Skip to main content
2025年9月19日07時16分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
わが人生と味の道

わが人生と味の道(11)17歳の料理長 荘明義

2015年8月14日19時57分 コラムニスト : 荘明義
  • ツイート
印刷
関連タグ:荘明義

ある日、横浜にある重慶飯店というレストランから、そこの料理長が虫垂炎(俗に言う盲腸)で入院してしまったという連絡が入りました。そして、料理長がよくなるまでしばらくの間コックを貸してほしいと言ってきたのです。その時、陳建民先生は私に、「あなたは横浜に仕事に行きなさい。そして、そこでしっかり店のために働いてほしい」と言いました。

こうして私は横浜の重慶飯店に「料理長代理」という形で行くことになったのです。そこにいた4人のコックはいずれも私より年上でしたが、経験においては私のほうが長かったので自然に指導的立場をとることになりました。彼らは私に一目置き、色々と聞いてきたので、私は自分に分かることは教え、協力し合って店を守りました。毎日やり甲斐があって楽しく、3カ月はあっという間に過ぎました。1、2カ月の間だろうと思っていたのですが、その料理長は退院後中国に帰ってしまい、店に戻ることはなかったのです。そこで私は元の店に戻ろうとしたのですが、「もうしばらくいてください」と引き止められ、もうしばらく、もうしばらく・・・といううちに、やがて乞われるままに、私はその店の料理長として勤めることになったのでした。

中華街には当時、百何十軒という中華レストランがあったのですが、その中で定期的に「料理長の集まり」というものがありました。当時の料理長といえば、若くて40歳。多くは50代、60代という年輩の人たちで、そのような中に、私は17歳で参加することになりました。彼らは皆、私を見ても料理長と思っていなかったので、「あっ、ここは違うんだよ」「今日は料理長の集まりなんだよ」と注意します。

仕方がないので、私は言いました。「あの・・・とりあえず、私は重慶飯店の料理長なんですけど」。すると、皆びっくりしたり、感心したりで、多くのコックが私にアドバイスをくれました。その中でも、「酒に呑まれてはだめだよ」「博打(ばくち)に走ってはだめだよ」「料理の道は、死ぬまで修業だからね」というアドバイスは、父親が私にくれたものに近かったのです。

父親は、この時すでに信仰を持っていましたから、御言葉をもって諭してくれました。

「若いうちはお金など貯める必要はない」
「若いうちのお金は身につかない」

中国でビジネスをし、大きな財産を持っていた父は、お金に対して苦労があったのでしょう。この時、私の給料は何と5万円でした。当時の5万円といえば大変なお金です。毎月うまくやりくりすれば、ずいぶん多くの貯金ができたのでしょうが、あいにく自分はお金に対してあまり計算が得意ではありませんでした。

お金のある所には、またよくない友達も集まってくるものです。私の所には毎日のようにお金を借りに来る人がいて、私の財布は現金ではなく借用書で一杯でした。

「若いうちのお金は身につかない」。父親の言葉どおりでした。私は貯金が全くできず、父親の借金を返すための一部のお金以外はすべて借用書になって消えていきました。

さて、この中華街においては、よく勉強会を行っていました。周囲の店のコックたちと料理について勉強するという機会がたくさん与えられていたのです。

「料理においては味が決め手といいますが、味づくりの秘訣というようなものがあるのでしょうか?」

ある勉強会で、私は自分よりも経験の浅いコックにこう尋ねられたことがありました。そこで私は、今までのことを振り返り、自分が苦労して少しでもよい味が出せるように密かに研究してきたことを話して聞かせました。

(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)
(15)(16)(17)

◇

荘明義

荘明義(そう・あきよし)

1944年中国・貴州省生まれ。4歳のときに来日、14歳で中華料理の世界に入り、四川料理の大家である故・陳建民氏に師事、その3番弟子。田村町四川飯店で修行、16歳で六本木四川飯店副料理長、17歳で横浜・重慶飯店の料理長となる。33歳で大龍門の総料理長となり、中華冷凍食品の開発に従事、35歳の時に(有)荘味道開発研究所設立、39歳で中華冷凍食品メーカー(株)大龍専務取締役、その後68歳で商品開発と味作りのコンサルタント、他に料理学校の講師、テレビや雑誌などのメディアに登場して中華料理の普及に努めてきた。神奈川・横浜華僑基督教会長老。著書に『わが人生と味の道』(イーグレープ)。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:荘明義
  • ツイート

関連記事

  • 思慮を得る者は自分を愛する者(2)もう一つの知識 神内源一

  • 田村建顕の遺言 若井和生

  • 非暴力で差別と闘った人―キング牧師の生涯(3)バス・ボイコット運動の始まり

  • 合言葉はあいらぶゆ(9)ほんとうはこわい?子どもの世界② しらかわひろこ

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「日本イスラエル・クリスチャン交流会」が発足、世界62カ国に広がる議員ネットワーク

  • 後藤文雄神父死去、96歳 カンボジア難民の子ども育て、学校建設に尽力

  • 花嫁(33)愛には恐れがない 星野ひかり

  • 右も左もわきまえないやから 穂森幸一

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(28)ニコラス司教逮捕される

  • ワールドミッションレポート(9月19日):タイ シャン族に広がる希望の光

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • キリストの心と思いが与えられている恵み(3)神の御霊と一つ 加治太郎

  • ワールドミッションレポート(9月18日):パプアニューギニア イースターは1日じゃない、1カ月続くリバイバルだ

  • 「日本イスラエル・クリスチャン交流会」が発足、世界62カ国に広がる議員ネットワーク

  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • 「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者

  • 後藤文雄神父死去、96歳 カンボジア難民の子ども育て、学校建設に尽力

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(12)「苦しみ」から「光」へ 三谷和司

  • 「日本イスラエル・クリスチャン交流会」が発足、世界62カ国に広がる議員ネットワーク

  • 「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者

  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • 石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • ウェールズ聖公会、首座主教にレズビアンの女性主教選出 保守派からは強い批判の声

編集部のおすすめ

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.