温故知神—福音は東方世界へ(45)シルクロードと日本②:京都に行くなら見るところの一つ 川口一彦

2016年5月1日01時10分 コラムニスト : 川口一彦 印刷
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京都府の京都文化博物館で1994年に「大唐長安展」が開催され、3メートルほどの高さの大秦景教流行中国碑の拓本が展示されました。見る人にとっては大変な大きさで驚いたことでしょう。

しかも約1800字の漢字の内容が、聖書の創世記からメシアの降誕、教会の誕生、聖霊によって世界に福音が伝わり、唐代の中国にまで伝えられていたことが書かれ、太宗皇帝ほかに主の教えを伝えたとシリア語でも書かれていたことがさらに驚きでした。

京都と唐代中国は大きな交流があり、平安時代に京都の町づくりの土台になったのが長安、今の西安でした。京都と長安は多くの人や文物が往来し、遣唐使もその一つでした。

2002年には日中国交正常化30周年を記念して、シルクロード展が東京や大阪で開かれ、当時のキリスト信徒の十字墓石もあり、ひときわ衆目を集めていました。

温故知神—福音は東方世界へ(45)シルクロードと日本②:京都に行くなら見るところの一つ 川口一彦

京都市右京区太秦森ケ東町50番地に蚕ノ社(かいこのやしろ)があります。その社の奥には石柱で作られた三柱(みつばしら)鳥居があり、江戸時代には木製であることが葛飾北斎の絵(『北斎漫画VOL. Ⅰ「江戸百態」』)で分かり、かなり以前から設置されていたことも分かります。この絵には、神道の紙垂(しで)はありません。

温故知神—福音は東方世界へ(45)シルクロードと日本②:京都に行くなら見るところの一つ 川口一彦
温故知神—福音は東方世界へ(45)シルクロードと日本②:京都に行くなら見るところの一つ 川口一彦

またここの由緒書きには、ここが古代キリスト教景教徒の礼拝場所と書かれています。鳥居の下で洗礼式をしたのではないかと思います。平安時代から遣唐使や多くの往来があった京都で、キリスト教のそれらしき遺跡が発見されるならうれしいことと思います。

京都には寺社が多くありますが、京都に行かれた際は、蚕ノ社を見学されるなら往時を偲ぶことでしょう。お勧めしたいところです。

※ 参考文献
景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)
景教のたどった道―東周りのキリスト教』(キリスト新聞社、2005年)
北斎漫画VOL. Ⅰ「江戸百態」』(青幻舎、2010年)

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川口一彦

川口一彦(かわぐち・かずひこ)

1951年、三重県松阪市生まれ。愛知福音キリスト教会宣教牧師、基督教教育学博士。聖書宣教、仏教とキリスト教の違い、景教に関するセミナーなどを開催。日本景教研究会(2009年設立)代表、国際景教研究会・日本代表を務める。季刊誌「景教」を発行、国際景教学術大会を毎年開催している。2014年11月3日には、大秦景教流行中国碑を教会前に建設。最近は、聖句書展や拓本展も開催している。

著書に 『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年)、『仏教からクリスチャンへ―新装改訂版―』『一から始める筆ペン練習帳』(共にイーグレープ発行)、『漢字と聖書と福音』『景教のたどった道』(韓国語版)ほかがある。

【川口一彦・連絡先】
電話:090・3955・7955 メール:kei1951-6@xc.so-net.ne.jp

フェイスブック「川口一彦」で聖句絵を投稿中。また、フェイスブック「景教の研究・川口」でも情報を発信している。

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