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三浦文学の魅力と底力

三浦文学の魅力と底力(16)「キリストのあほう」になった人 込堂一博

2019年5月24日10時18分 コラムニスト : 込堂一博
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関連タグ:三浦綾子三浦光世三浦綾子記念文学館マザー・テレサ森下辰衛込堂一博
三浦文学の魅力と底力(16)「キリストのあほう」になった人 込堂一博+
2月28日に塩狩峠記念館で開かれた「長野政雄をしのぶ会」で。左から、『漫画 塩狩峠』の作者であるのだますみさん、中島啓幸(ひろゆき)さん、映画「塩狩峠」で主役を演じた俳優の中野誠也さん。

三浦作品を読んで人生が一変し、新しい希望の人生へと方向転換した人々が数えきれないほど多いことは、よく知られています。その中でも、旭川市在住の中島啓幸(ひろゆき)さんは稀有(けう)な存在です。旭川めぐみキリスト教会を会場に三浦綾子読書会を始めたころから、旭川六条教会の会員であった中島さんは毎回参加されるようになりました。市内の障がい者療育施設に勤務する、素朴で積極的な青年でした。読書会には、三浦光世さんも毎回参加されていましたが、中島さんは三浦綾子さんの著作(主に文庫本)をいつも何冊も持参して、会が終了する度に、光世さんにサインをお願いしていました。光世さんは、嫌な顔一つせず毎回快くサインしていました。

そのうち、中島さんが個人的に小説『塩狩峠』の歴史的史実を取材調査していることを耳にしました。そして、苦労してまとめたものを、2007年7月に『塩狩峠、愛と死の記録』(いのちのことば社)として出版されたので驚きました。口で言うだけでなく、実際に行動する信仰者だと感心したのです。以下に、中島さんの著書から、ご本人の証しされていることをまとめさせていただきます。

中島さんは小学6年生の時、『塩狩峠』を読み、主人公が人のために命を捨てたという事実に深く感動しました。しかも自分が生まれ育った旭川に、主人公のモデルとなった長野政雄さんが生きていたことや、著者の綾子さんが実際に旭川に暮らしていることで、『塩狩峠』をとても身近に感じて生きていました。

中学生になって陰湿ないじめを受けるようになり、地獄のような日々の中で、あの『塩狩峠』の主人公が、もしこのいじめを知ったら、きっと命懸けで助けてくれるに違いないと真剣に考え始めました。

やがて20代前半にさしかかったころ、社会人として生きることの大変さと苦しみを味わう中で、再び「あの小説のモデルとなった長野さんが、ここにいてくれたらなあ」という思いになりました。そして1994年9月、綾子さんが所属する旭川六条教会の門をたたきました。

そこで実在のモデル、長野さんを生かしていたものが聖書であり、キリストの十字架であることを初めて知りました。教会に出席するようになり、三浦夫妻との交流も始まりました。翌年2月28日に厳寒の塩狩峠で、「塩狩峠アイス・キャンドルの集い」が開かれました。その直前、あまりに中島さんが「長野さん、長野さん」と言うので、綾子さんは「あなた、そんなに長野さんのことを大事に思っているなら、『塩狩峠』の続編を書いてみたら?」と言いました。

中島さんは、この綾子さんの一言に刺激を受け、余暇のすべてを費やして長野さんの足跡を追う取材と資料収集の旅をするようになりました。それは3年に及び、2002年秋から半年間、旭川六条教会の月報に「長野政雄の肖像」と題して連載しました。それが5年後に『塩狩峠、愛と死の記録』として出版されました。同書は、長野さんの誕生、生い立ちから、信仰を持った経緯、塩狩峠での殉職と葬儀について、実に克明に記していて興味深い内容です。

中島さんは、自分が尊敬する人には臆することなく連絡をし、直接訪問して関わろうとします。たとえば、インドのマザー・テレサに直接会いに出掛け、綾子さんから託された『塩狩峠』の英語版を届けたことがあります。その時、中島さんがマザー・テレサに長野さんの最期を伝えると、感動して「私の同志だ」と語ったといいます。

また、俳優の森繁久弥さんや樹木希林さんとも文通で交流を重ねました。特に樹木さんとの交流は、今年3月に主婦の友社から出版された『樹木希林さんからの手紙』(NHK「クローズアップ現代+」+「知るしん」制作班著)の中で紹介されました。幾つもある手紙の中で、最初に紹介されているのが、樹木さんが中島さんに宛てた手紙です。

中島さんの大胆さや行動力は、三浦作品との出会い、三浦夫妻との交流が大きな原動力になっています。今年2月28日に開かれた「長野政雄さんをしのぶ会」では、映画「塩狩峠」で主役を演じた俳優の中野誠也さんを、中島さんが直接訪問してくださり、中野さんによる特別トーク会の開催が実現しました。中島さんはその当日、長野さんが殉職時身に着けていた血染めの小型聖書を、特別に参加者各自が手にすることができるようにしてくださり、参加者一同大いに感動したことです。

三浦文学の魅力と底力(16)「キリストのあほう」になった人 込堂一博
長野さんが常に携帯していた小型聖書。右側に血痕と思われる赤黒いしみが残っている。

『塩狩峠、愛と死の記録』の解説で、三浦綾子読書会代表の森下辰衛(たつえい)氏は、次のように記しています。

永野信夫は言っています。「わたしはほんとうにキリストのあほうになりたいんです」(『塩狩峠』隣人)(中略)他の伝記小説の場合もそうだったろうと思いますが、尊敬する偉大な信仰者を描くことを通して、綾子さん自身が多くの恵みを受け成長していったと思います。綾子さんは、この「キリストのあほう」永野信夫を書きながら、自身も引き返すことのできない「キリストのあほう」の作家になっていったと思います。中島さんもこの『塩狩峠』に捕えられ「あほう」にされていった人です。綾子さんの『塩狩峠』と中島さんという探求者を得て、百年の歳月ののちに復活した「元祖キリストのあほう」長野政雄さんに会えるありがたい本。それがこの本です。

「キリストのあほう」になった中島さん、次はどんな冒険に踏み出されるのでしょうか。彼から目を離せません。(続く)

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◇

込堂一博

込堂一博

(こみどう・かずひろ)

北海道室蘭市生まれ。聖書神学舎卒業。屯田キリスト教会協力牧師、三浦綾子読書会相談役。著書に『三浦綾子100の遺言』『人生の先にある確かな希望(天のふるさと)』『三浦文学の魅力と底力』『終わりの時代の真の希望とは』他。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:三浦綾子三浦光世三浦綾子記念文学館マザー・テレサ森下辰衛込堂一博
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