Skip to main content
2025年12月30日17時03分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
三浦文学の魅力と底力

三浦文学の魅力と底力(16)「キリストのあほう」になった人 込堂一博

2019年5月24日10時18分 コラムニスト : 込堂一博
  • ツイート
印刷
関連タグ:三浦綾子三浦光世三浦綾子記念文学館マザー・テレサ森下辰衛込堂一博
三浦文学の魅力と底力(16)「キリストのあほう」になった人 込堂一博+
2月28日に塩狩峠記念館で開かれた「長野政雄をしのぶ会」で。左から、『漫画 塩狩峠』の作者であるのだますみさん、中島啓幸(ひろゆき)さん、映画「塩狩峠」で主役を演じた俳優の中野誠也さん。

三浦作品を読んで人生が一変し、新しい希望の人生へと方向転換した人々が数えきれないほど多いことは、よく知られています。その中でも、旭川市在住の中島啓幸(ひろゆき)さんは稀有(けう)な存在です。旭川めぐみキリスト教会を会場に三浦綾子読書会を始めたころから、旭川六条教会の会員であった中島さんは毎回参加されるようになりました。市内の障がい者療育施設に勤務する、素朴で積極的な青年でした。読書会には、三浦光世さんも毎回参加されていましたが、中島さんは三浦綾子さんの著作(主に文庫本)をいつも何冊も持参して、会が終了する度に、光世さんにサインをお願いしていました。光世さんは、嫌な顔一つせず毎回快くサインしていました。

そのうち、中島さんが個人的に小説『塩狩峠』の歴史的史実を取材調査していることを耳にしました。そして、苦労してまとめたものを、2007年7月に『塩狩峠、愛と死の記録』(いのちのことば社)として出版されたので驚きました。口で言うだけでなく、実際に行動する信仰者だと感心したのです。以下に、中島さんの著書から、ご本人の証しされていることをまとめさせていただきます。

中島さんは小学6年生の時、『塩狩峠』を読み、主人公が人のために命を捨てたという事実に深く感動しました。しかも自分が生まれ育った旭川に、主人公のモデルとなった長野政雄さんが生きていたことや、著者の綾子さんが実際に旭川に暮らしていることで、『塩狩峠』をとても身近に感じて生きていました。

中学生になって陰湿ないじめを受けるようになり、地獄のような日々の中で、あの『塩狩峠』の主人公が、もしこのいじめを知ったら、きっと命懸けで助けてくれるに違いないと真剣に考え始めました。

やがて20代前半にさしかかったころ、社会人として生きることの大変さと苦しみを味わう中で、再び「あの小説のモデルとなった長野さんが、ここにいてくれたらなあ」という思いになりました。そして1994年9月、綾子さんが所属する旭川六条教会の門をたたきました。

そこで実在のモデル、長野さんを生かしていたものが聖書であり、キリストの十字架であることを初めて知りました。教会に出席するようになり、三浦夫妻との交流も始まりました。翌年2月28日に厳寒の塩狩峠で、「塩狩峠アイス・キャンドルの集い」が開かれました。その直前、あまりに中島さんが「長野さん、長野さん」と言うので、綾子さんは「あなた、そんなに長野さんのことを大事に思っているなら、『塩狩峠』の続編を書いてみたら?」と言いました。

中島さんは、この綾子さんの一言に刺激を受け、余暇のすべてを費やして長野さんの足跡を追う取材と資料収集の旅をするようになりました。それは3年に及び、2002年秋から半年間、旭川六条教会の月報に「長野政雄の肖像」と題して連載しました。それが5年後に『塩狩峠、愛と死の記録』として出版されました。同書は、長野さんの誕生、生い立ちから、信仰を持った経緯、塩狩峠での殉職と葬儀について、実に克明に記していて興味深い内容です。

中島さんは、自分が尊敬する人には臆することなく連絡をし、直接訪問して関わろうとします。たとえば、インドのマザー・テレサに直接会いに出掛け、綾子さんから託された『塩狩峠』の英語版を届けたことがあります。その時、中島さんがマザー・テレサに長野さんの最期を伝えると、感動して「私の同志だ」と語ったといいます。

また、俳優の森繁久弥さんや樹木希林さんとも文通で交流を重ねました。特に樹木さんとの交流は、今年3月に主婦の友社から出版された『樹木希林さんからの手紙』(NHK「クローズアップ現代+」+「知るしん」制作班著)の中で紹介されました。幾つもある手紙の中で、最初に紹介されているのが、樹木さんが中島さんに宛てた手紙です。

中島さんの大胆さや行動力は、三浦作品との出会い、三浦夫妻との交流が大きな原動力になっています。今年2月28日に開かれた「長野政雄さんをしのぶ会」では、映画「塩狩峠」で主役を演じた俳優の中野誠也さんを、中島さんが直接訪問してくださり、中野さんによる特別トーク会の開催が実現しました。中島さんはその当日、長野さんが殉職時身に着けていた血染めの小型聖書を、特別に参加者各自が手にすることができるようにしてくださり、参加者一同大いに感動したことです。

