Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
わが人生と味の道

わが人生と味の道(17)冷凍食品の開発 荘明義

2015年11月6日20時13分 コラムニスト : 荘明義
  • ツイート
印刷
関連タグ:荘明義

テレビに出演し、料理教室で料理を教えることをしていた中で、あるとき思ってもいない出会いがありました。大龍という、当時「サッポロ味噌ラーメン」というラーメンのチェーン店を170軒くらい展開していた店があったのですが、その店の社長が、たまたま私が出演しているテレビ番組を見て言ったそうです。

「サッポロ味噌ラーメンの時代はいつかすたれるだろう。その前に高級な冷凍食品の中華の点心を商品化し、販売してみたいなあ」

そして、何とその阿部さんという社長は、それから数日して私が勤める重慶飯店を訪ねてきたのでした。

私はこの社長としばらく語り合ううちに、素晴らしい事業のアイデアが生まれるのを感じました。それは、レストランで料理を客に提供すると同時に、それを冷凍してそれぞれの家庭に届けるという今まで誰もやったことのない新しい事業でした。私たちは、このわくわくするような事業のために手を握り合いました。そして、この事業は必ず成功すると確信したのです。なぜなら、当時中華料理はとても人気がありましたから。

当時、私が勤めていた重慶飯店は、そのフロアに60人から70人の客を収容していましたが、そのうち2階に座敷を作るということで倍の広さになり、何年か後にはさらに広い場所が与えられて、800人近くの結婚式ができるように重慶飯店の「別館」というのができました。それで、客が増えるに従って料理の技術、仕込みの方法がどんどん変わっていきました。800人の宴会をするためには、前もって下ごしらえをし、上手に冷凍保存をし、当日それをうまく解凍しながら温めて出すということが必要となり、私たちは冷凍の技術を学び、それを身につけていきました。また、大量の調理をするためには、一人前を作る技術、100人前を作る技術、そして千人前を作る技術というように、技術にも新しい要求が出てきたのです。誰が作っても、一人前も千人前も同じ味にするためには、そのタレを逆算して仕込むということが必要になってくるのです。私は必死で冷凍技術について勉強しました。

こうして私は冷凍食品の開発をする中で、幾つかの食材を開発することになりました。最初の開発は、餃子、シューマイ、春巻――といったものから中華料理の高級点心がスタートし、そしてフカヒレスープ、海老のチリソース煮といった人気メニューを冷凍し、お客に届けるということをしました。大龍という会社は「サッポロ味噌ラーメン」の会社ですから、冷凍食品を始めた頃にはスーパーやデパートの中に私たちの商品を並べるスペースがありません。それでどうやって売ったかというと、それは次のようなやり方でした。

私が作った高級冷凍食品を、ホームパーティーが開かれた会場で売り、客を獲得していこうということで、ある家に客を集め、そこで客に試食をしてもらい、帰る時に買ってもらう――という方法でした。当然そこに集まる人の中にはスーパーやデパート、量販店のオーナーの奥様方がいたのも好都合でした。ご主人が帰ってきたとき、奥さんが買ってきた冷凍食品を温めて出すとします。

「おいしいじゃないか。この点心どこで買ってきたのかい?」
「ホームパーティーで紹介されたのよ」

という具合で、私たちは裏口から入り、スーパーやデパートに商品を並べることに成功したのです。

私たちの食品開発の理念は、どのくらいの値段のものを作る――というのではなく、まずおいしいものを作るということでした。そのためには手作りで、本格的な食材を使い、とても高価なものでした。味の素の餃子が一皿150円の時、私たちの餃子はその何倍もしたのでした。そうした中で、この冷凍食品はなかなか好評だったので、多くの人に食べてもらうためには手作りから機械への移行も考えなくてはなりませんでした。

大龍と手を結んで冷凍食品の開発を軌道に乗せた頃、味の素から「クック・ドゥ」の開発の話が来ました。私は味の素とも提携し、家庭でおいしい中華料理を――ということでタレの開発に努めました。ひたすら大量の調理をすると同時に、世の中のさまざまな要求に合わせてこのような食品メーカーと提携して商品を作っていく――そうしたことが必要となってきた時に、実に時にかなって「味の素」と「大龍」という二つの会社と出会ったのでした。味の素と「クック・ドゥ」のタレを開発し、大龍と冷凍食品を開発する。この二つの事業を通し、私のビジネスの展望はさらに広がっていったのでした。

<<前回へ     次回へ>>

◇

荘明義

荘明義(そう・あきよし)

1944年中国・貴州省生まれ。4歳のときに来日、14歳で中華料理の世界に入り、四川料理の大家である故・陳建民氏に師事、その3番弟子。田村町四川飯店で修行、16歳で六本木四川飯店副料理長、17歳で横浜・重慶飯店の料理長となる。33歳で大龍門の総料理長となり、中華冷凍食品の開発に従事、35歳の時に(有)荘味道開発研究所設立、39歳で中華冷凍食品メーカー(株)大龍専務取締役、その後68歳で商品開発と味作りのコンサルタント、他に料理学校の講師、テレビや雑誌などのメディアに登場して中華料理の普及に努めてきた。神奈川・横浜華僑基督教会長老。著書に『わが人生と味の道』(イーグレープ)。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:荘明義
  • ツイート

関連記事

  • 神の慰めによって他者を慰める 穂森幸一(8)

  • こころの手帳(21)病気の原因論と目的論 浜原昭仁

  • 律法と福音(16)義人ヨブの告白 山崎純二

  • 人生で悪に染まりきれなかった理由 菅野直基

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(224)音楽が支える聖霊による祈り 広田信也

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.