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沖縄

辺野古基地建設は絶対に阻止を 沖縄キリスト教協議会が声明

2015年4月21日16時54分 記者 : 行本尚史
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関連タグ:沖縄キリスト教協議会(OCC)沖縄米軍基地日本聖公会日本キリスト教協議会(NCC)
辺野古基地建設は絶対に阻止を 沖縄キリスト教協議会が声明+
沖縄県名護市辺野古沖の大浦湾で抗議行動を行うカヌー(中央)と、それを取り囲む海上保安庁の船=2014年8月15日(写真:金井創牧師提供)

沖縄キリスト教協議会(OCC)は、3月29日付で、「辺野古基地建設は絶対に阻止されねばならない」と題する声明文を発表した。

これに先立ち、OCC常議委員会議長で日本聖公会沖縄教区の上原榮正主教は同23日付の書簡で、「皆さま、どうか声明文をお読みくださり、主にある教会として、同じ信仰者として、今の沖縄の状況にどのように関わるべきか、兄弟姉妹と共に、考えて、祈っていただきたいと思います」と記述。その中で上原議長は、「今、日本政府は普天間飛行場の危険性除去という名のもとで、新基地建設のために、沖縄県名護市にある辺野古の海の埋め立て工事を始めた」と説明していた。

上原議長によると、沖縄県民の8割が反対し抗議している中、工事は着々と進められ、これに反対する県民は、県警や海上保安庁、米軍の警備員などによって、排除、拘束、どう喝などを受け、自由な発言や行動ができない状況にあるという。

上原議長はこの書簡で、「神さまは、常に、イスラエルの民に、孤児、寡婦、異邦人に対して、手を大きく開くようにと教えました。また、イエスさまは、小さいもの、弱いもの、貧しくされた人々に手を差し伸べ、『良きサマリア人のたとえ話』では困っている人こそ、あなたの隣人であり、その人々を愛するようにと教えました」と聖書の言葉に言及。その上で、「日本政府の今のやり方は、分断と統治です。しかも、力や、権力を持っている側が、何も持たない沖縄県民の無抵抗の抗議に対して、圧力を加えております」と強調。「正義はどこにあるのでしょうか。平和は誰のためにあるのでしょうか。お金や権力や力を持つ者の権利や利益を守るための、基地や軍隊になってはいないでしょうか。このことを共に考えてみませんか。神さまは、聖書は、私たちにどのようにして関わるべきかを尋ねておられると思います」と畳み掛けた。

声明文はイザヤ書2章4~5節を引用し、いのちを尊ぶ普遍的な精神を表明。平和を希求する沖縄の歴史、文化、思想がある中で、現状は戦後70年を迎える今もなお、日米両政府が隣国に対する「抑止力」として軍備を強化し続け、沖縄の心はないがしろにされ続けていると主張している。

声明文はまた、沖縄戦以降の沖縄の歴史に触れ、「沖縄の住民が米軍基地拡張のため故郷から追い出された」と述べ、「日米安保による日本側の負担は、その多くが沖縄の犠牲において成り立っている」と強調。その上で、「軍事基地は『抑止力』のために必要という声があります。『抑止力』=『基地』ということなのでしょう。しかし、この世界において武力による平和は、結局、悲しい結末を迎えることを歴史は証明しています。イザヤ書の言葉は、まさに戦争の虚しさを教えているのであり、『剣・槍(やり)』(武器)は、"いのち" を破壊するもの、『鋤(すき)・鎌』(農具)は"いのち"を生み出すものということです。命を破壊する剣や槍を打ち直して、命を生み出す鋤や鎌に打ち直しなさいと聖書は教えています」と説いている。

さらに声明文は、「そして本当の『抑止力』は、"いのち"を豊かに育む食を生み出すことから始まり、更に"いのち"を育む友を築くこと、すなわち『抑止力』=『友』ということになります。世界中で食を分かち合い、友人ができれば争うことは無くなるのです。教会はまさに、世界中に友を築く『万国津梁(ばんこくしんりょう)』の働きが担われており、『戦うことを学ばない』という聖書の言葉の実践者とならなければならないものでしょう」と訴えている。

「万国津梁」とは万国の架け橋を意味し、1458年に琉球王国の尚泰久王(しょうたいきゅうおう)が鋳造させ、首里城正殿に掲げていた鐘の銘文にある言葉から取ったものだ。

そうして声明文は、「まずは今、私たちは沖縄の名護市辺野古に造られようとしている新基地建設を絶対に阻止しなければなりません。敬愛します諸教会の皆様の祈りが立ち上がることへと繋(つな)がることを信じます。キリストの復活に希望を受けて」と締めくくられている。

この声明文を受けて、日本聖公会正義と平和委員会は公式サイトで全面的な賛同を表明。「平和を実現するキリスト者ネット」(キリスト者平和ネット)もこの声明文の全文を公式サイトにリンクさせている。

一方、日本キリスト教協議会(NCC)は本紙に対し、この声明文はNCCにも送られてきたと回答した。NCCは公式サイトにあるエキュメニカル・カレンダーで5月10日の祈りと働きの課題として、「沖縄から全ての基地が撤去されますように-辺野古と高江での<いのちを守る>闘いを覚えて」などと記している。

なお、沖縄のメディアなどによると、沖縄キリスト教大学平和研究所が募金を呼び掛けて昨年秋に購入した辺野古新基地建設の抗議船「不屈」(船長=金井創牧師)は今月6日、海上保安庁の巡視艇と衝突して破損したという。

なお、28日(火)に那覇市で行われる県民大集会と同時に、同日午後6時半から、大阪市北区の中之島公園・水上ステージでは、日本基督教団大阪教区沖縄交流・連帯委員会や同社会委員会などの呼び掛けで、「4・28辺野古集会同時アクション・大阪」」が、また5月24日(日)には、午後2時からキリスト者平和ネットや日本カトリック正義と平和協議会などによる「5・24首都圏アクション~国会包囲ヒューマンチェーン~」が予定されている。

関連タグ:沖縄キリスト教協議会(OCC)沖縄米軍基地日本聖公会日本キリスト教協議会(NCC)
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