Skip to main content
2021年3月6日23時48分更新
Go to homepage
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 書籍
神学書を読む

神学書を読む(34)佐藤優著『新・学問のすすめ―脳を鍛える神学1000本ノック』

2018年8月28日16時21分 執筆者 : 青木保憲
  • ツイート
印刷
関連タグ:佐藤優同志社大学アリスター・E・マクグラス
神学書を読む(34)佐藤優著『新・学問のすすめ―脳を鍛える神学1000本ノック』+
佐藤優著『新・学問のすすめ―脳を鍛える神学1000本ノック』(文春文庫 / 文藝春秋、2018年7月)

思索を深める至福なひと時を得たいあなたに最適の1冊!

前作『悪魔の勉強術』(文春文庫 / 文藝春秋、2017年3月)に続く、同志社大学神学部での特別講義を文字に起こしたものである。ハンフリート・ミューラーの『福音主義神学概説』や、アリスター・マクグラスの『キリスト教神学入門』などをテキストとしながら、学生たちに該当箇所を読ませ、それに佐藤氏が解説を加えるというやり方となっている。

全6講(章)のうち「神学とは何か」について力点を置いて解説している1章と2章が個人的には面白かった。後半の終末論(5〜6章)は知らないことが多くあり、副題にもあるように、私も佐藤氏から「1000本ノック」を受けているような感覚になった。

佐藤氏の一連の「神学本」に共通しているポイントは、「神学は他の実学とは異なるやり方で『この世で役立つ』」ということ。本書(講義内)でも次のように述べている。

「神学は総合学です。この世の神羅万象に関する神学があるのです。神学は人間をトータルに取り扱うから、人間の営みには全部神学的なアプローチができると、われわれ神学者は考えるわけです」(152ページ)

「われわれキリスト教プロテスタント的な考え方では、この世における神羅万象は、すべて聖書に書かれていることと何らかの類比的な関係を持っていると考える。神学的に追求していくとそれが確かにわかるので、一見関係ないものの間に実はどういう関係があるかということが見えるようになる。その力をつけるのが神学を学ぶということであって、神学の力なのです」(187ページ)

「神学とは何か」という問いに対し、本書ではかなり突っ込んだ議論も展開されている。それは本書96ページからの「信仰がなくても神学はできるか」という命題である。マクグラスの著作をひもときながら、「宗教学部と神学校」という具体的なところまで掘り下げていく。歴史的な蓄積がない日本でこういった議論に真正面から向き合う機会はあまりない。私も読み進めながら(ノックを受けながら)、長年分からなかったところがすっきりと整理された。

本書には2つの効用があると思われる。1つは「佐藤優」という人物の思考、特に(米国的なキリスト教に対峙する)欧州的なキリスト教の伝統から導き出される論理展開を、こちらが受け止めるということである。

博覧強記な知識量と理論展開はいうまでもないが、米国式(福音派・ペンテコステ諸派的)キリスト教文化の中で育った私にとって、佐藤氏の語る「キリスト教」の欧州的側面は、自分たちのルーツを垣間見せられたかのような感動がある。

もう1つは、佐藤氏が紹介してくれる著作とその背景である。例えば、ミューラーの『福音主義神学概説』は知っていても、著者がどんな人物であり、どのような文脈の中で同書が書かれたのかなど、知らない人も多いだろう。そういったことがコンパクトにまとめられている。マクグラスの著作に対して、「自習できるようになっているし、読み物として読める。(中略)ただ、危ないですよ。これはイギリスの国教会(聖公会)の立場にどんどん引き寄せようとしているから、中立的な教科書ではありません」(105ページ)というコメントを付している。内容の是非ではなく、このようなコメントを予め述べておくという姿勢に筆者の矜持を見る思いがする。

少し難点があるとすれば、学生たちからのレスポンスが「いかにも」という通り一遍のもので、面白みに欠けることだ。講義の臨場感をあまり受け取れないということである。むしろ本書は、佐藤氏のコメントと彼が選択した参考文献の読み合わせによって、読者である私たちに向けてまさに「1000本ノック」を打ってくるようなものである。

1000本すべてをフォローすることは不可能である。読み手である私たちは、その中の数十本でも受け止められたらいいくらいだろう。それほど本書が扱う内容は多岐にわたる。

とはいえ、私も神学を追究している者の一人である。あれこれと考えながら読み進めていったため、わずか300ページ足らずの文庫本ではあるが、読み終えるのに1カ月もかかってしまった。内容が難しかったわけではない。提示された事柄に刺激を受け、思索を深めていくことが楽しかったのである。そういった意味で、至福の1カ月を過ごすことができた。

本書は好き嫌いが分かれるであろう。佐藤氏の話し方、対象となる神学者やテーマに対する解説、そもそも本のタイトルの付け方(前回が『悪魔の勉強術』、今回の副題が「脳を鍛える神学1000本ノック」)でスルーしてしまう方もおられるだろう。

