日本未配給のクリスチャン映画に日本語字幕を付けて提供している「クリスチャン映画館」で、7作目となる「空中の権威」(原題:Power Of The Air)が公開された。
監督は、キリスト教テレビドラマ「七番街シアター」の監督であるデイヴ・クリスティアーノ氏。原作は2018年の製作。ユーチューブでは21年1月に公開され、4年余りで100万回以上視聴されており、「いいね」の数は1万8千を超える。
妻や友人夫妻と一緒に映画鑑賞を楽しむクリスチャンの男性が、尊敬するアフリカの宣教師との対話をきっかけに、娯楽にあふれた現代社会に潜む危険性に目を向けるようになり、変えられていく物語。作品は、男性や周囲のクリスチャンたちの姿を通じて、現代を生きるクリスチャンたちに警鐘を鳴らす内容になっている。
特に、映画やテレビといったメディアの影響力の大きさに焦点が当てられており、男性は世俗的な内容のメディアとは距離を置きつつ、メディアを伝道のために用いようと奮闘する。
クリスチャン映画館は、「空中の権威」を「まさにクリスチャン映画、福音映画の王道と呼べる衝撃的な映画」だとして、次のように紹介している。

「通常、映画製作において映画に込めるメッセージが強過ぎると、強く反発を受け、多くの観客を失いかねないので、製作者はメッセージの強度を加減します。しかし、この映画は全く違います。収益を度外視したのか?と思えるほど、福音に関する聖書箇所をふんだんに引用し、ストレートにメッセージを伝え、正面から現代の娯楽の問題点とその罠(わな)に取り組み、ハリウッドはもちろん、クリスチャンからも嫌がられるであろうメッセージの強さです」
「映画の内容は主にクリスチャンに向けられており、多くのクリスチャンは平手打ちを食らうような衝撃を受けます。それに対して反発するのか、それとも自らの信仰を見つめ直すのか? この映画は暗に『あなたは本当にクリスチャンなのか?』と、この映画を観るクリスチャンを問い詰め、大きな選択を迫ります。クリスチャンでありながら、罪に鈍感になり、罪の中を歩むクリスチャンへの警鐘となる映画です」

デイヴ氏は、双子の兄弟であるリッチ氏と共に、さまざまなクリスチャン映画を手がけている。クリスチャン映画館では、昨年末に公開した「笛を吹け」の他に、「タイムチェンジャー」「信仰の選択」と、日本語字幕を付けたリッチ氏の作品3作を公開している。デイヴ氏の作品は、「空中の権威」がクリスチャン映画館では初公開作となる。
日本語字幕は、クリスチャン映画館を運営する堀江正さんがボランティアで付けている。また、ワーナー・ブラザースで46年間にわたって働き、2千本を超える映画の字幕制作に携わってきた小川政弘さんが監修している。

カナダでデザイナーとして活躍する堀江さんは、「七番街シアター」の日本語字幕制作も行っており、これまでにシーズン1は全24話、シーズン2は第4話まで公開している。クリスチャン映画館の全作品、また「七番街シアター」の全話は、いずれも無料で視聴できる。