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衝撃のスター・ウォーズ「最後のジェダイ」が示す「世代交代」の難しさと新しさ 青木保憲

2018年1月20日12時10分 コラムニスト : 青木保憲
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関連タグ:青木保憲
衝撃のスター・ウォーズ「最後のジェダイ」が示す「世代交代」の難しさと新しさ 青木保憲+
「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」公式サイトのスクリーンショット

すでに全世界で10億ドルを突破する興行収入を上げているし、日本でもダントツでヒットしているため、本作「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」についてあれこれとうんちくを述べることは控えたい。ネタバレも必要最低限にとどめ、キリスト者としてこの映画から何を感じたかについて、幾つかのポイントで述べてみたい。

まず、この手の映画を「クリスチャントゥデイ」で取り上げることの意味について。

おそらく多くの読者がキリスト者であることが想定できるため、「どうしてスター・ウォーズ?」と首をかしげる方が少なからずおられることは理解している。しかし私は、キリスト教がこの世との接点を失って内向的になってしまうことをとても危惧する者の1人である。

私たちの内にキリストが生きていて、福音の恵みが充満されているとしたら、それをどうしても世の中に開示していく作業が必要になろう。その時点で社会と接点を持たざるを得なくなる。その時、日本はキリスト教国ではないため、やはり丁寧な接点の持ち方をして、ある種へりくだった関わり方を模索しなければならない。

中世カトリック、およびその後のヨーロッパ的なキリスト教の打ち出し方は「上意下達」スタイルであった。それは西洋社会においてはいいだろう。だが「宣教地日本」でこれは通用しない。なぜなら文化水準で比べるなら、日本は西洋の諸大国と肩を並べており、独自の文化に誇りと歴史を持っているからである。その日本人の心を開かせるとしたら、それは彼ら(私たち?)となじみがあったり、自ら受け入れたいと願う題材があったりすることが大切である。

そういった意味で、日本人にとって「誇りと歴史」を持ちつつ「受け入れたい」と願う題材の宝庫といえば、やはりサブカルチャーであろう。だから筆者は牧師であるにもかかわらず、いえいえ、牧師だからこそ、サブカルの代名詞である「映画」を取り上げているのである。

前置きが長くなった。本論に戻そう。そう、スター・ウォーズ最新作「最後のジェダイ」である。2015年からディズニーが再開した新スター・ウォーズサーガの最新作にして、最大の問題作。日本でのキャッチフレーズも「衝撃のスター・ウォーズ」となっている。

多くの方がご覧になったであろうから、ストーリーなどは省かせてもらうが、キャッチフレーズにある「衝撃」の中身は、平たく言えば「世代交代」である。特に、名を上げ、功績を積み上げてきた世代が、時代の変化とともにいつ、どのような形で幕引きをするか、が最大の見せ場となっている。

その予兆は前作「フォースの覚醒」でもあった。ハリソン・フォード扮するハン・ソロが、ああいった形で舞台から去り、次いでレイア姫役のキャリー・フィッシャーが60歳の若さで世を去ってしまった。残されたのは旧三部作の主人公、ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)のみとなった。そして副題が「最後のジェダイ」ときたら、おおよその方向性は分かる。旧世代のヒーローたちの花道である。

だが、本作はそのような「花道」をきれいに形作ってはいない。敵側の銀河帝国皇帝後継者(と思われていたスノーク最高指導者)も含めて、まるでジョージ・ルーカスが生み出した世界観そのものを葬り去ることを目的としているかのように、大胆に振り子が揺れるのである。しかも、あっさりとこれが行われていく。

考えてみると、世代間ギャップとそれに伴う葛藤が生まれる最大の要因は、先代が引退を表明しながら、結果的になかなか指導的役割を次世代に渡さない、というところにある。先代が輝かしい功績を残した人物であればあるほど、この傾向は強い。日本の歴史を見ても分かるが、天皇を背後から操ろうとする院政システムも、このような構図から生み出されている。

