新型コロナウイルスをどう理解すればよいか? 米神学者ジョン・パイパー氏が見解

2020年4月17日12時00分 印刷
+ジョン・パイパー
ジョン・パイパー氏(写真:James Gordon)

世界で感染者が200万人を超え、死者も14万人以上に上っている新型コロナウイルス感染症。収束の兆しはいまだ見えず、各国が対策に奔走している。多くの人命を奪い続けているこの歴史的なパンデミック(世界的大流行)を、神を信じるクリスチャンはどう理解すればよいのか。米国の改革派神学者で宣教団体「デザイアリング・ゴッド」の創設者であるジョン・パイパー氏が、同団体のウェブサイトのコーナー「ジョン牧師に聞いてみよう」で見解を述べた。

新型コロナウイルスをどう理解すればよいか?」(英語)の質問に答える前、パイパー氏は初め、回答することに「不安を感じている」と語った。こうした災いに対する聖書的解釈を提供することと、実際に人々が苦しんでいる最中に、その神学を適応させることを分けて考えているからだという。現在、世界では多くの人が新型コロナウイルスにより命を落としており、家族や友人など、その死を悲しむ人はさらにその何倍もいることから、「私が言おうとしていることは、ある人々にとっては時宜に適ったものではないかもしれません」とパイパー氏。そう前置きした上で、幾つもの聖句を引用しながら自身の見解を明らかにした。

イエスはすべてに勝る主権者

「経験的・歴史的事実と、聖書にある明らかな事実から始めましょう」。パイパー氏はそう述べ、初めに2004年12月26日に発生したスマトラ島沖地震に触れた。この地震では巨大な津波が発生し、20万人を超える死者が出た。さらにこの日は日曜日で、礼拝のために人々が集っていた複数の教会も津波の被害に遭い、死者が出た。「これが歴史的事実です。そこにクリスチャンがいる限り、こうした被害はクリスチャンにも起こったのです」

一方、聖書的事実として、イエスが「黙れ。静まれ」と言うと嵐が静まり、「風や湖さえも」(マルコ4:41)イエスに従ったことを挙げた。そして「イエス・キリストは、きのうも今日も、また永遠に変わることのない方です」(ヘブライ13:8)から、「これはかつてそうであったように、今日においても真実なのです」と続けた。

パイパー氏は、この歴史的事実と聖書的事実を照らし合わせながら、「イエスは自然災害を止めることができたが、2004年(のスマトラ島沖地震)はそうされなかった」ということが導き出せると指摘。「イエスは常に賢明で正しく、公正で善いことをなさる方であり、それ故(人間には理解できないとしても)、あの多くの命を奪った災害にも賢明で善い目的があったのです」と言い、新型コロナウイルスにおいても同じことが言えると語った。

また、新型コロナウイルスを含め「イエスは、この世界の自然的、超自然的な力に対して、すべての知識とすべての権威を持っておられます」と強調。その上で、このウイルスによる災いを解釈するための4つの視点を提供した。

1. すべての生き物は死ぬ

パイパー氏は、アダムとエバを通して罪が入り、この世界が堕落して以来、「神にかたどって創造された」(創世記1:27)人間を含め、すべての生き物は死ぬように定められていると言う。そしてローマの信徒への手紙8章20~23節を根拠に、それは福音によって救われたクリスチャンも変わらないと述べた。

「すべての被造物が病気や災害、死の鎖から解放され、神の子たちの栄光に輝く自由にあずかれる日が近づいています。それまでの間、パウロが『”霊” の初穂をいただいているわたしたちも』(ローマ8:23)と表現しているように、クリスチャンも、復活の時に起こる体の贖(あがな)いをうめきながら待ち望みつつ、すべての被造物と共に、滅び、虚無、病気、災害、死を分かち合っています」

