前回からの続きで、以下は東方シリア正教会の典礼の祈り。エルサレムの初代大司教で殉教者、使徒ヤコブが主イェシュアの口から学んだ祈り文とのことである。
平和の前の祈り(前回からの続き)
そして、彼は声を張り上げて言った。
祭司「同じように杯を取り、感謝をささげてから祝福し(十字印、以降これは略する)、聖別し、聖なる使徒たちに与えて言われた。『皆これを飲みなさい。これはあなたたちのために流す私の血です。多くの者の罪の赦(ゆる)しと永遠の命のために流し、与えるものです』」
会衆「アーミン」
祭司「私の記念としてこれを行いなさい。この神秘(聖餐)にあずかるとき、あなたたちは私が来るまで、私の死と復活を記念しているのです」
会衆「あなたの死……」
祭司「それ故、主よ、あなたの3日目の死からの復活、そして昇天、父なる神の右に着座され、そして、あなたが正義をもって世界を裁き、全ての人にその行いに応じて報いてくださるあなたの再臨を覚えて。この故に私たちは、あなたにこの無血の犠牲をささげます。それはあなたが私たちを負債に応じて扱わず、また私たちの罪に応じて報いを与えない方だからです。そして、あなたの豊かなあわれみによって、あなたのしもべたちの罪を消し去ってください。あなたの民とあなたの御国の相続は、あなたと、あなたを通してあなたの父に懇願して申し上げます」
会衆「あわれんでください……」
祭司「そして私たちを……」
執事「何とおそろしいことよ……」
祭司の助手「父なる神、私たちをあわれんでください。そして、これらのささげものにより、聖霊を送ってください。聖霊はあなたと御子と、御座・王権・永遠の本質において等しく、あなたの聖書(旧新)を通して語り、ヨルダン川で私たちの主イェシュア・メシアの上に鳩のように降り、また使徒たちの上に火の舌のように降られた主です」
祭司「主よ、私たちに応えてください」
祭司「こうして幕屋(天の御座)に入り、彼はこのパンを命を与える体、贖(あがな)いの体、私たちの神であるメシアの体とすることができるのです」
会衆「アーミン」
祭司「そして、彼はこの杯、新しい契約の血、贖いの血、そして私たちの神であるメシアの流された血を完成させることができるのです」
会衆「アーミン」
祭司「それを頂く者たちの魂と体が聖化され、善い実を結び、信仰の堅い岩とし、シェオルの門もそれを打ち破ることはできない。岩の上に築かれた聖なる教会を堅固にするためです。そして、教会を異端と罪から最後まで守り、あなたとあなたの独り子に栄光と感謝をささげさせてください」
頭を垂れて祈る。「私たちは、全ての教会の母である聖なるシオンと世界中の聖なる教会のために、この無血の犠牲をささげます。あなたが聖霊の恵みと賜物を教会に与えてくださるように。主よ、私たちの父祖たち、正しく清い人々、私たちの族長、私たちの司教、長老、執事、そして教会の全ての指導者を私の弱さとともに覚えてください。私の若い頃の罪を覚えないでください。あなたのあわれみに従って、私を生きさせてください。そして、私たちの兄弟たち、囚人、病人、弱い者、苦しんでいる者、そして悪霊に苦しめられている人々を覚えてください。全ての被造物を祝福し、善意で満たしてください」
(続く)
■ シリア語による学び:エペソ人への手紙5章19節(右から左に読み書く)

訳:そして、あなたがたは詩篇と賛美歌でおのおのが自分自身に語り、霊の歌で心から主に歌いなさい。
※ 参考文献
『Invitation to Syriac Christianity』(University of California Press、2022年)
川口一彦著『古代シリア語の世界』(イーグレープ、2023年)
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