古今東西を問わず、そして現代のキリスト教会も同じく、総論としての「世代交代」には肯定的だが、各論(自教会)のそれにはいろいろと付帯項目をつけたがる傾向があるのではないだろうか。先代牧師と後継者との間で、信仰を自ら決断して抱いた第一世代とクリスチャン・ジュニア世代との間で、同じく牧師になっている親子間で・・・。

映画評論家、町山智浩氏はスター・ウォーズシリーズを「まるで聖書のようなもの」と語った。旧三部作が「新約聖書」、新三部作が「旧約聖書」ということになろうか。そして、スター・ウォーズファンをキリスト教徒になぞらえて「スター・ウォーズ原理主義者が新シリーズを常に批判している」と語る。

そもそも生みの親ジョージ・ルーカスが6作品で完結させているものを、ディズニーが買収した時点でダメ。さらにルーカスが提示した7作目以降の新展開を、ディズニーが却下し、独自に続編を製作することに猛反対。

「聖書は66巻でとじられている」と同じく、「ルーカス産のスター・ウォーズは6作品で完結」と叫ぶファンは、まだ旧作品へのリスペクトが感じられた「フォースの覚醒(7作品目)」は看過できても、本作(最後のジェダイ)は「自分たちの知っているスター・ウォーズではない!」とネットでも大きな論争を展開している。

だが、キリスト教の歴史を見てみても、聖書が66巻で完結しているとはいえ、その後人間はさまざまな教派教団を形成し、普遍的(カトリシズム)な教会に反発(プロテスト)して思い思いの強調点を生み出していることは明らかである。そもそも「三位一体」とか「原罪」という教理すら、聖書の中にはひと言も書かれていない。つまり、66巻(現実には外典・偽典がある)に影響感化された後の時代を生きる人々が、新たな聖書理解、基準を生み出し続けてきたのである。この世に何1つ「変わらないもの」は存在しないし、多くの人にとって魅力あふれるものは、常に深化・進化の過程を通らざるを得ない。

スター・ウォーズごときをキリスト教と並列的に捉えていいのかどうか、そういった議論は現時点では横に置くとして、町山氏が言及したように一連のスター・ウォーズシリーズへの人々の反応は、まさに聖書やキリスト教に対するキリスト者(特に保守系)のそれに似ているのである。

そういった意味で、本作が提示した「世代交代」の在り方には、ある種「気風の良さ」を感じる。思わず「え?これで終わり?」と叫ばせることで、「ああ、新しい時代はすでに始まっていたんだ」とあらためて認識させられることになる。

教会もこうありたいものだ。いつまでもかつての栄光や積み上げてきたものに連綿とするのでなく、そういった願望や思惑を抱く人々の前で、あっさりと「はい、終わり」と宣言し、舞台から去る気風の良さを求めたいものだ。

スター・ウォーズはもはやルーカスだけのものではなくなった。それをオールド・ファン(私も含まれる)は認識すべきだ。ディズニー配給になったということは、新たな時代に適応するスター・ウォーズサーガがこれからも生み出されていくことになるのだ。私はこれを歓迎したい。

私は牧師として、あらゆる教派教団をリスペクトしたいと願う。確かに私の抱く信仰スタイルとは異なる点もあるかもしれない。しかし、同じ聖書66巻から派生して、真剣にバージョン・アップを目指した結果生み出されたものであるなら、私は「キリスト教の牧師」としてそれらを好意的に受け止めたいと願う。

そして、いつか私にも訪れるであろう「世代交代」の時、本作品のような「気風の良さ」をもって表舞台から去りたいものである。今年50歳になる(!)牧師の宣言である。

今年はハン・ソロの若かりし日を描いたスピンオフ、さらに来年は新三部作の完結編が公開される。まだまだ私の「フォース」は私の中で生き生きと躍動している。

◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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