Skip to main content
2025年5月19日23時51分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
ヨハネ書簡集を読む

ヨハネ書簡集を読む(2)「反キリストに気を付けなさい」―手紙の中心部で述べられていること― 臼田宣弘

2024年10月9日13時31分 コラムニスト : 臼田宣弘
  • ツイート
印刷
関連タグ:ヨハネの手紙二臼田宣弘

集中構造になっている第2ヨハネ書

第2ヨハネ書は、集中構造になっているようです(『新版 総説新約聖書』小林稔著「ヨハネの手紙2」405ページ)。小林氏の分析を基にして、以下にその構造を示します。(集中構造については「コヘレト書を読む」の第9回参照)。

A 1~3節 あいさつ
B 4節 報告への対応
C 5~6節 初めからの戒めにとどまる
X 7~8節 反キリストについての忠告
C´ 9~11節 初めからの戒めにとどまる
B´ 12節 報告への対応
A´ 13節 あいさつ

今回は、上記の集中構造分析の中核(X)である7~8節を読みます。ここはまさに、この手紙の中心メッセージということができるでしょう。

反キリストの偽預言者たち

7 なぜなら、人を惑わす者が大勢世に出て行ったからです。彼らは、イエス・キリストが肉体をとって来られたことを告白しません。こういう者は人を惑わす者であり、反キリストです。8 よく気をつけて、私たちが働いて得たものを失うことなく、豊かな報いを受けるようにしなさい。

前回は、上記の集中構造分析でCに当たる5~6節を読みました。そこには、ヨハネ共同体における「初めからの戒めにとどまる」べきことが記されていました。今回は、反キリストである偽預言者たちに関する部分を読みます。このつながりは、第1ヨハネ書2章7~17節の、やはり「初めからの戒めにとどまる」という内容から、2章18節以下の反キリストの内容へとつながっていることと酷似しています。

つまり、この短い第2ヨハネ書は、少し長めの第1ヨハネ書の要約版とみることができるのです。前回、「第2ヨハネ書は第1ヨハネ書の前書きに当たる添付書状と考えられるので、本コラムでは、第2ヨハネ書→第1ヨハネ書→第3ヨハネ書の順で読んでいきます」とお伝えしました。まず前書きであり、要約版である第2ヨハネ書を読み、その構造と内容を理解してから、本論である第1ヨハネ書に進むならば、それを読むためにも有用だといえるでしょう。

ただ、一点注意しておくべきことがあります。それは、ヨハネ福音書では、イエス様復活後のヨハネ共同体において、ユダヤ人たちと対立があったことが示唆されているのに対して(「ヨハネ福音書を読む」第34回・第35回参照)、ヨハネ書簡集では、キリスト教内部の偽預言者たちとの対立が伝えられていることです。それが何を意味しているかについては、おいおい考えていきたいと思います。

ところで、初代教会の時代には、福音宣教者(エフェソ書4章11節)といわれる巡回宣教者がいました(「パウロとフィレモンとオネシモ」第3回・第4回参照)。その時代、教会は家の教会であり、そこに定住している牧者(同)がいて宣教活動を行っていました。第2ヨハネ書においては、定住する牧者は「選ばれた婦人」(1節)であったのでしょう。そして、定住する牧者たちがいたのと同時に、教会から教会へと巡回して宣教する福音宣教者といわれる人たちがいたのです。「パウロとフィレモンとオネシモ」では、アルキポを福音宣教者と特定しましたが、使徒パウロもその一人であったのでしょう。

そのような巡回宣教者として、ヨハネ共同体から、イエス・キリストが肉体をとって来られたことを告白しない人たちが出ていったというのです。ヨハネ福音書1章14節に、「言(ことば)は肉となって、私たちの間に宿った」とあります。これは、このことがヨハネ共同体における大事な信仰告白であったことを意味しています。

その信仰告白に反し、それを告白せずに人を惑わす者たちが巡回宣教者の中にいて、教会間を行き来していると警告しているのが、この手紙なのです。手紙の書き手である「長老」は、私たちには初めから持っていた「互いに愛し合いなさい」という戒めがあるのだから、彼らには注意しなさいということを、この手紙において「選ばれた婦人」と呼ばれる人が牧会する教会に宛てて書いているのです。

