Skip to main content
2025年9月16日11時38分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 文化

“マンガとアニメとキリスト教” クリスチャンが選ぶサブカルチャー(1)『トーマの心臓』

2014年3月2日13時49分 執筆者 : 高嶺はる
  • ツイート
印刷
関連タグ:アニメ漫画トーマの心臓サブカルチャー
“マンガとアニメとキリスト教” クリスチャンが選ぶサブカルチャー(1)『トーマの心臓』+

「神マンガ」「神アニメ」なる言葉を目にしたことはあるだろうか。ネットの情報サイトなどでは「神」の字が「ネ申」と諧謔(かいぎゃく)的に表記されることも。ストーリーやスケールが飛び抜けていることを指す、サブカル界の称号のようなものだ。

マンガやアニメの「神作品」に圧倒され心酔した多くの若者たちが、今日もネット上で「ネ申」を賛美している。マンガやアニメの世界は、いかにも“多神教”なのである。

はたから見て、クリスチャンから見るとことさら、どうしてこのようなものに人気が・・・と嘆きたくなる物語が世にあふれているなかで、まれに目の覚めるような傑作が光明を放つ。

そんなものに触れる機会も必要もなかった、という諸賢兄姉の声があるかもしれない。しかし、世界中で高く評価されている日本のサブカルチャーがキリスト教をどのように描いてきたのか、見渡してみることもまた一興ではないか。

小説や映画を題材に語り合う集いがあるように、クリスチャンがサブカルを語る場があってもいい。その方面に通じた人たちとの情報交流で名前の挙げられてきた“神マンガ”“神アニメ”を、シリーズで紹介していきたい。

まずはマンガ。定石ならば、当世の『聖☆おにいさん』あたりを採り上げるべきかもしれないが、キリスト教メディアでもすでに見慣れた感が否めないし、そもそもユルさが話題のマンガなので、語りにくい。

この際なので、古きに遡りましょう。『トーマの心臓』。1974年に『週刊少女コミック』に連載された作品で、しかもドイツのギムナジウム(高等中学)が舞台だ。外国趣味の少女マンガと侮るなかれ。哲学書並みに深く考えさせられる。

全寮制男子校の人気者トーマが、雪の日に橋で転落死するところから物語は始まる。その謎に騒然となる生徒たちのなかで唯一冷静さを失わない委員長ユーリのもとに、トーマからの手紙が届く。「これが僕の心臓の音」。そこにトーマと瓜二つの転校生エーリクが現れて・・・。

これから読む人のために細部を明かすわけにはいかないが、この作品のメッセージは明確だ。「どんな人も愛されていい」。そのことに気づかされた主要人物の一人は、最終的に聖職者となる道を選択する。そのようなマンガは、ほかに読んだことがない。

同性愛でも異性愛でもなく、アガペー(無条件の愛)を描こうとしている。聖書的にも正しい、などと言うつもりはないが、結末を知れば、トーマの死は明らかにキリストによる十字架上の献身に通じている。純真な少年たちのすぐ近くで暗躍する悪魔的存在も、その誘惑も、聖書におけるサタンとのせめぎ合いを思わせる。

アマゾンの読者レビューから『トーマ』についての感想を抽出すると――

「初めてこの作品を読んだのは13歳。トーマと同じ年でした。漠然と、すごい話らしい・・・ということはわかるのですが、何故(中略)が救われるのか全く理解できず歯がゆい思いをしました。ずっと後になってからキリスト教の考え方を知り、(中略)の意味を知り、雷に打たれたような気分になりました。こんなにも何かを信じ、誰かを愛することが、果たして自分にはできるだろうかと・・・」

「繊細な心理描写、宗教的モチーフ、(中略)これは、キリスト教における『無償の愛』をテーマにした、極めて文学的な作品である」

「これを読んだ外国人の大学教授が大泣きをし、改宗する人までいたというのもわかる気がします」

また、以下は登場人物の言葉――

「どうして神さまは、そんなさびしいものに人間をおつくりになったの? ひとりでは生きていけないように」(日曜学校で学ぶ子が父親に尋ねて)

「ぼくはずいぶん長いあいだ、いつも不思議に思っていた。なぜあの時、キリストはユダの裏切りを知っていたのに、彼を行かせたのか」

「もしぼくに翼があるんなら、ぼくのじゃだめ? 片羽きみにあげる。両羽だっていい。きみにあげる。ぼくはいらない」

作者の萩尾望都は70年代から今に至るまで多彩に作品を生み出し続け、すでに伝説的な人だ。心理描写の巧緻はもちろん、聖と悪を描かせれば“神業”の域に入る。2012年には少女漫画家として初の紫綬褒章を受けた。

タイトルに「神」を入れた作品が散見される。長編『残酷な神が支配する』は虐待と心的外傷を軸とするサスペンス。『半神』はわずか16ページの短篇だが、1人の少女の埋めようのない欠落と孤独を描いて評判を呼び、舞台化され映像化された。

萩尾望都にとっては一貫して、人間を描くことは、神を描くことなのかもしれない。その逆もまた。その原点が『トーマ』なのだ。甘くない内容に、連載初回で打ち切られそうになりながら、再評価されていく。やはり舞台化、映画化され、萩尾ファンの小説家がノベライズしている。

古いマンガだが、少しも古くなっていない。この春休み、人生を見つめ直す稀有な素材として、『トーマの心臓』に触れてほしい。さまよえる心の若者たちに。受験勉強を終えて、ほっとしている人にも。(高嶺はる)

■ マンガとアニメとキリスト教: (1)(2)(3)(4)

関連タグ:アニメ漫画トーマの心臓サブカルチャー
  • ツイート

関連記事

  • 映画『神が送った人』―北の「地下教会」実話に基づく迫害の姿が話題に

  • 【映画レビュー】『パラダイス:神』―キリストとは? 夫婦とは? ブラックな戯画表現のヴェネチア映画祭受賞作

  • 「清く正しい」韓流ドラマ 原型は『氷点』?(1)

  • ロシア正教会、日本アニメの無統制な普及に懸念

  • 日本漫画で福音を伝える 「マンガ・メサイア」完成

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(244)聖書と考える「スティンガース 警視庁おとり捜査検証室」

  • 今の自分のままで幸せだと気付こう 菅野直基

  • 主につながり、人々を主につなげよう 万代栄嗣

  • 聖書のイエス(17)「わたしを見た者は、父を見たのです」 さとうまさこ

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(12)「苦しみ」から「光」へ 三谷和司

  • ワールドミッションレポート(9月16日):グアテマラ 子どもたちに広がる希望の連鎖

  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • 「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(12)「苦しみ」から「光」へ 三谷和司

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 新しい発見 佐々木満男

  • 主につながり、人々を主につなげよう 万代栄嗣

  • 「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者

  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • 石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • ウェールズ聖公会、首座主教にレズビアンの女性主教選出 保守派からは強い批判の声

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 「信仰の実践としてのスピリチュアルケア」 オリブ山病院で第3回臨床牧会教育

編集部のおすすめ

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.