を観続けてきた者の心にも強く残されるものとなる。

本作は確かに世界的歌姫「ダリダ」の伝記ドラマである。しかし大スターのドキュメンタリーではない。彼女の内面、表の顔と裏の顔が対照的に描かれることで、その陰影の間を必死に生きようとした一人の女性の奮闘記である。

配給はKADOKAWA。5月19日(土)から角川シネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマほか全国公開。

■ 映画「ダリダ 甘い囁き」予告編

■ 映画「ダリダ 甘い囁き」公式サイト

◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

関連タグ:フランス
  • ツイート

関連記事

  • 金メダリストが戦下の宣教師に 名作「炎のランナー」のその後を描く「最後のランナー」予告編解禁

  • 元五輪候補から高額ポーカー経営者に 映画「モリーズ・ゲーム」が描く「愛する・愛される」ことの本質

  • 「毒とユーモアに満ちた真実」を押し付けてくる傑作 映画「ザ・スクエア 思いやりの聖域」

  • 「21世紀型青春映画」をキリスト教的に読み解くと・・・ 「ちはやふる -下の句-」

  • 日常の中で神のタイミングに遭遇した「普通の若者」たちの信仰物語 「15時17分、パリ行き」

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • いのちのことば社、元職員の不適切な会計処理巡る質問・意見への回答を公表

  • 米のベネズエラ攻撃・大統領拘束に対する現地の福音派キリスト者の反応

  • NCC、米のベネズエラ攻撃に抗議 高市首相には武力行使に明確に反対するよう要求

  • 米福音派の著名作家、フィリップ・ヤンシー氏が不倫を告白 執筆・講演活動から引退

  • 日本聖書神学校、2026年度から「基礎科」新設

  • 心を騒がせないためには 佐々木満男

  • 米ダラス神学校、アラビア語によるカリキュラムを開始

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(239)三柱鳥居に心を寄せて 広田信也

  • 韓国の国民的俳優、アン・ソンギ氏死去 カトリック信者、教皇司式のミサで聖書朗読も

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(260)聖書と考える「2026年・令和8年・午年」

  • いのちのことば社元職員が不適切な会計処理、数千万円規模か 社長は引責辞任へ

  • いのちのことば社、元職員の不適切な会計処理巡る質問・意見への回答を公表

  • 米のベネズエラ攻撃・大統領拘束に対する現地の福音派キリスト者の反応

  • 米福音派の著名作家、フィリップ・ヤンシー氏が不倫を告白 執筆・講演活動から引退

  • 韓国の国民的俳優、アン・ソンギ氏死去 カトリック信者、教皇司式のミサで聖書朗読も

  • 【クリスマスメッセージ】この世に来られた救い主―イエス・キリスト 渡部信

  • ノートルダム大聖堂のステンドグラス変更に33万人以上が反対 マクロン大統領の肝いり

  • 日本聖書神学校、2026年度から「基礎科」新設

  • 東京女子大学、次期学長に東大副学長の太田邦史氏

  • ワールドミッションレポート(1月3日):イラク 今も生きて働く神―絶望の地下牢を征服する福音の光③

  • いのちのことば社元職員が不適切な会計処理、数千万円規模か 社長は引責辞任へ

  • いのちのことば社、元職員の不適切な会計処理巡る質問・意見への回答を公表

  • 米のベネズエラ攻撃・大統領拘束に対する現地の福音派キリスト者の反応

  • 米福音派の著名作家、フィリップ・ヤンシー氏が不倫を告白 執筆・講演活動から引退

  • 【クリスマスメッセージ】この世に来られた救い主―イエス・キリスト 渡部信

  • ノートルダム大聖堂のステンドグラス変更に33万人以上が反対 マクロン大統領の肝いり

  • 韓国の国民的俳優、アン・ソンギ氏死去 カトリック信者、教皇司式のミサで聖書朗読も

  • 戦争と不安の時代、一年の初めに神の名を心に留める意味 山崎純二

  • スイスのスキーリゾートで火災、新年祝う若者ら約40人死亡 WCC総幹事が哀悼の書簡

  • 日本聖書神学校、2026年度から「基礎科」新設

編集部のおすすめ

  • 上智大学キリシタン文庫が初の貴重資料展、キリシタン版や大友宗麟書状など30点を公開

  • 給食で子どもたちに笑顔と教育の機会を 最貧国マラウイを支援する「せいぼじゃぱん」

  • 日本聖書協会が恒例のクリスマス礼拝、聖書普及事業150年を感謝しコンサートも

  • 「神の霊によって、主はこの国を造り替えられる」 日本リバイバル同盟が「祈りの祭典」

  • 15人の演者でマルコ福音書を再現、観客をイエスの物語に引き込む「マルコドラマ」

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2026 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.