Skip to main content
2025年9月18日12時23分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 書籍
神学書を読む

神学書を読む(16)ジョン・C・マクスウェル著『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』

2017年6月27日07時21分 執筆者 : 青木保憲
  • ツイート
印刷
関連タグ:青木保憲

ジョン・C・マクスウェル著『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』(2013年、ダイヤモンド社)

神学書を読む(16)ジョン・C・マクスウェル著『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』
ジョン・C・マクスウェル著『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』(2013年、ダイヤモンド社)

世界累計1800万部を越える超ベストセラー作家にして、リーダーシップの大家、ジョン・マクスウェル。彼がかつて牧師であり、その牧会理念に基づいて「リーダーシップ」を語り出したことをどれくらいの方がご存じだろうか?

マクスウェル氏の語り口は(翻訳のせいもあろうが)、とにかく短文でビシッと決定づける「格言的」な言い回しに特徴がある。例えば――

「人々は人物を信じてから、その人物のビジョンを信じるのだ」

「勇気とは、恐怖心を抱いていないという事ではなく、恐れていることをするということであり、慣れ親しんだ世界を離れて、新しい領域へと突き進む力を持つことである」

私は、時々無性に彼の著作を手にしたくなる時期がある。そしてむさぼり読み、その中から気に入った言葉を抜き出すのだ。しかし、それだけにとどまらない。マクスウェル氏が牧師であったということは、当然彼の理念を形成しているのは聖書であろう。だから気に入った箇所に当たる聖書の言葉を探すことをしている。そして、同じ意味の聖書の言葉(御言葉)を見いだしたとき、言いようのない喜びを感じるのである。

例えば、こんな感じだ。

「自分が進歩していないという理由で否定的な考え方に陥っている人がいる。もしあなたもそうなら、達成できそうな毎日の目標を設定することから始めよう。目標を確実に達成していくことによって、前向きな考え方を身につけられる」

これに当たる聖書の箇所は、これだろう。

「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である」(マタイによる福音書6章33、34節)

すると彼が言っている内容が、単に頭を冷静にして目標設定せよ、というだけに留まらないことが分かる。私たちが前向きな姿勢を常に自分の力だけで保つのは難しい。そのことをマクスウェル氏はいろんな例を挙げて伝え、最後に短くポイントを出す。しかし、このところを本当に理解するためには、やはり彼の出典元となる聖書の言葉を合わせ読まなければならない。そこには「神がおられるから」という前提が挙げられている。

もちろん本書は「ダイヤモンド社」から発行されているように、れっきとしたビジネス書である。クリスチャン向けに書かれた宗教書ではない。そのため、どうしても神とかキリストというところには言及されないが、これらを補助線として加えることで理解が深まり、かつ教会で聖書研究会などでも用いることができる良書となる。

中でも秀逸だったのは、本書9章「与える心」である。冒頭からこんな言葉で始まっている。

「名誉とは、その人が『与えたもの』に対する報酬である」

本章で挙げられている例話は、エリザベス・エリオットという宣教師の人生である。未開の土地に宣教する彼らの苦労を簡潔にまとめているが、悲劇的な結末であるからこそ、次の言葉は私たちの胸を打つ。

「火を分け与えてもロウソクは減らない」

彼らは「与える心」を習慣化し、イエスが語ったであろう「受けるより与える方が幸いである」という言葉を体現して見せたのである。そして、マクスウェル氏はこう続ける。

「人びとに訴えかける力という点では、与える心に勝るものはない」

この言葉を作為的な技巧と捉えてしまうと、その本質を失ってしまう。これは多くの自己啓発書が陥る過ちである。例えば、読者へ「~できる簡単な方法」を伝えようとし、読者も自分の本質を変えない程度に自らを装飾するような言い回し、すぐに結果が出る「魔法の方法」を求めることである。この手の啓発本は数多存在する。

しかし、マクスウェル氏が語る内容はそうではない。これはスティーヴン・コヴィ氏の『七つの習慣』にも通じるものだが、小手先の所作を変えるのでなく、その本質である人格を形成することが提唱されているのである。言い換えるなら、最も即効性から遠く、最も確実な方法を提示しているということだろう。だから本書でも、マクスウェル氏は冒頭部でこう語っている。

「この本としばらくじっくりと付き合っていただきたい。書かれていることの意味を考え、自らを吟味し、生き方を一新するために、この本を使ってほしい。このプロセスを何度も繰り返し、それぞれの法則を自分の人格の中に取り込んで定着させていけば、なお素晴らしい」

実はこの言葉も、聖書に向き合う私たちの姿勢と通じるものである。そういった意味で、聖書の言葉にどこか新鮮さを感じられなくなりつつある方がおられるなら、ぜひマクスウェル氏の書を手に取ってもらいたい。そして、再び聖書に立ち戻るのだ。そうすると、今まで見えてこなかった新しい光の下、読み慣れている聖書が新たな書物として立ち現れてくるだろう。

ジョン・C・マクスウェル著『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』(2013年、ダイヤモンド社)

<<前回へ     次回へ>>

◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

関連タグ:青木保憲
  • ツイート

関連記事

  • 神学書を読む(15)来住英俊著『キリスト教は役に立つか』

  • 神学書を読む(14)渡瀬裕哉著『トランプの黒幕 日本人が知らない共和党保守派の正体』

  • 神学書を読む(13)深井智朗著『プロテスタンティズム 宗教改革から現代政治まで』

  • 神学書を読む(12)佐藤優著『悪魔の勉強術 年収一千万稼ぐ大人になるために』

  • 神学書を読む(11)島田裕巳・和田秀樹著『宗教と精神科は現代の病を救えるのか?』

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「日本イスラエル・クリスチャン交流会」が発足、世界62カ国に広がる議員ネットワーク

  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • 後藤文雄神父死去、96歳 カンボジア難民の子ども育て、学校建設に尽力

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(28)ニコラス司教逮捕される

  • キリストの心と思いが与えられている恵み(3)神の御霊と一つ 加治太郎

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 今の自分のままで幸せだと気付こう 菅野直基

  • ワールドミッションレポート(9月18日):パプアニューギニア イースターは1日じゃない、1カ月続くリバイバルだ

  • 「日本イスラエル・クリスチャン交流会」が発足、世界62カ国に広がる議員ネットワーク

  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • 「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(12)「苦しみ」から「光」へ 三谷和司

  • 新しい発見 佐々木満男

  • 「日本イスラエル・クリスチャン交流会」が発足、世界62カ国に広がる議員ネットワーク

  • 「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者

  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • 石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • ウェールズ聖公会、首座主教にレズビアンの女性主教選出 保守派からは強い批判の声

編集部のおすすめ

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.