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神学書を読む

神学書を読む(75)山本芳久著『キリスト教の核心をよむ』

2021年11月6日22時22分 執筆者 : 青木保憲
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神学書を読む(75)山本芳久著『キリスト教の核心をよむ』+
山本芳久著『キリスト教の核心をよむ』(NHK出版、2021年9月)

「神学」とはかくあるべし、の典型的なお手本 「学び方を学ぶ」貴重な一冊!

かねがね思っていることだが、「神学」という用語は、とてもとっつきにくい印象を与えてしまう。「難しい」「私には無理」「それは牧師先生たちで・・・」。そんな声が聞こえてきそうだ。しかし実際に「神学」を学ぶとき、それは各々の信仰者の中に育まれた世界観の照射であり、とても身近な話題の中に「神を見いだす」営みであることが分かるはずだ。そうであるならば、神学を語る者には「難しそうに思えることをできるだけ分かりやすく、簡単に」伝える技術が求められることになる。

本書『キリスト教の核心をよむ』は、「神学」と聞いて引いてしまいがちな市井の人々に最適な入門書となっている。付け加えるなら、「入門書」にして「指南書」である。本書冒頭で、著者はこう語っている。

本書では、そんなキリスト教の基礎の基礎を学びます。基礎を学ぶにあたっては、「学び方を学ぶ」ことを意識してほしいと思います。(中略)本書を読んで聖書の読み方に触れることで、読者のみなさんに「あ、これなら自分でも聖書を読んでみることができるかもしれない」といった手応えを感じていただきたいと思っています。(6ページ)

そして、著者は「旅人の神学」というコンセプトの下、4章立てで「聖書の学び方を学ぶ」秘訣を語っている。分量にして120ページ余り。決して多くはない。本書がNHK出版の「学びのきほん」シリーズであることからも分かるように、どんな人が読んでも2時間程度で全体像をつかむことができるような工夫がなされている。

その工夫の最たるものは、聖書の専門用語を極力排し、日常語で説明しようとしている点である。具体例を示そう。第1章「旧約聖書とは何か」で、あまた存在する概説本と同様、初めは「旧約」「新約」の意味を語り、その構成を簡潔にまとめている。その後、著者は旧約聖書の本質を、ユダヤ教の思想家アブラハム・ヘッシェルの言葉を用いながら、こう語っている。

旧約聖書の大きな特徴は何かというと、人間の側が心の安定などを求めて神にすがるというよりは、むしろ神の側が、人間を追い求めてさまざまな出来事を引き起こし、言葉を語りかけてくること(23ページ)

神の側が徹底的にイニシアティブを取り、さまざまな出来事を引き起こし、人間へ働きかけていく。その働きかけにどのように応答するのか、人間には根本的な決断が求められる。これが旧約聖書の世界(である)(24ページ、カッコ内は筆者の加筆)

そして、信仰の先祖といわれるアブラハムの例を取り上げ、「旅人の神学」を説明していくのである。

こんな具合で、第2章では新約聖書、そしてイエスの生涯、さらにイエスの例え話の中でも特に「旅」に関するものが取り上げられ、そこに著者独自の解説が彩り豊かに示されていくのである。

第3章では、全22巻に及ぶ大著『神の国』の著者にして、キリスト教神学の基本的な構造を生み出したといわれるアウグスティヌスの人生遍歴を紹介し、まさに「旅人」としての生きざまを簡潔にまとめている。第4章は、著者自身の出自にも重なるカトリックの視点から、現代と神学との橋渡しの必要性を説いている。そのどれもが分かりやすく、それでいて思わず「へえー」と思わざるを得ない、そんな豊かな知識に彩られている。

調べてみると、本書はアマゾンの「キリスト教入門」カテゴリーにおける売上ランキングでも上位にランクしている。それだけ多くの人が手に取り、しかも高く評価しているということだろう。

私は牧師になって以来、常に言い続けてきていることの中に「キリスト教業界用語の解体」というものがある。キリスト教ビギナーが「何となく文脈から分かるけど、いまいち理解できない」と感じる「業界用語」は、実は未信者がキリスト教に理解を示すのに障害となっているのではないかと考えている。だから「業界用語」の本質をずらさない程度に、それらを平易で日常的な言葉に言い換えることができるなら、われわれが訴えたい事柄の本質をつかんでもらえるのではないか。常々そう思い、時間があれば本屋に立ち寄り、その糸口になるような本がないか探している。

そういった意味で本書は、まさに「学びのきほん」として最適である。同時に、このような語り口を「きほん」とするなら、これに続くさまざまな「キリスト教解説本」にも食指が動くというものだろう。そういったことを想定してか、巻末に掲げられている「初学者のための『キリスト教』ブックガイド」は、とても親切で、多岐にわたる文献を集めているといえよう。もちろん「神学界の巨人」のような人々による骨太で巨大岩盤のようなもの(例えば、フォン・ラートの著作)も散見するが、ネットで興味あるものを調べ、そこから自身の興味関心に従って探究の旅を始めることも可能である。

今、最もお薦めしたい「神学的基本書」である。

■ 山本芳久著『キリスト教の核心をよむ』(NHK出版、2021年9月)

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◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

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