第一次世界大戦で起きた奇跡「クリスマス休戦」 ベルギーで再現(動画あり)

2014年12月24日03時21分 記者 : 竹村恭一 印刷
+第一次世界大戦で起きた奇跡「クリスマス休戦」 ベルギーで再現(動画あり)
(写真:セインズベリーのCMより)

第一次世界大戦の激戦地の一つであったベルギーで20日、当時の英国軍とドイツ軍の兵士に扮(ふん)した人々がサッカーの試合をした。これは、100年前にこの地で起きた一つの「奇跡」を再現したものなのだ。

100年前の1914年7月28日、当時のオーストリア・ハンガリー帝国が隣国セルビアに宣戦布告し、第一次世界大戦が開戦した。その年、大戦が始まって初めてのクリスマスイブを迎えたベルギー。英国軍とドイツ軍による西部戦線では、鉄格子を挟んで緊迫した状況が続いていた。

近代戦に革命をもたらした塹壕(ざんごう)戦。見通しの良い平地での被弾率を下げるために広大な「塹壕」と呼ばれる溝を掘り、兵士たちは砲弾の雨から身を守っていた。塹壕の中でにらみ合う両軍。互いに国王と皇帝からのクリスマスカードを開封し、故国に残した家族や友人、恋人を思い、ある者は寒さに震え、ある者は銃座から敵陣をにらんでいた。両軍とも、相手の陣地からは、補給する弾薬を運ぶ音が聞こえるほど近くでにらみ合っていたという。

しかし、イブの夜にこの奇跡は起こった。両陣営からから聞こえてくる何曲ものクリスマスソング。普段は砲火から身を潜める吐息の音だけが聞こえる戦場は、その夜、両軍の大合唱に包まれた。これがきっかけで翌朝のクリスマス、兵士たちがイエス・キリストの誕生を祝うために戦闘を中断。塹壕から出て食べ物や酒、タバコなどを分け合い、共にサッカーを楽しんだ。

欧州だけでも、犠牲者が1000万人を超えたとされる第一次世界大戦。この「奇跡」も公式な記録には残っていない。通常、戦闘の中断は軍の上層部の命令によって行われるものだが、この奇跡は兵士たちが自発的に戦闘を止めたことで起こったのだ。彼らの多くは次の日から殺し合い、多くは犠牲となった。しかし、この日の出来事は「クリスマス休戦」と呼ばれ、心温まるエピソードとして生き残った兵士たちによって語り継がれ、現在にまで伝わったという。

第一次世界大戦の開戦から今年で100年に当たることを記念して行われたのが、冒頭で紹介したこのクリスマス休戦を再現したサッカーの試合だ。NHKによると、参加者の一人は、「とても疲れましたが、象徴的な出来事を共有するのはとてもいいことだと思います」とコメントした。

この他、英国の大手スーパーマーケット、セインズベリーはこの実話を元にCMを制作。ユーチューブで先月中旬に公開したところ、1週間で約1000万回再生されたという。

■ クリスマス休戦を元にして制作されたセインズベリーのCM

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