百人一読―偉人と聖書の出会いから―(93)原敬 篠原元

2018年5月8日07時42分 コラムニスト : 篠原元 印刷
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原敬(1856~1921)
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日本の第19代首相、原敬。1856(安政3)年3月に現岩手県で生まれ、1918年から21年に内閣総理大臣を務めました。外務次官、逓信大臣、内務大臣などを歴任し、卓越した政治力を持っていた人物でした。

原敬は16歳の時にカトリックの神学校に入学。翌年の1873(明治6)年に洗礼を受けています。そして原は、宣教師が新潟県へ宣教活動に行く際には、率先して世話係となったようです。

周囲の友人からは「西洋の奴隷に成り下がるのか」とののしられた原ですが、それらを気にせず、宣教師についていき、宣教師の世話をしたそうです。(『100人の聖書』146ページ)

原敬は、異国から来た宣教師に仕えました。宣教師の世話をする役目を自ら引き受けました。実はこのような姿こそ、キリストの神様の喜ばれる姿勢なのです。キリストの神様というお方は、何か難しいことを言われ、要求されているわけではありません。キリストの神様が喜ばれる姿、生き方は、非常に簡単です。それは、人に仕える生き方です。そして、人に与える生活、生き方です。人に仕えるならば、いつか高められるわけです。それが、キリストの神様が定めた原理原則でもあります。

聖書の中でイエス・キリストは、このように語っています。「・・・あなたたちはそうではない。むしろ、あなたたちの間で大いなる者は、若輩の者のようになるがよい。また指導する者は仕える者のようになるがよい。なぜならば、食事の席で横になっている者と仕える者とでは、どちらが大いなる者とされているか。席で横になっている者ではないか。にもかかわらずこの私は、仕える者としてあなたたちの間にいる」。これは、新約聖書のルカ22章にあるキリストの言葉です。

ちなみに、「横になって」と何度か出てきますが、当時のイスラエル(「イエス・キリストは米国人」とか言われますが、人としてはイスラエル出身です。聖書の舞台は、イスラエルです)では食事の際、椅子に座って食べるという習慣はなく、床に横になって食事していたからです。

まさに神であるイエス・キリストは、約2千年前にはまったき人としてこの地上で33年半を過ごしましたが、多くの人々に仕え、与える日々を送りました。病気の人には健康を与え、人生のやり直しが必要な人にはそのチャンスを与え、空腹な人々には食べ物を与え、最後には、私たちを愛してご自身の命まで捨てました。

キリストも仕えました。また、原敬も宣教師に仕えました。私たちも、仕えることが大事なのですね。聖書の教えは、人に仕えているならば、いつか上に立つことができる、というものです。また、人に与えるならば、自分も与えられる、というものです。あの豊臣秀吉も下っ端として織田信長公に仕えていました。そして、最後には天下人です。

聖書にこう書かれています。「弱い人々を助け、主イエスご自身が言われた『受けるよりは与えるほうが幸いである』という言葉を、心に留めておくように・・・」。聖書の教えは、与えることです。そして、弱い人々を助けることです。キリストの神様は、人に仕える姿や与える生き方を喜ばれるでしょう。

いかに偉くなってやろうとか、いかに多くの人間を使ってやろうとか、いかに多くを得てやろう、いかにお金を手にしてやろう、ではないようです。逆に、人に仕えること、人に与えること、これがキリストの神様の喜ばれる生き方なんですね。そして、そのような生き方をすれば、逆に、上に立つようになるわけですし、多くのものを得ることができるようになるわけです。

さて、昨今は「お持ち帰り」が多い時代です。何の「お持ち帰り」なのかが大事ですね。食事に行って余った、焼きそばやチャーハン、シュウマイとかを持ち帰るならいいわけです(ベストは食べ残しゼロです。日本における食品ロス(食べ残しなど、本来食べられるのに捨てられる食品のこと)は、年間632万トンになっています。国民1人当たりに換算すると、日本国民のみんなが毎日おにぎり1~2個を捨てている計算になるそうです。宴会や飲み会時の食べ残し、気を付けていきたいですね)。

つまりは、合コンや飲み会、宴会後の「そっちの(女の子の)お持ち帰り」が多い時代です。「俺、したことある!」と言う方や「私こそ、常習犯です」と胸を張る?方、それから「されちゃった。私のことだ」と心当たりのある方もいるかもしれません。

でも、冷静に考えていただきたいのですが、「お持ち帰り」って唐揚げや枝豆や天ぷらの余り物を持ち帰ることとは訳が違うわけです。目の前の女性は、1人の人格を持った大切な存在です。そんな存在を、テーブルの上に残ったイカリングや揚げ出し豆腐や唐揚げとかと同じように扱っていいのでしょうか。

