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聖ニコラスの生涯

サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(31)夢の中での再会

2025年10月29日14時47分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
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サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(1)孤児ニコラス+
聖ニコラスの肖像画(画:ヤロスラフ・チェルマーク)

紀元305年。突然ローマ帝国の政治情勢に変化がもたらされた。――というのは、西ローマ皇帝マクシミリアヌスと東ローマ皇帝ディオクレティアヌスはそろって引退を表明し、政界から身を引くことになったのである。

「キリスト教禁止令」はローマ法に基づいているのでそのまま残されたが、実際に弾圧を命じるディオクレティアヌス帝が公的な場から退いて何の権威もなくなってしまったので、その後はクリスチャンの逮捕や拷問、処刑は一切行われなくなった。

ディオクレティアヌスの後を継いで東ローマ皇帝となったガレリウスは、個人的にはキリスト教に何の興味もなかったが、不当な仕打ちを受けてきたクリスチャンたちに同情的であった。それで、法の許す限り、彼らの生活を締め付けている縄目を緩めて、自由な生活を送れるようにしてやったのだった。

年が変わり、紀元306年7月のある朝のことだった。ニコラスは昨夜から「教会堂が与えられ、また子どもたちにイエス様のお話を聞かせることができますように」と祈っていたのだが、明け方の淡い光の中でうとうととまどろんでいた。

――そして、彼は夢を見た。いつの間にか、あのローマ軍兵士によって壊されたミラの教会のがれきの中にひざまずいていたのである。すると、天からこんな声がした。「一人の軍人をあなたの所に遣わそう。彼は破壊された地上の教会を再び建て直し、聖職者たちを元の務めに戻すだろう」

はっとして目を凝らすと、まだ薄暗い中に暁の光が差し始め、そこに一人の若者の姿が浮かび上がってきたのである。「あなたは、どなたですか?」ニコラスが問いかけると、彼は顔をこちらに向けた。どこかで見たことのある人物である。

誰だろうか――と考えるうちに、ようやくそれは、かつてアレクサンドリアの都で出会い、連日のように図書館で語り合った親友コンスタンティヌスであることを知った。

「また会えましたね。あなたはどうしてここへ?」なつかしさに、思わず走り寄ってその手を取ろうとした。しかし、彼は悲しそうな顔でつぶやいた。

「われわれローマ人は、あなたがたに対して負い目がある。私はそれを償いたい。だからこそ、何としても戦いに勝って、権力の座に就きたいのです」。そして、もう一度こちらを見つめると、再び朝もやの中に消えていった。

ニコラスは、はっと目を覚ました。どうして17年も前に異国の地アレクサンドリアの図書館で出会ったあの軍人の息子のことを夢に見たのだろう。そういえば、彼は今どうしているだろう。

気にかかったニコラスは、今は友人のようにしている州知事セルギオに聞いてみた。すると、意外な返事が返ってきた。

「彼は西ローマ皇帝コンスタンティウス・クロルスの息子です。軍事に対して天才的な頭を持っていて、戦略にしても、外交にしても成功を収めています。つい最近もライン川を越えてローマに侵入したゲルマン民族と話し合いで万事解決し、一滴も血を流すことなくローマに戻ったということです。人望も厚く、彼は次期副帝になるのではないかとうわさをする者もいます」

ニコラスは仰天した。あの時、コンスタンティヌスは、自分は軍人の子だという身分しか明かさなかったが、彼の父親は今、西ローマ皇帝となっているのか。(それでも私は信じる。私たちはきっとまた会えます)別れるとき、彼はそう言って自分の首に金の鎖をかけてくれたのだった。ニコラスは、急に彼に会いたくなった。

それから間もなく、さらに驚くべきニュースが知事の元に届いた。それは、西ローマ皇帝コンスタンティウス・クロルスが死去したこと。次期皇帝リキニウスの副帝にコンスタンティヌスが就任したが、多くの人が彼に期待を寄せる中、反感を持つ者も少なくないということであった。

特に先帝マクシミリアヌスの息子マクセンティウスはことのほかコンスタンティヌスを憎み、亡き者にしようと命を狙っているというのである。(軍人は常に死と背中合わせなのです)図書館で語り合ったときの彼の言葉がニコラスの胸によみがえってきた。

(夢を見たのは、もしかしたらコンスタンティヌスがとてもつらい立場にあるからではないだろうか)ニコラスは彼の身を案じた。そして、この親友のために一日中祈り続けるのであった。

*

<あとがき>

ニコラスが伝道者になるためにアレクサンドリアの「キリスト教大学」に入ったとき、図書館で一人のローマ人の若者と出会いました。これこそ、後に東ローマと西ローマを一つに統一し、キリスト教を公認した若き日のコンスタンティヌス大帝その人でした。2人は親しくなり、またの再会を約束して別れていきました。

ずっと後に、ディオクレティアヌス帝のキリスト教徒迫害により、ニコラスが幽閉の身になったころ、コンスタンティヌスも苛烈な政治情勢と、帝位を巡る血みどろの闘いの中で苦闘していました。

そんな中、不思議なことが起こりました。コンスタンティヌスとニコラスは、夢の中で再会を実現するのです。愛する者同士が夢の中で会うということは現実に起こり得るとされていますが、この時からニコラスとコンスタンティヌス帝は、運命の絆で断ち難く結び合わされていくのです。まさにこの2人が出会わなかったら、キリスト教は全世界に伝えられなかったでしょう。

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◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)刊行。また、猫のファンタジーを書き始め、2012年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝のWeb連載を始める。20年『ジーザス ラブズ ミー 日本を愛したJ・ヘボンの生涯』(一粒社)刊行。現在もキリスト教書、伝記、ファンタジーの分野で執筆を続けている。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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