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非暴力で差別と闘った人―キング牧師の生涯

非暴力で差別と闘った人―キング牧師の生涯(8)血と汗を流して

2015年10月29日12時09分 執筆者 : 栗栖ひろみ
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関連タグ:マーティン・ルーサー・キング

1962年5月。SCLC(南部キリスト者指導会議)の委員会のメンバーであるフレッド・リー・シャトルワーズ牧師は、バーミングハムの大学生たちと非暴力運動を推し進めてきた。彼らのボイコット運動により利益を著しく低下させた白人商店主たちはついに差別廃止運動に協力するようになり、多くの公共施設から「白人用」「黒人用」という看板が取り下げられた。

その一方で、白人差別主義者たちの妨害も強くなり、彼らはKKK団(黒人を排斥する秘密結社)や暴力団と手を握り、暴力行為に及んだ。暴徒たちは教会を襲撃し、十字架焼き討ちは50回にも及んだ。そして、何の抵抗もしない黒人女性にピストルを突き付け、暴行した。ジャッジ・アーロンという黒人はリンチされて不具になり、チャールズ・ピラップス牧師は暴行を受けて意識不明となった。こうした中、シャトルワーズ牧師は釈放されたばかりのキングに協力を依頼してきたのである。

4月3日。キングはこの依頼を承諾し、「バーミングハム・キャンペーン」を開始した。当日、キングとアバナシーが先頭に立ち、その後、黒人白人の有志50人が賛美歌を歌いながら続いた。市役所までの道には800人もの群衆が詰め掛け、野次を浴びせ掛けた。そこへ警官が駆け付け、デモ隊員を手荒く捕まえ、護送車に放り込んだ。その後、キングとアバナシーを捕らえて別の車に乗せた。

コレッタ夫人は帰らぬ夫を心配して、大統領報道官ピエール・サリンジャーと司法長官ロバート・ケネディに電話した。すると、それから間もなくケネディ大統領自身がキングの家に電話をくれて、キングに対してはFBIの係官が面会したところ元気でいるから心配はないと伝えてきた。彼は米国を二分しかねない「人種差別問題」解決に苦慮しており、キングの運動を好意的に評価していたのである。

キングたちが服役している間に、多くのデモ隊員が町に繰り出し、片端から検挙された。野次を飛ばす群衆は2千人に膨れ上がった。彼らの憎悪にあおり立てられるかのように、警官たちはデモ隊員を気を失うまで殴打したり、警察犬を使って噛み付かせたりといった非道なやり方をした。そして暴虐は次第にエスカレートしていった。

4月20日。キングとアバナシーは300ドルの保釈金を積んで刑務所を出た。それから、彼らはSCLCのメンバーと協議を重ね、ついにある案を打ち出した。それは学童の参加を募ろうという今まで考えたこともなかった方法だった。早速6歳から16歳までの子どもたちの家を訪ね、参加の意志を尋ねると、驚いたことに、ほとんどの子どもたちが喜々として参加を希望したのだった。そして6千人の学童が登録された。

5月2日。16番街バプテスト教会前にはこのうちの300人が集められた。「いいですか。もしたたかれても、たたき返さないこと。そして、捕まったら、みんな一緒にろうに入りましょう」。キングは指示をした。

彼らは手をつないで「勝利の日まで」を歌いながら次々と町に出ていった。そして、先発隊はすぐに逮捕された。そのあとのグループも出ていき、同じく逮捕された。その間にも大勢の子どもたちが教会に集まってきた。まもなく警察のパトカーは学童でいっぱいになってしまったので、警官は学校のスクールバスを護送用に使った。彼らはろうの中でも祈り、賛美歌を歌って過ごした。

5月6日。この日は19人の少年少女たちがデモ行進をした。プラカードには「誰もが自由を求めている」と書かれてあった。やがて護送車が来て、彼ら全員を刑務所に送った。この時、少し大きな少女たちが受けた非道な扱いをある新聞記者は次のように報道した。

「彼女たちは何度も殴打され、頭の痛みを訴えた者にはアスピリンの代わりに下剤が手渡され、トイレのない独房に放り込まれた。また別の少女たちは、ヘアブラシと歯ブラシを使って廊下の掃除をさせられたのである」

しかしながら、このような彼らの血と汗の受難に対し、ついに輝かしい勝利がもたらされた。5月20日。連邦最高裁判所は「バーミングハムの人種差別法令は憲法に違反する」とし、差別廃止条令を下したのであった。

だが、勝利の喜びの後、痛ましい事件が起こる。16番街バプテスト教会の窓から爆弾が投げ込まれたのである。ちょうど教会では日曜学校が開かれていて、黒人少女4人が死亡し、20人が重傷を負った。キングは犠牲となった子どものために号泣した。そしてこの痛みは最後の日まで彼につきまとったのである。

■ 非暴力で差別と闘った人: (1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)

◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。派遣や請負で働きながら執筆活動を始める。1980〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、1982〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、1990年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)、2003年『愛の看護人―聖カミロの生涯』(サンパウロ)など刊行。動物愛護を主眼とする童話も手がけ、2012年『猫おばさんのコーヒーショップ』で、日本動物児童文学奨励賞を受賞する。2015年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝の連載を始める。編集協力として、荘明義著『わが人生と味の道』(2015年4月、イーグレープ)がある。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:マーティン・ルーサー・キング
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