戦闘激化のアレッポで毎日7500人に食事配給 キリスト教徒とイスラム教徒に「希望」与える現地教会

2016年8月17日14時49分 翻訳者 : 山本正浩 印刷
+戦闘激化のアレッポで毎日7500人に食事配給 キリスト教徒とイスラム教徒に「希望」与える現地教会
ジアド・ヒラル司祭(写真:エイド・トゥー・ザ・チャーチ・イン・ニード=ACN)

アレッポのイエズス会司祭が、カトリック教会によるアレッポ残留市民への支援について語った。シリア北部の都市アレッポでは、ここ数週間の内に戦闘が激化し、多くの死者と数千人の避難民が出ている。水道や電力が遮断され、市民約200万人に影響が出ている。

反体制派がアレッポ掌握を目指し政府軍との攻防が続く中、ジアド・ヒラル司祭は、カトリックの慈善団体「エイド・トゥー・ザ・チャーチ・イン・ニード(困窮している教会への支援)」(ACN)に、「昨夜はよく眠れませんでした。一晩中、両陣営の間で砲撃や銃撃戦が続いたからです」と語った。

しかし、ヒラル氏によると、現地のカトリック教会は、アレッポにあるマリアの宣教者フランシスコ修道会の施設で、空腹な人たちに食べ物を配給しているという。配給を受けているのは多くがイスラム教徒。ヒラル氏は、「施設には大きな厨房があります。その厨房はACNやその他の団体が資金提供したもので、施設にやって来る約7500人の人たちに毎日食事を提供しています」「食事は膨大な量で、働いているのはイスラム教徒とキリスト教徒のチームです。この食事によって養われている人の多くは、イスラム教徒です」と言う。

アレッポは依然として包囲状態にあるものの、カトリック教会では結婚式や洗礼式、毎日のミサが行われており、ヒラル氏は「希望」があると言う。「一面では明るい状況とは言えません。悲しい状況です。しかしもう一面としては、現地のカトリック教会が活動しており、キリスト教団体を中心として、人々が救済活動をしています。その人たちは希望のしるしです。現地において、私たちの使命は重要です」

「深夜から朝にかけては街中が真っ暗で、人々の活動は全くありません」。電力供給は極めて限定的で、発電機を使っても、供給できるのは1日2時間以下だという。「電力がないので、熱源がありません。また多くの人は、仕事に行くことができません。街が2つの区域に分断されているからです。反体制側と政府側です。民衆はこの2つ区域間を行き来できません」「両区間を行き来できないため、仕事に行くことができない人が大勢います。そういう人たちは失業したり、住む所を失ったりした」

ヒラル氏は、2万7千〜3万人のキリスト教徒がアレッポを出たとみている。この数字は、戦闘が始まる前にアレッポにいたキリスト教徒の約6割に相当する。残留している人たちは貧しく、仕事に就ける見込みもない。

「私は、あるカトリック教徒の一家に出会いました。一家の子どもたち3人は、レストランで働いています。1人は7歳か8歳、もう1人は10歳、3人目は14歳です」「その子たちの父親は死にました。どのような事情で亡くなったかは分かりません。母親も(レストランで)働いています。レストランのオーナーが、私にこう言いました。『この働いている子たちを見てください。私はこの子たちを断れませんでした。今は夏休みなので、母親の手伝いをしているのです。胸が詰まる思いでした』と」

ヒラル氏はまた、こう付け加えた。「シリアの人々、特にアレッポの人々に必要なのは、生活を続けるための安全と支援です。状況が困難だからです。(中略)数日前、教皇フランシスコが重要なことを語られました。『若者もお年寄りも、情熱を持ってこの「いつくしみの特別聖年」を生活し、無関心に打ち勝ってくださるようお願いします。まず初めに、シリアの平和は実現可能であると宣言してください。シリアの平和は実現可能です』と。シリアの平和が実現可能だという宣言は、私たちの心の叫びです。それが私たちにとっての唯一の希望です」

※この記事は英国クリスチャントゥデイの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。一部、加筆・省略など、変更している部分があります。

関連記事

クリスチャントゥデイからのお願い

いつもご愛読いただき、ありがとうございます。皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。記事の一つ一つは、記者や翻訳者、さらに編集者の手などを経て配信されているものです。また、多くのコラムニストや寄稿者から原稿をいただくことで、毎日欠かすことなくニュースやコラムを発信できています。

この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、読者の皆様にはぜひ、祈りと共に、毎月定期的にサポートする「サポーター」として(1,000円/月〜)、また単発の「サポート」(3,000円〜)によって応援していただきたく、ご協力をお願い申し上げます。支払いはクレジット決済で可能です。申し込みいただいた方には、毎週のニュースやコラムをまとめた申込者限定の週刊メールマガジンを送らせていただきます。サポーターやサポートの詳細、またクレジットカードをお持ちでない方はこちらをご覧ください。


国際の最新記事 国際の記事一覧ページ

新型コロナウイルス特集ページ

人気記事ランキング

おすすめのコンテンツ【PR】

コラム

主要ニュース