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脳性麻痺と共に生きる

脳性麻痺と共に生きる(24)中学時代のことと大切にしている先生の教え 有田憲一郎

2017年2月23日16時41分 コラムニスト : 有田憲一郎
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関連タグ:障がい

僕が通っていた養護学校(現在の特別支援学校)は、児童・生徒数も少なく、ほとんどが1クラスでした。僕の学年も授業ごとにグループ分けがあるものの、学年単位でのクラス分けがなく、転校や転入しない限り、卒業するまで一緒に学校生活を送ります。

僕が学校生活を送っていた年代はちょうど、障碍(しょうがい)児教育の完全義務化がスタートした前後に当たっていました。養護学校には自宅から通う子、治療やリハビリを受けるために病院から通う子のほかに、地域によっては家から遠いなどの事情で療護園や宿舎に入り、通っている子もいます。

障碍児教育の完全義務化がスタートして以降、東京都には新たな養護学校が何校も開校されてきました。学区域が見直され、子どもたちは地域からより近い養護学校へと通えるようになったのです。

新たな学校が開校するごとに、学区域が変わっていました。僕も小学4年生の時に学区域が変わりました。当時は、「すぐ転校するか、区切りがいい時期で学区域の学校に転校していくか」を、本人や保護者の意向で選ぶことができたのです。

以前にも書きましたが、入院をしていた僕は、退院する時期に大泉養護学校が開校し、学区域もそのようになっていたので、退院後は新しく開校した学校に通うことになりました。学区域の変更で「近くの学校に通わせることができる」と保護者の皆さんは喜んでいたと思います。

本人や保護者の意向で「学部が終わるまでは同じ学校に通わせたい」「同じ学校で学びたい」と希望する声も多く、同級生の数人は、元いた養護学校に小学部を卒業するまで通い、中学部から指定された学区域の学校に転校しました。

また、普通の小学校を卒業し、中学から養護学校に転校してきた子もいました。その子は小学校に2年遅れで入学していたので僕より2歳年上の同級生で、バランスを崩しながらも1人で歩くことができる子でした。

小学校、中学校、高校というと、1コマの授業時間がだいたい45分だったのではないでしょうか。普通校には通ったことがありませんが、通っていた養護学校では、小学部の低学年は午前中の授業を受け、お楽しみの給食を頂いたら下校の時間。高学年から徐々に午後の授業が入り、最終的に水曜日と土曜日以外は6時間授業でした。

養護学校には通常の科目授業の他に、障碍機能を少しでも改善していけるよう、週に1、2コマ程度「訓練の時間」という機能訓練を行う時間が授業として設けられています。また、体験を通して多くの経験と学びをさせようと、校外学習の時間が多くあります。「じゃあ、外に勉強に行こうか」と本来の授業を変更し、自分で地図を見て目的地まで行き、買い物をして帰って来るなどの実践的な学習もしていました。

普通校では、1コマ1コマごとに授業の科目が分けられているのではないでしょうか。養護学校も1コマごとに分かれている授業もありますが、科目によっては2コマ連続で授業が行われています。

僕も当時は、中学生になっていながら考える力や理解すること、覚える力が弱く、授業の内容もなかなか前に進むことができませんでした。その子のペースとスピードに合わせ、また僕のように理解するのに時間がかかる子どもたちも多いので、生きていく上で必要な科目や道徳的な授業は授業時間を多く組んであり、同じ内容を分かるまで何回も繰り返し、時間をかけて根気よく、ゆっくりと学ぶことができるように工夫されていたのです。

先生方は常日頃から、その子の障碍に応じて能力を引き出し、その子が長い人生を生きていくために必要な学習内容を模索し、その子のスピードに合わせた授業を行っています。こうして考えてみると、先生方は「やっぱり、すごいんだな」とあらためて感じます。

先生の中には、厳しい先生や優しい先生、面白くてユーモアたっぷりの先生など、個性豊かな先生方が大勢います。もちろん教育熱心で、授業に関係なく一人一人が理解をして自分で考えることができるまで教えてくれていました。そして、その子が興味や関心を持ったことをすぐ授業に取り入れてくれる先生もいました。

授業を始める前に「何か興味を感じたことはあるかな」と聞いてくれる先生がいました。僕たちの興味や関心があることを大事にしてくれ、僕たちも先生が聞く前に、興味のあることや不思議に思うことを聞いていました。僕たちの関心はさまざまで、いろんな話題でいっぱいになります。

ある国語の時間のことを思い出します。僕たち生徒からは「先生、どうして空は青いの?」など、国語とは全く関係のない質問が毎回のように溢れていました。先生は、生徒の純粋な好奇心を大事にしてくれて「じゃあ今日は、そのことから考えてみようか」と、教科とは違う内容でも積極的に教えてくれてから、本来の授業の内容に入っていくこともありました。授業が楽しくて「次は何を聞こうかな」と、勉強嫌いの僕はそんなことばかり考えていました。

養護学校は、1クラスを数人の先生で受け持ち、2、3年は同じ先生方が担任になります。中学部に進級できたとき、1人だけ小学部6年生からの受け持ちの先生がいました。「中学部になったら、担任の先生はみんな変わっちゃうのかな」と少し寂しさや不安を感じていましたが、担任の先生の中に同じ先生が1人いてくださったことで、僕は何とも言えない安心した気持ちだったことを覚えています。

PTA会長を務める父と学校内で会ってしまう状況の中にも、中学3年間は、いろんな多くのことを学びました。

僕には、先生から教えられた言葉があります。

「確かにお前は、体に障碍を持っている。しかし、頭は健常そのものだ。だからお前は、頭(知力)を使い、頭で勝負し、人を動かし、社会のために貢献していけるような人になりなさい」

その当時は意味も分からず、「先生は何を言っているのだろう」と、僕はただそう思っていました。でも先生は、この言葉を3年間僕に送り続けました。

高校を卒業し、社会人になり数十年たった今、この言葉の意味を深く感じています。日々、活動をしながら「あの言葉の意味はきっとこういうことだったのかな」と問い続ける自分がいます。送っていただいたその言葉は、僕にとってとても深い教えとなり、「その言葉の意味に近づけるような人間としての活動ができる人になりたい」と、今でもこの教えを胸に、活動に取り組んでいる自分がいます。

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◇

有田憲一郎

有田憲一郎

(ありた・けんいちろう)

1971年東京生まれ。72年脳性麻痺(まひ)と診断される。89年東京都立大泉養護学校高等部卒業。画家はらみちを氏との出会いで絵心を学び、カメラに魅力を感じ独学で写真も始める。タイプアートコンテスト東京都知事賞受賞(83年)、東京都障害者総合美術展写真の部入選(93年)。個展、写真展を仙台や東京などで開催し、2004年にはバングラデシュで障碍(しょうがい)を持つ仲間と共に展示会も開催した。05年に芸術・創作活動の場として「Zinno Art Design」設立。これまでにバングラデシュを4回訪問している。そこでテゼに出会い、最近のテゼ・アジア大会(インド07年・フィリピン10年・韓国13年)には毎回参加している。日本基督教団東北教区センター「エマオ」内の仙台青年学生センターでクラス「共に生きる~オアシス有田~」を担当(10〜14年)。著書に『有田憲一郎バングラデシュ夢紀行』(10年、自主出版)。月刊誌『スピリチュアリティー』(11年9・10月号、一麦出版社)で連載を執筆。15年から東京在住。フェイスブックやブログ「アリタワールド」でもメッセージを発信している。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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