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神学書を読む

神学書を読む(16)ジョン・C・マクスウェル著『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』

2017年6月27日07時21分 執筆者 : 青木保憲
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ジョン・C・マクスウェル著『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』(2013年、ダイヤモンド社)

神学書を読む(16)ジョン・C・マクスウェル著『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』
ジョン・C・マクスウェル著『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』(2013年、ダイヤモンド社)

世界累計1800万部を越える超ベストセラー作家にして、リーダーシップの大家、ジョン・マクスウェル。彼がかつて牧師であり、その牧会理念に基づいて「リーダーシップ」を語り出したことをどれくらいの方がご存じだろうか?

マクスウェル氏の語り口は(翻訳のせいもあろうが)、とにかく短文でビシッと決定づける「格言的」な言い回しに特徴がある。例えば――

「人々は人物を信じてから、その人物のビジョンを信じるのだ」

「勇気とは、恐怖心を抱いていないという事ではなく、恐れていることをするということであり、慣れ親しんだ世界を離れて、新しい領域へと突き進む力を持つことである」

私は、時々無性に彼の著作を手にしたくなる時期がある。そしてむさぼり読み、その中から気に入った言葉を抜き出すのだ。しかし、それだけにとどまらない。マクスウェル氏が牧師であったということは、当然彼の理念を形成しているのは聖書であろう。だから気に入った箇所に当たる聖書の言葉を探すことをしている。そして、同じ意味の聖書の言葉(御言葉)を見いだしたとき、言いようのない喜びを感じるのである。

例えば、こんな感じだ。

「自分が進歩していないという理由で否定的な考え方に陥っている人がいる。もしあなたもそうなら、達成できそうな毎日の目標を設定することから始めよう。目標を確実に達成していくことによって、前向きな考え方を身につけられる」

これに当たる聖書の箇所は、これだろう。

「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である」(マタイによる福音書6章33、34節)

すると彼が言っている内容が、単に頭を冷静にして目標設定せよ、というだけに留まらないことが分かる。私たちが前向きな姿勢を常に自分の力だけで保つのは難しい。そのことをマクスウェル氏はいろんな例を挙げて伝え、最後に短くポイントを出す。しかし、このところを本当に理解するためには、やはり彼の出典元となる聖書の言葉を合わせ読まなければならない。そこには「神がおられるから」という前提が挙げられている。

もちろん本書は「ダイヤモンド社」から発行されているように、れっきとしたビジネス書である。クリスチャン向けに書かれた宗教書ではない。そのため、どうしても神とかキリストというところには言及されないが、これらを補助線として加えることで理解が深まり、かつ教会で聖書研究会などでも用いることができる良書となる。

中でも秀逸だったのは、本書9章「与える心」である。冒頭からこんな言葉で始まっている。

「名誉とは、その人が『与えたもの』に対する報酬である」

本章で挙げられている例話は、エリザベス・エリオットという宣教師の人生である。未開の土地に宣教する彼らの苦労を簡潔にまとめているが、悲劇的な結末であるからこそ、次の言葉は私たちの胸を打つ。

「火を分け与えてもロウソクは減らない」

彼らは「与える心」を習慣化し、イエスが語ったであろう「受けるより与える方が幸いである」という言葉を体現して見せたのである。そして、マクスウェル氏はこう続ける。

「人びとに訴えかける力という点では、与える心に勝るものはない」

この言葉を作為的な技巧と捉えてしまうと、その本質を失ってしまう。これは多くの自己啓発書が陥る過ちである。例えば、読者へ「~できる簡単な方法」を伝えようとし、読者も自分の本質を変えない程度に自らを装飾するような言い回し、すぐに結果が出る「魔法の方法」を求めることである。この手の啓発本は数多存在する。

しかし、マクスウェル氏が語る内容はそうではない。これはスティーヴン・コヴィ氏の『七つの習慣』にも通じるものだが、小手先の所作を変えるのでなく、その本質である人格を形成することが提唱されているのである。言い換えるなら、最も即効性から遠く、最も確実な方法を提示しているということだろう。だから本書でも、マクスウェル氏は冒頭部でこう語っている。

「この本としばらくじっくりと付き合っていただきたい。書かれていることの意味を考え、自らを吟味し、生き方を一新するために、この本を使ってほしい。このプロセスを何度も繰り返し、それぞれの法則を自分の人格の中に取り込んで定着させていけば、なお素晴らしい」

実はこの言葉も、聖書に向き合う私たちの姿勢と通じるものである。そういった意味で、聖書の言葉にどこか新鮮さを感じられなくなりつつある方がおられるなら、ぜひマクスウェル氏の書を手に取ってもらいたい。そして、再び聖書に立ち戻るのだ。そうすると、今まで見えてこなかった新しい光の下、読み慣れている聖書が新たな書物として立ち現れてくるだろう。

ジョン・C・マクスウェル著『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』(2013年、ダイヤモンド社)

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◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

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