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コヘレト書を読む

コヘレト書を読む(29)「天災」―災難〔人災と天災〕その2― 臼田宣弘

2019年8月15日10時51分 コラムニスト : 臼田宣弘
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関連タグ:コヘレトの言葉(伝道者の書)臼田宣弘

19 言葉を告げる食事をするのは笑うため。酒は人生を楽しむため。銀はすべてにこたえてくれる。20 親友に向かってすら王を呪うな。寝室ですら金持ちを呪うな。空の鳥がその声を伝え、翼あるものがその言葉を告げる。11:1 あなたのパンを水に浮かべて流すがよい。月日がたってから、それを見いだすだろう。2 七人と、八人とすら、分かち合っておけ、国にどのような災いが起こるか、分かったものではない。3 雨が雲に満ちれば、それは地に滴る。南風に倒されても北風に倒されても、木はその倒れたところに横たわる。4 風向きを気にすれば種は蒔(ま)けない。雲行きを気にすれば刈り入れはできない。5 妊婦の胎内で霊や骨組がどの様になるのかも分からないのに、すべてのことを成し遂げられる神の業が分かるわけはない。6 朝、種を蒔け、夜にも手を休めるな。実を結ぶのはあれかこれか、それとも両方なのか、分からないのだから。(10:19~11:6、新共同訳)

前回は、災難の中でも人災について書かせていただきました。今回は、天災とそれへの対処のことが伝えられています。「国(聖書協会共同訳では「地」)にどのような災いが起こるか、分かったものではない」(11章2節後半)とコヘレトは言います。天災はいつ起こるか分かりません。私は新潟県柏崎市の教会に在任中、中越沖地震という大きな天災を体験しました。その時に思ったことは、「たとえ10秒前からでも、これから大地震が起こることが分かっていれば、どんなにかダメージが少なかっただろうか」ということです。しかし天災はいつ起こるか分かりません。ですから「国にどのような災いが起こるか、分かったものではない」というのは、天災のことだろうと思うのです。

「あなたのパンを水に浮かべて流すがよい。月日がたってから、それを見いだすだろう。七人と、八人とすら、分かち合っておけ」(1節後半~2節前半)というのは、天災がいつやってきてもいいように、普段から分かち合っておきなさいということです。パンを水に流すように、報いを考えないで分かち合っておけば、いざという時に助けてもらえるということです。

この箇所の前の「言葉を告げる食事をするのは笑うため。酒は人生を楽しむため。銀はすべてにこたえてくれる。親友に向かってすら王を呪うな。寝室ですら金持ちを呪うな。空の鳥がその声を伝え、翼あるものがその言葉を告げる」(10章19~20節)は、富者の実情が書かれているのですが、これはコヘレトが冷笑的に見ているものであり、富者であるよりも分かち合うことを大切にしなさい、と11章につながっているように思えます。

むくいを望まで 人に与えよ、
こは主のとうとき みむねならずや、
水の上に落ちて 流れしたねも、
いずこの岸にか 生いたつものを。
(『讃美歌21』566番1節)

この賛美歌は11章1~2節を歌ったものです。「むくいを望まで 人に与えよ」は、普段から分かち合っておきなさいということです。「いずこの岸にか 生いたつものを」は、天災に遭ったときの他者からの助けと考えることができると思います。私が中越沖地震に遭ったとき、一番心強かったのは他者からの助けでした。「いつ天災にあっても良いように、常日頃から分かち合っておきなさい」。これがコヘレトの天災に対する第1のメッセージです。

「雨が雲に満ちれば、それは地に滴る」(3節前半)。今日でもそうですが、雲の状態は、天候を予測するのに大切なことです。「雲行きが怪しい」と言えば、それは雨が降ることを意味します。ここではそのことを言っているのです。雨が雲に満ちるというのは、「雲行きが怪しい」という意味です。

「南風に倒されても北風に倒されても、木はその倒れたところに横たわる」(3節後半)。これは畑のそばに、倒れやすい木があったということでしょう。風が北から吹けば木は南側の畑に倒れます。南から吹けば北側の畑に倒れます。「風向きを気にすれば種は蒔けない」(4節前半)。畑のそばの木というのは、北から風が吹いてきて倒れるかもしれない、南から風が吹いてきて倒れるかもしれない。それによって木が倒れたところの作物は育たない。でも、そんなことを言っていたら種は蒔けない、ということです。天候がどうなるか分からないとばかり言っていたなら、「種は蒔けない」ということです。

「雲行きを気にすれば刈り入れはできない」(4節後半)というのは、3節前半と結び付きます。「雨が雲に満ちれば、それは地に滴る。雲行きを気にすれば刈り入れはできない」とつながります。雨が降ることを気にしていたら、農作業は種まきも刈り入れもできないということです。

「朝、種を蒔け、夜にも手を休めるな。実を結ぶのはあれかこれか、それとも両方なのか、分からないのだから」(6節)。さまざまな状況を想定して、さまざまに種を蒔いておけ、ということです。このことを試験勉強に当てはめるならば、「山を張るな、山を掛けるな」ということです。さまざまな状況を想定して、あらゆる勉強をしておきなさいということです。「農作物に対する天災を予測して、さまざまに種を蒔いておきなさい」。これがコヘレトの天災に対する第2のメッセージです。

翻って、われわれの人生はこれから先、当たり外れがあるかもしれない。作物が育つ天候に恵まれることとそうでないことがあるように、人生においてもこれから先どういうことがあるか分からない。それを過度に期待したり、心配したりするのではなく、さまざまな備えをして「今の時を一生懸命生きる」ということを、この箇所は農作物のことを通して説いているように思えます。

さて、このように読んでまいりますと、コヘレト書第3部の本論である9章11節~11章6節では、「人生は何が起こるか分からない。災難がどう起こるか分からない。だから『分かち合っておきなさい』『今の時にできることを精一杯やっておきなさい』」ということが伝えられているように思えます。(続く)

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【お知らせ】本連載コラム「コヘレト書を読む」は、第30回で終了となります。終了後は、新連載コラム「パウロとフィレモンとオネシモ」がスタートします。掲載日は、これまでと同様、毎月第1・第3木曜日の予定です。どうぞご期待ください。

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:コヘレトの言葉(伝道者の書)臼田宣弘
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