Skip to main content
2025年10月22日20時40分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
非暴力で差別と闘った人―キング牧師の生涯

非暴力で差別と闘った人―キング牧師の生涯(1)どうして黒人は差別されるの?

2015年7月16日18時43分 執筆者 : 栗栖ひろみ
  • ツイート
印刷
関連タグ:マーティン・ルーサー・キング

1929年1月15日。米国ジョージア州アトランタのバプテスト教会牧師マイケル・ルーサー・キングとアルバータの間に男の子が生まれた。子どもはマーティンと名付けられ、姉のウィリー・クリスティンと弟のアルフレッド・ダニエルと共に美しい町で何不自由なく育った。

マーティンは教会が大好きで、自分の家のように思っていた。4歳の頃には母の弾くピアノに合わせてよく賛美歌を独唱したが、その声は艶があって美しく、聴く者をうっとりさせた。これは天が与えた宝物で、後に多くの人々の前で演説するのに役立ったのである。

6歳になった時のこと。彼に衝撃を与え、心を傷つけるようなことが起きた。彼は近くの食料品店の双子の男の子と大の仲良しで、いつも一緒に遊んでいた。間もなく小学校に入学することになったが、登校してみると二人の姿がなかった。聞いてみると彼らは白人だけの学校に行ったのだという。一緒に勉強しようと楽しみにしていた彼は、がっかりした。

それからしばらくして、マーティン少年は彼らに会いたくて家に行ってみた。すると、母親が出てきて何やかやと理由をつけて会わせてくれない。最後に、彼がしつこくその理由を尋ねると、母親はこう言った。

「私たちは白人だし、あなたは黒人だから、もう一緒に遊べないのよ」

マーティンは泣きながら帰ってきた。そして自分の母親に訴えた。

「どうして黒人は、白人と一緒に遊んじゃいけないの? ねぇ、どうしてなの?」

母親は悲しそうにうつむいていたが、こう言った。

「世の中の規則だから仕方がないの。でもね、マーティン。自分が白人に劣るなんて考えてはだめ。誇りを持って、頭を高く上げて歩くのよ」

それから2年後のある日。彼は父親に連れられて町に靴を買いに行った。店に入った親子は窓側の椅子に腰をかけた。すると、白人の店主が言った。

「失礼ですが、裏のベンチに移ってもらえませんか?」

「ここでかまわないじゃないですか」。父親はむっとして言った。すると、店主はきっぱりと言うのだった。

「せっかくですが、ここは白人のお客様だけが座る場所なんですよ」

父親は怒り、マーティンの手を引っ張って店から出ていった。

また、こんなこともあった。彼が母親と買い物に行った時のことである。町角で待っているように言われたので、彼がそこに立っていると、見知らぬ白人の女性がつかつかと近寄ってきて言った。

「黒ん坊のチビ! 私の足を踏んだわね」。そう言いがかりをつけると、彼の頬に平手打ちをくらわした。

しばらくして母親が戻ってくると、マーティン少年は唇を噛んで、じっと無言のままうつむいていた。「どうしたの?」と尋ねても、何も言わなかった。しかし、この時すでに彼は知っていたのである。この米国には自分たち黒人のいる場所はないのだということを。

その後、彼は公立の小学校からアトランタ大学付属の大学に入り、さらにブッカー・T・ワシントン高校に転校した。彼は成績がずば抜けて優秀で、15歳でモアハウス大学の入試に合格した。この時父親は自分の教会を牧しながらも、NAACP(有色人種地位向上協会)の指導者として社会運動をしていた。この頃から、マーティンの胸には熱い思いが燃え始める。それは、差別され虐げられている黒人のきょうだいたちの地位向上のために尽くしたいという思いだった。

モアハウス大学では白人の友人もできて楽しかった。夏休みには彼らと一緒にアルバイトをしたが、白人・黒人が一緒になって倉庫で汗まみれになって働くうちに互いに親しくなった。ところが、給料をもらってみると、黒人の分は白人の半分以下であった。これが原因で白人の友達と何となく気まずくなり、マーティンの心は傷ついた。その時彼は、差別というものが黒人だけでなく白人の心をも傷つけ、不幸にするものであることを痛感したのだった。