しかしクリスチャンが他と違うのは、これらの災いに遭遇する理由が「罪に定められたから」ではないことだという。「キリスト・イエスに結ばれている者は、罪に定められることはありません」(ローマ8:1)などを引用し、「私たち(クリスチャン)にとっての痛みは清めであり、罰ではありません」と語った。

2. 憐れみとしての病気

次にパイパー氏は、コリントの信徒への手紙一11章29~32節から、「神は時に、清めと救いのための裁きとして、神の民に病を負わせることがありますが、それは罪の定めではなく、神の救いを目的とした憐(あわ)れみの行為なのです」と語った。

主の体のことをわきまえずに飲み食いする者は、自分自身に対する裁きを飲み食いしているのです。そのため、あなたがたの間に弱い者や病人がたくさんおり、多くの者が死んだのです。わたしたちは、自分をわきまえていれば、裁かれはしません。裁かれるとすれば、それは、わたしたちが世と共に罪に定められることがないようにするための、主の懲らしめなのです。(コリント一11:29~32)

この箇所は、具体的には聖餐(聖体拝領)について語っている箇所だが、パイパー氏は、もっと深い原則的な意味があると説明。「つまり、私たちの中には病気で死ぬ人もいますが、それは『世と共に罪に定められることがないようにするため』(32節)ということです」。その上で、神は「コリントにいる少数の愛する人々にもそうするのであれば、新型コロナウイルスによるものも含め、多くの人にもそうされるのです」と語った。

3. 裁きとしての病気

一方、「神は時に、病気を用いて、神を拒絶し罪に身を委ねる者に特定の裁きを下すことがあります」とも指摘。例として、教会を迫害し、イエスの12弟子の1人であるヨハネの兄弟ヤコブを殺害したり、ペトロを投獄したりしたヘロデ王が演説中に急死したことなどを紹介した。

ヘロデが王の服を着けて座に着き、演説をすると、集まった人々は、「神の声だ。人間の声ではない」と叫び続けた。するとたちまち、主の天使がヘロデを打ち倒した。神に栄光を帰さなかったからである。ヘロデは、蛆(うじ)に食い荒らされて息絶えた。(使徒12:21~23)

4. 悔い改めへの呼び掛け

最後にパイパー氏は、あらゆる自然災害は、裁きのまっただ中で神が憐れみをもって示す「雷鳴」のような警告であり、神は世界のすべての人々に対し悔い改めと人生の変革を呼び掛けていると語った。そしてその根拠として、ルカによる福音書13章1~5節に書かれたイエスの言葉を示した。

ここでは、ユダヤ地方を支配していた総督ピラトによるガリラヤ人の虐殺と、18人の死者が出たシロアムの塔の倒壊事故という、「人災」と「天災」と取れる2つの災いが扱われている。イエスは、これらの災いに遭った人々について「ほかのどの人々よりも、罪深い者だったと思うのか。決してそうではない。言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる」(ルカ13:4~5)と断言している。

パイパー氏は、これが「イエスの答え」であり、「新型コロナウイルスがまん延している今この瞬間の世界に向けたイエスのメッセージ」だと強調。神が、パイパー氏自身も含め、すべての人に対し悔い改めと人生の変革を呼び掛けていると語った。

ジョン・パイパー(John Piper):1946年、巡回伝道者の父のもと米南部テネシー州で生まれる。学生時代、入院中にラジオで福音派指導者ハロルド・オッケンガの説教を聴いて献身を決意。米フラー神学校、独ミュンヘン大学で学ぶ。その後、米ベテル大学、同神学校で教鞭を執り、80年から33年間、ベツレヘム・バプテスト教会(ミネソタ州)を牧会した。「デザイアリング・ゴッド」(英語)は94年に始め、現在は月間ユーザー数が350万を超えるウェブ宣教団体に成長。50冊を超える著書があり、幾つかは邦訳書も出版されている。2014年には、キリスト聖書学園(CBI、名古屋市)主催のカンファレンスで来日講演している。

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