女性の方もそうです。ご自身の価値は、食べ残されてしまったマグロの刺身や豚の角煮や卵焼きと同じくらいのものでしょうか。女性の方。「お持ち帰り」させるのは、実際に余った食べ物で十分です。余ったポテサラとか焼き鳥とかお新香とかをタッパに詰めてあげるくらいのサービスまでで本当に十分です(おそらくそれらもお店の人がやってくれるでしょうが)。もうちょっとサービスしたいなら、次回の約束をしてあげるぐらいでしょうかね。それ以上、突き進んで自分を持ち帰らすなんてもったいなさすぎる話です。

皆さんは、キリストの神様に本当に愛されている存在なのです。皆さんは、イエス・キリストが約2千年前に十字架上で自ら命を捨てるほどに愛されている存在なのです。

「お持ち帰り」=STOP!「お持ち帰りしない!お持ち帰りさせない!」。このことを決めましょう。生き方を、決めませんか。女性の皆さん、あなたの存在はキリストの神様に愛されている、かけがえのないものなのです。自分を安く評価しないでくださいね。

男性の皆さん、目の前の女性を、性欲の対象としてではなく、神様に愛されているスゴイ存在だと認識して、その上で見てみてください。接し方が変わるはずです。「お持ち帰りは絶対にしない真面目な男」&「お持ち帰りは絶対にさせない、自分の本当の価値を認識している女」でありましょう!

でも、お持ち帰りさせてあげるべきものが何点かありますので、ご紹介します。以下は「お持ち帰り」させるべきものです。

イエス・キリストも原敬も人に仕えました。原敬は宣教師に仕え、時間や力をささげました。イエス・キリストは多くの病人に、罪人に、そしてすべての人にかけがえのないものを与え続けます。

皆さんも、与える人生、仕える人生を始めませんか。チョッとしたことでいいので、与えてみませんか。ほんのちょっと仕えてみませんか。難しいことではなくて、人にチョッとよくしてあげませんか。たまには、感謝の気持ちや慰めの言葉を、恥ずかしがらずに語ってあげませんか。

私たちの人生は、そんな簡単なことにチャレンジするだけでも新しい領域に入っていき、絶対に豊かになり、明るくなり、幸せになります。得よう、得ようと手をのばすより、与えている&仕えているほうが、いっぱい入ってくるものです。

今日は、同僚や部下に、そしてクラスメートや親友や先輩、後輩たちに何か「お持ち帰り」させてあげましょう。チョコの1つでも、缶コーヒーの1本でも、何でもいいわけです(どう見てもゴミとかガラクタでないかぎり。そんなものを渡したら、かえって関係がこじれますので要注意!)。

帰り道に自販でジュース1本でもおごってあげたら、後輩や部下たちが大喜びするでしょうね。帰り道、どっかに寄って、安いものでも「ホイッ!」とおごってあげたら、目の前の顔は輝くはずです!

人から急にもらうものは、何でもうれしいものです。予想していないプレゼントやおごりは、非常に喜ばしいもの。そして、感動と驚きを与えます。もしかすると、それ以上の大きな何かを相手に与えるかもしれません。

映画「honey」(2018年3月公開。平野紫耀さん、平祐奈さん主演)では小暮奈緒(平さんが演じます)が、土砂降りの雨の中、絶望しきって道路に座り込んでいる、どっからどう見ても不良の鬼瀬大雅(平野さんが演じます)に1本の傘をかけてあげ、ばんそうこうを渡します。

その傘とばんそうこうが鬼瀬の心を溶かします。その小暮の優しさに、鬼瀬の目から涙が流れ出します。そして、鬼瀬はやり直すのです。

皆さんのプレゼントやおごりは、目の前の人の心を温かくし、絶望を溶かし、励ましを届けるものになるかもしれません。もしかしたら、あの彼女は、同じ部屋にいる彼は、大きな失望や挫折の中にいるかもしれません。

1つのプレゼント、それがガムであれ、ハンカチであれ、チョコであれ、缶ジュースであれ、人の心を温かくします。1回の小さなおごりが、目の前の人に大きな感動や喜びを届けることになるかもしれません。

何かをもらって、嫌な気分になって帰っていく同僚や部下、クラスメートや後輩はいないはずです。今日は隣の彼女に、あそこにいる彼に何かプレゼントして、そのプレゼントしたものと感動や喜びを「お持ち帰り」させてあげましょう。いえ、もしかしたらそれ以上の大きな何かを相手は受け取ってくれるかもしれません。