三浦文学の魅力と底力(16)「キリストのあほう」になった人 込堂一博
長野さんが常に携帯していた小型聖書。右側に血痕と思われる赤黒いしみが残っている。

『塩狩峠、愛と死の記録』の解説で、三浦綾子読書会代表の森下辰衛(たつえい)氏は、次のように記しています。

永野信夫は言っています。「わたしはほんとうにキリストのあほうになりたいんです」(『塩狩峠』隣人)(中略)他の伝記小説の場合もそうだったろうと思いますが、尊敬する偉大な信仰者を描くことを通して、綾子さん自身が多くの恵みを受け成長していったと思います。綾子さんは、この「キリストのあほう」永野信夫を書きながら、自身も引き返すことのできない「キリストのあほう」の作家になっていったと思います。中島さんもこの『塩狩峠』に捕えられ「あほう」にされていった人です。綾子さんの『塩狩峠』と中島さんという探求者を得て、百年の歳月ののちに復活した「元祖キリストのあほう」長野政雄さんに会えるありがたい本。それがこの本です。

「キリストのあほう」になった中島さん、次はどんな冒険に踏み出されるのでしょうか。彼から目を離せません。(続く)

<<前回へ    次回へ>>

◇

込堂一博

込堂一博

(こみどう・かずひろ)

北海道室蘭市生まれ。聖書神学舎卒業。屯田キリスト教会協力牧師、三浦綾子読書会相談役。著書に『三浦綾子100の遺言』『人生の先にある確かな希望(天のふるさと)』『三浦文学の魅力と底力』『終わりの時代の真の希望とは』他。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:三浦綾子三浦光世三浦綾子記念文学館マザー・テレサ森下辰衛込堂一博
  • ツイート

関連記事

  • 三浦文学の魅力と底力(15)もう一人の「秘密兵器」の登場! 込堂一博

  • 三浦文学の魅力と底力(14)テレホン伝道から本3部作の出版が実現! 込堂一博

  • 三浦文学の魅力と底力(13)三浦綾子読書会の誕生と広がり 込堂一博

  • 三浦文学の魅力と底力(12)光世さん、75歳からの新出発! 込堂一博

  • 三浦文学の魅力と底力(11)綾子さんを支え続けた光世さんの悲しみ 込堂一博

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • いのちのことば社元職員が不適切な会計処理、数千万円規模か 社長は引責辞任へ

  • 2025年のトップ10ニュース(国際編)

  • 【クリスマスメッセージ】この世に来られた救い主―イエス・キリスト 渡部信

  • 2025年のトップ10ニュース(国内編)

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(259)聖書と考える「年末SP・秘湯ロマン」

  • 京大などのチームがキリスト教AIの開発開始 「プロテスタント教理問答ボット」を発表

  • 一人の信者を作るためにたくさんの敵を作らない伝道 菅野直基

  • ワールドミッションレポート(12月30日):ツバル 南洋の島国が、岩なるキリストに立つように祈ろう

  • 東京女子大学、次期学長に東大副学長の太田邦史氏

  • 自ら体験し受け入れるキリスト 万代栄嗣

  • いのちのことば社元職員が不適切な会計処理、数千万円規模か 社長は引責辞任へ

  • 2025年のトップ10ニュース(国際編)

  • 2025年のトップ10ニュース(国内編)

  • Gゼロ時代の津波石碑(8)日本人が宗教アレルギーとなった経緯 山崎純二

  • 【クリスマスメッセージ】この世に来られた救い主―イエス・キリスト 渡部信

  • イーロン・マスク氏、最も尊敬するのは「創造主」 宇宙を創造した神の存在を肯定

  • 東京女子大学、次期学長に東大副学長の太田邦史氏

  • 上智大学キリシタン文庫が初の貴重資料展、キリシタン版や大友宗麟書状など30点を公開

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(259)聖書と考える「年末SP・秘湯ロマン」

  • 京大などのチームがキリスト教AIの開発開始 「プロテスタント教理問答ボット」を発表

  • 2025年に最も人気のあった聖句はイザヤ書41章10節 この6年で4回目

  • 元阪神マートンさんが来日ツアー「クリスマスの贈り物」 関西学院大でトークイベントも

  • 上智大学キリシタン文庫が初の貴重資料展、キリシタン版や大友宗麟書状など30点を公開

  • 【クリスマスメッセージ】この世に来られた救い主―イエス・キリスト 渡部信

  • 英聖公会の聖職者ら約700人がカトリックに、この30年余りで 女性司祭導入後に急増

  • イーロン・マスク氏、最も尊敬するのは「創造主」 宇宙を創造した神の存在を肯定

  • 日本聖書協会が恒例のクリスマス礼拝、聖書普及事業150年を感謝しコンサートも

  • 【書評】鶴見太郎著『ユダヤ人の歴史―古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』

  • Gゼロ時代の津波石碑(8)日本人が宗教アレルギーとなった経緯 山崎純二

  • 京都ノートルダム女子大学、次期学長に酒井久美子氏 学生募集停止の来年4月から

編集部のおすすめ

  • 給食で子どもたちに笑顔と教育の機会を 最貧国マラウイを支援する「せいぼじゃぱん」

  • 日本聖書協会が恒例のクリスマス礼拝、聖書普及事業150年を感謝しコンサートも

  • 「神の霊によって、主はこの国を造り替えられる」 日本リバイバル同盟が「祈りの祭典」

  • 15人の演者でマルコ福音書を再現、観客をイエスの物語に引き込む「マルコドラマ」

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.