1948年8月。19歳でモアハウス大学を卒業したマーティンは、牧師になる決心をし、クローザー神学校に入学した。ここで彼は人生の土台となるようなある著書と出会う。ウォルター・ラウシェンブッシュの『キリスト教と社会危機』である。彼は、キリストの福音は人間の魂のみならず肉体や現実生活をも救うものであることに深く感銘したのだった。

■ 非暴力で差別と闘った人: (1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)

◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。派遣や請負で働きながら執筆活動を始める。1980〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、1982〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、1990年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)、2003年『愛の看護人―聖カミロの生涯』(サンパウロ)など刊行。動物愛護を主眼とする童話も手がけ、2012年『猫おばさんのコーヒーショップ』で、日本動物児童文学奨励賞を受賞する。2015年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝の連載を始める。編集協力として、荘明義著『わが人生と味の道』(イーグレープ、2015年4月)がある。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:マーティン・ルーサー・キング
  • ツイート

関連記事

  • こころの手帳(13)注意欠如多動症(ADHD) 浜原昭仁

  • 妹尾光樹のイスラエル旅行記(5)ダビデの町の祈りの家からヒノムの谷、シロアムの池、ダビデの墓へ

  • 死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―(24)考えるとは 米田武義

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 日本聖公会首座主教・主教会が「京都事件」の書簡発表 元牧師が性加害、教区が2次加害

  • 聖公会保守派、「グローバル・アングリカン・コミュニオン」設立を宣言 決定的な分裂に

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • トルコ、5年余りで外国人キリスト教徒200人以上を国外追放 「国家安全保障」理由に

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(14)抗黙示思想と現代 臼田宣弘

  • 現代における「御言葉の飢饉」 法規制や不足で1億人のキリスト教徒が聖書入手できず

  • 冷めた心に注意しよう! 万代栄嗣

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(233)宣教は主の備えから始まる 広田信也

  • ワールドミッションレポート(10月22日):ザンビア 信仰と知識のバランス

  • 焦りは禁物 菅野直基

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • 聖公会保守派、「グローバル・アングリカン・コミュニオン」設立を宣言 決定的な分裂に

  • 中国当局、政府非公認教会の著名牧師ら約30人を拘束 米国務長官が非難声明

  • 冷めた心に注意しよう! 万代栄嗣

  • 現代における「御言葉の飢饉」 法規制や不足で1億人のキリスト教徒が聖書入手できず

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(233)宣教は主の備えから始まる 広田信也

  • 【インタビュー】ブトロス・マンスール世界福音同盟新総主事 「平和をつくる者、それが私の使命」

  • 日本聖公会首座主教・主教会が「京都事件」の書簡発表 元牧師が性加害、教区が2次加害

  • ヨハネの黙示録(8)テアテラ教会の御使いへ 岡田昌弘

  • チャーリー・カーク氏の妻、殺害者を赦す 「キリストはそうしたし、夫もそうする」

  • やなせたかしさんの妻・小松暢さんはクリスチャン、朝ドラ「あんぱん」きっかけに判明

  • チャーリー・カーク氏の妻、殺害者を赦す 「キリストはそうしたし、夫もそうする」

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 米メガチャーチ牧師、当時12歳の少女に性的虐待 罪認め6カ月収監へ

  • 「ジーザス・ムーブメント」指導者チャック・スミス氏のディボーションブック邦訳出版

  • 日本キリスト教病院協会第5回総会 人材確保や人材育成などを討議

  • 「ザ・チョーズン」がギネス記録、イエス・キリストの生涯描いた長編連続ドラマ

  • 英国国教会トップのカンタベリー大主教に初の女性、ムラリー主教の任命を国王が承認

  • イラク人難民のキリスト教徒、フランスでライブ配信中に殺害される

  • 中国東部で教会活動に対する大規模取り締まり、キリスト教徒70人以上拘束

編集部のおすすめ

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.