女性の皆さんも、男性の皆さんも、今日は自分をお持ち帰りさせるのではなく、また異性をお持ち帰りするのでもなく、「お持ち帰り」してもらってよいものを「お持ち帰り」させてあげましょう。

帰り道がそのチャンスですね。もしくは、一緒に帰らない相手に何かあげたいなら、今すぐコンビニに行って用意です!相手が幸せになることは、自分も幸せになる近道です。そして、お金を使わなくてもできますから大丈夫です。財布の中にあまり入っていないという方や「今月、ピンチ!」という方も大丈夫です。

正直に感謝の気持ちを伝えてあげる、また、優しい言葉をかけてあげることによって、ホッコリとした気持ちやうれしい気持ちを「お持ち帰り」させてあげることができます。

「いつも、ありがとうね!」とか「〇〇がいてくれて、助かっているよ!」とか「〇〇と出会えて、幸せっ!」。急に言われた相手は、恥ずかしがるかもしれません。でも、それでもって気を悪くして、プンプンしながら家路に就くということはあり得ません!

そして、最後の最後ですが、来週日曜日は母の日です。たまにはお母さんに感謝して、お母さんとデート(お出掛け)でもしませんか。お母さんに幸せな時、幸せ体験をプレゼントしましょう。お母さんに、そんな幸せを「お持ち帰り」してもらいましょう。

「親孝行したいときに親はなし」といいます。私も、3月末に祖父が地上を去りました。こんなにも早く祖父が地上を去るとは思ってもいなかったです。猪を素手で退治するような山男でした。めちゃくちゃ怖い祖父で、一緒に食事するのを避けたいような人でした。手を上げられたこともあり、怒鳴られたことは数知れません。

でも今思い出すと、本当にたくさんの思い出がよみがえってきます。優しい祖父でした。今では感謝の気持ちが湧き出ます。生きていると感じないかもしれませんが、本当にお母さんの存在、お母さんの優しさ、お母さんの愛情って大きいはずです。お母さんが生きている、会おうと思えば会うことのできる、今がチャンスです。そのチャンスを逃すと、この地上で幸せを「お持ち帰り」してもらうチャンスはなくなります。

来週の母の日、「あぁ生きていてよかった」と思ってもらえるような幸せをお母さんに届けたいですね。そんなに高いものでなくてもプレゼントしてあげる。もしくは、何も買えなくても、顔を見せてあげること。もしくは、声を聞かせてあげること。「お母さん、ありがとう!」の一言だけでも、大きな幸せがたっぷりとお母さんに届きます。

そしてひとまず、今日はクラスメートや同級生、先輩や後輩たちに「お持ち帰り」させてあげましょう。一緒に働く同僚や部下に「お持ち帰り」させましょう!自分ではなくて、「あの子を・・・」と狙うのでもなくて!

相手も幸せ、そして、相手を幸せにしてあげられた自分も幸せ、そんな日にしたいですね。幸せが皆さんから、皆さんのお友達、家族、同僚、部下、後輩たちにワーッと広まっていくことを願います。

次回の百人一読は、あの有名なガンディー。聖書から多大な影響を受けていたガンディーですが、私たちも聖書から多大な影響を受けるならば、もっともっとスキルアップできます!聖書が、どのようなことを実際に教えているのかをご一緒に学びたいと思います。

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【書籍紹介】
篠原元著『100人の聖書

『100人の聖書』

本書を推薦します!
「他の追随を許さない数と挿話」
――奥山実牧師(宣教師訓練センター[MTC]所長)
「牧師の説教などに引用できて便利」
――中野雄一郎牧師(マウント・オリーブ・ミニストリーズ)
「聖書に生きた偉人たちの画廊」
――峯野龍弘牧師(ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会)

ご注文は、全国の書店・キリスト教書店、Amazon、または、イーグレープのホームページにて。

篠原元

篠原元(しのはら・げん)

1991年7月、東京都千代田区生まれ。プロテスタント・炎リバイバル教会伝道師。JTJ宣教神学校卒業、アンテオケ国際宣教神学校卒業、同神学院中退。現在、VIPクラブ、キリスト教各団体、ホテルなどにて講演、またテレビ番組「ライフ・ライン」などに出演するなど多方面で活動中。2017年1月に有志のメンバーにより設立された社会福祉活動団体「100人の聖書基金」の、学校・児童養護施設・病院などへの書籍寄贈活動に著者として携わっている。著書に『100人の聖書』(発行:イーグレープ)がある。

各種依頼などに関する問い合わせは、以下の教会ホームページまたは「100人の聖書基金」ホームページを参照。

炎リバイバル教会ホームページ
「100人の聖書基金」ホームページ

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