国際祈祷学院(本部・米ジョージア州)の創設メンバーの一人で、世界75カ国以上で「リバイバル・プレイヤー・グループ」(RPG)と呼ばれる少人数の祈りのグループを立て上げてきたドナルド・ヤング牧師が初来日し、東京4カ所、沖縄2カ所を巡るツアーが行われている。ツアー初日の1月26日は、久遠キリスト教会(東京都杉並区)を会場に、午前は牧師や教会リーダー、奉仕者向けのセミナーが、午後は一般信徒向けのセミナーが開かれた。
世界177カ国560万組に広がる「RPG」
1997年、世界中から牧師や教会リーダーら120人が集まり始まった国際祈祷学院はこれまで、世界177カ国で560万組のRPGを立て上げ、7900人を超える牧師や教会リーダーを訓練してきた。その中でも創設メンバーの一人であるヤング牧師はこれまで、75カ国以上を訪れ、100万組以上のRPGを立て上げることに尽力してきた。
この数年は台湾で積極的に活動し、RPGのムーブメントは瞬く間に台湾全土に拡大。今では教派・教団の垣根を越え、5万組のRPGが形成され、日々熱心な祈りがささげられているという。今回のツアーも、台湾最大のキリスト教テレビ局「GOOD TV」の日本支局である「GOOD TV JAPAN」が主催することで実現した。
日本のリバイバルを求めて
主に教会の指導者向けに開かれた26日午前のセミナーは、ツアー会場の一つとなっているウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会の峯野龍弘主管牧師が開会の祈りをささげ、ゴスペルシンガーの横山大輔・和子夫妻の賛美リードで始まった。
ヤング牧師の講演前には、久遠キリスト教会の三浦真信牧師が「祈りのリバイバル」のため、21世紀キリスト教会の増山浩史牧師が「家族のリバイバル」のため、ニュー・クリエイション・チャーチの三好明久牧師が「賛美のリバイバル」のためと、それぞれ日本のリバイバルを求めて祈りをささげた。
また、リバイバルミッション顧問の有賀喜一牧師が、「キリストに出会う飢え渇きの心が与えられますように」と求めて祈祷。ヤング牧師を紹介するとともに、1884年に同志社で起こったリバイバル、1901年~1903年に行われた二十世紀大挙伝道によって起こったリバイバル、1910年代~1930年代に起こった大正、昭和のホーリネス派のリバイバルについて語った。
全てのリバイバルは祈りから
ヤング牧師は講演で、「全てのリバイバルは祈りから始まる」と強調。また、学んだことを「情報」として頭に入れるだけでは何も起こらず、それを心に移動させ「活性化」させることが必要だと指摘。「そのような活性化なしにリバイバルは起こりません。リバイバルなしに変革は起こりません」と話した。
また、聖霊の火は説教によって燃え上がるわけではないとも指摘。「まず祈りによって聖霊の火が燃え上がります。その火を保つために、燃料を加えるために、説教が必要になります」と言い、リバイバルは祈りによって始まることを繰り返し述べた。
さらに、午前のセミナーの対象者が教会指導者であることを念頭に、指導的な立場にあっても悔い改めが必要であることを強調。預言者イザヤでさえ「私は唇の汚れた者」と告白していることや、神学校を首席で卒業し、大型教会に副牧師として招聘されることが決まっていながらも、ポルノ中毒に陥っていた神学生のエピソードなどを話し、「悔い改めなしに解放はない」「深い悔い改めは、いつも自由をもたらします」と伝えた。
主の臨在を第一に求める
その上で、イスラエルの王ダビデが、敵に囲まれた最悪の状況の中でも「主の家に住むこと」が唯一の願いだとうたった詩篇27篇1~4節を引用。特に4節にある「(主の家に)住む」「(主の麗しさに)目を注ぐ」「(宮で)思いを巡らす」という3つの言葉について、原語のヘブライ語から、それらに込められた意味を解説し、神の臨在の中にとどまることを何よりも強く求めたダビデの姿について「これが飢え渇きの態度」と話した。
そして、「今のリバイバルのための御言葉」だとし、歴代誌第二7章14節の「わたしの名で呼ばれているわたしの民が、自らへりくだり、祈りをささげ、わたしの顔を慕い求めてその悪の道から立ち返るなら、わたしは親しく天から聞いて、彼らの罪を赦し、彼らの地を癒やす」を引用した。
「リバイバルは異邦人から始まるものではありません。救いは異邦人の元に来ます。しかし、リバイバルはまず教会に来ます。そこから私たちが変えられ、人々を教会に連れてくることができるのです」とヤング牧師。教派・教団にとらわれず、クリスチャンが「わたしの民」として一つになり、悔い改めて祈るならば、リバイバルは今にでも始まると力強く語った。
RPGで生まれるクリスチャンの間の友情
ヤング牧師の講演後には、参加者が実際にRPGのように少人数のグループを作って、日本のリバイバルを求めて祈る時を持った。
献金の時間には、日本CBMCの山下純一理事長が奨励と感謝の祈りを述べ、国際的なクリスチャンビジネスパーソンのネットワークであるCBMCでは、アジア27カ国の代表者が参加する祈り会を毎週開催していることを紹介。RPGが台湾で大きく用いられていることに触れ、「日本でも必ずできると信じています。必ず主が、この日本にもリバイバルを起こしてくださると信じています」と話した。
実際に台湾の教会を訪問してRPGの広がりを目の当たりにし、自身の教会でもRPGを奨励しているという上野の森キリスト教会の重田稔仁(としひと)牧師は、教会内に祈りのグループができたことで、教会員の間により深い一体感、友情が生まれたと話した。
また、日本でリバイバルが起きたとき、こうしたクリスチャンの間の友情が何よりも大切になると強調。日本で起きた過去のリバイバルの中には分裂で終わったものがあったことや、自身の教会でも経験した分裂による傷を話した。その上で、台湾ではRPGを通して、牧師たちの間に友情が生まれ、教会の間に協力が生まれ、和解が進んでいると証しした。
ヤング牧師の他、国際祈祷学院学長のフレッド・ハートリー牧師が、台湾で開催された「RPGカンファレンス」で伝えたメッセージの一部(日本語字幕付き)は、GOOD TV JAPAN のユーチューブチャンネルで見ることができる。