だが一度手に取るなら、また、提示される問題意識に真正面から向き合う覚悟を決めるなら、この上ない刺激を与えてくれる書であることは間違いない。ぜひ、ゆっくりと時間を取って読み進めてもらいたい1冊である。

■ 佐藤優著『新・学問のすすめ―脳を鍛える神学1000本ノック』(文春文庫 / 文藝春秋、2018年7月)

<<前回へ

◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院を卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科卒(修士)、同志社大学大学院神学研究科卒(神学博士、2011年)。グレース宣教会研修牧師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(2012年、明石書店)。

関連タグ:佐藤優同志社大学アリスター・E・マクグラス
  • ツイート
▼関連記事を見る  ▼クリスチャントゥデイからのお願い

関連記事

  • 神学書を読む(12)佐藤優著『悪魔の勉強術 年収一千万稼ぐ大人になるために』

  • 佐藤優著『現代に生きる信仰告白―改革派教会の伝統と神学』

  • 上智大と同志社大東京サテライトキャンパスで秋の公開講座 佐藤優氏の「キリスト教とナショナリズム」など

  • 三位一体の神様(9)佐藤優氏の執筆動機および教義擁護策への警鐘 山崎純二

  • 佐藤優氏がJ・L・フロマートカを解説 新教出版70周年講演会

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

新型コロナウイルス特集ページ

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「神に触れられた」 トム・ハンクスの息子、無神論から大転換した経験語る

  • ビジネスと聖書(11)魂のエクササイズ 中林義朗

  • アレサ・フランクリンの「アメイジング・グレイス」を収録した幻のライブ、撮影から49年経て映画に

  • 教皇、5日から4日間イラクを訪問 歴代教皇初 途中ヘリでの移動も

  • 全米最大の福音派養子縁組・里親支援団体、LGBTカップル容認を表明 福音派指導者からは失望の声

  • 日本のカトリック教会が「性虐待被害者のための祈りと償いの日」

  • WEAのシルマッハー新総主事就任、演説で福音主義の核心語る

  • 信仰と不信仰の距離 安食弘幸

  • いのちより大切なもの 菅野直基

  • 世界宣教祈祷課題(2月28日):ミャンマー

  • 「神に触れられた」 トム・ハンクスの息子、無神論から大転換した経験語る

  • 2021年の「レント(四旬節)」始まる、きょう「灰の水曜日」 その意味と由来

  • 宮城労働局が涌谷保育園元園長牧師のパワハラ認定、日本基督教団議長「解決に向けて全力尽くす」

  • 同性愛めぐり分裂見通しの米合同メソジスト教会、保守派が新教団名発表

  • 米南部バプテスト連盟、4教会を除名 性犯罪歴ある牧師雇用や同性愛支持で

  • 信仰と不信仰の距離 安食弘幸

  • 聖書はコロナ禍のクリスチャンに希望を与えている 英国聖書協会が調査

  • 「聖書は神の言葉ではない」 進歩主義の米教会がSNSの投稿で炎上

  • ラビ・ザカリアス氏性的不品行問題、独立調査の最終結果発表 団体が謝罪

  • 全米最大の福音派養子縁組・里親支援団体、LGBTカップル容認を表明 福音派指導者からは失望の声

  • 「神に触れられた」 トム・ハンクスの息子、無神論から大転換した経験語る

  • 2021年の「レント(四旬節)」始まる、きょう「灰の水曜日」 その意味と由来

  • 宮城労働局が涌谷保育園元園長牧師のパワハラ認定、日本基督教団議長「解決に向けて全力尽くす」

  • 同性愛めぐり分裂見通しの米合同メソジスト教会、保守派が新教団名発表

  • 米南部バプテスト連盟、4教会を除名 性犯罪歴ある牧師雇用や同性愛支持で

  • 信仰と不信仰の距離 安食弘幸

  • 聖書はコロナ禍のクリスチャンに希望を与えている 英国聖書協会が調査

  • 「聖書は神の言葉ではない」 進歩主義の米教会がSNSの投稿で炎上

  • ラビ・ザカリアス氏性的不品行問題、独立調査の最終結果発表 団体が謝罪

  • 全米最大の福音派養子縁組・里親支援団体、LGBTカップル容認を表明 福音派指導者からは失望の声

編集部のお勧め

  • 「クリスチャンだからこそ、もっと知って祈って関わってほしい」 人身取引に取り組む「ゾエ・ジャパン」

  • パンデミック時代の宗教の可能性探る IPCR国際セミナーで日中韓のキリスト者も発題

  • コロナ禍で増える自殺、奥田知志牧師「宗教にできること、いっぱいあるのでは?」

  • 日本から遠く離れた地の日本人伝道最前線 駐在員家族120人に福音伝える英語教室

  • 「開拓伝道は失われた人々への憐れみの心」 第23回断食祈祷聖会1日目

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 論説委員・編集部
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 問い合わせ・アクセス
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • Twitter
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2021 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.