問題視されている巡回宣教者たちは、イエス・キリストが肉体をとって来られたことを告白していません。それは、イエス様が十字架上で命(プシュケーという限りある命)を捨てることによって私たちを愛され、それ故に「私があなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」と言われたことを否定していることになります。手紙の書き手である長老は、それ故に彼らを「反キリスト」と言っています。

そして、「私たちが働いて得たものを失うことなく、豊かな報いを受けるようにしなさい」と書いています。これは、イエス様が言われた「朽ちる食べ物のためではなく、いつまでもとどまって永遠の命に至る食べ物のために働きなさい」という言葉をほうふつとさせるものです(ハンス・ヨーゼーフ・クラウク著『EKK新約聖書注解XXIII/2 ヨハネの第二、第三の手紙』82ページ)。

反キリストの人たちの教えは、朽ちて失われる食べ物のようなものでしたが、イエス様の教えは、朽ちない永遠の命に至る食べ物であり、それはイエス様の「私があなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」という言葉です。この手紙であれば、5節の「私たちが初めから持っていた戒め、つまり、互いに愛し合うということ」を実践することでしょう。

この手紙を読む私たちも、そうすることによって、「豊かな報い」を受けることができるのです。(続く)

<<前回へ     次回へ>>

◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:ヨハネの手紙二臼田宣弘
  • ツイート

関連記事

  • ヨハネ書簡集を読む(1)「真理と愛」―ヨハネ共同体の信仰訓― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(最終回)「愛弟子」―イエス様の復活(4)― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(72)「殉教者ペトロ」―イエス様の復活(3)― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(71)「弟子たちの信仰告白」―イエス様の復活(2)― 臼田宣弘

  • ヨハネ福音書を読む(70)「マグダラのマリア」―イエス様の復活(1)― 臼田宣弘

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 21世紀の神学(28)教皇の無謬性と聖母マリアの無原罪・被昇天の関係とは 山崎純二

  • 教皇レオ14世の就任ミサ、世界150カ国・地域から代表が参列 日本からは麻生元首相

  • カリフォルニア州のビーチで7752人が受洗、米国史上最大規模の合同洗礼式

  • 映画「空中の権威」が日本語字幕で視聴可能に 現代クリスチャンに警鐘鳴らす作品

  • 欧州福音同盟、新教皇レオ14世に祝意のメッセージ

  • 「司牧と行政の両方に深い知識と経験」 日本司教協議会会長、新教皇誕生でメッセージ

  • ドイツの大聖堂で「世界最大の聖書のページ」展示 グーテンベルク生誕625年記念で

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(222)心を癒やす祈りと賛美 広田信也

  • 聖書普及事業150年記念式典・レセプションの申し込み受け付け始まる

  • 世界では神を信じている人の方が多い 85カ国・地域9万1千人を対象に大規模意識調査

  • 21世紀の神学(27)プロテスタント教会側から見るローマ教皇 山崎純二

  • 教皇レオ14世の就任ミサ、世界150カ国・地域から代表が参列 日本からは麻生元首相

  • 映画「空中の権威」が日本語字幕で視聴可能に 現代クリスチャンに警鐘鳴らす作品

  • カリフォルニア州のビーチで7752人が受洗、米国史上最大規模の合同洗礼式

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(222)心を癒やす祈りと賛美 広田信也

  • 新教皇を選ぶコンクラーベ、いつ、何回目の投票で決まる? 181日間に及んだケースも

  • 21世紀の神学(28)教皇の無謬性と聖母マリアの無原罪・被昇天の関係とは 山崎純二

  • 世界では神を信じている人の方が多い 85カ国・地域9万1千人を対象に大規模意識調査

  • 欧州福音同盟、新教皇レオ14世に祝意のメッセージ

  • 聖書普及事業150年記念式典・レセプションの申し込み受け付け始まる

  • 新教皇を選ぶコンクラーベ、いつ、何回目の投票で決まる? 181日間に及んだケースも

  • 次期ローマ教皇の有力候補4人

  • 新ローマ教皇にプレボスト枢機卿、教皇名は「レオ14世」 初の米国出身者

  • ローマ教皇フランシスコの死去に対する日本国内の他教派の反応

  • 聖墳墓教会の床下発掘調査で貴重な発見、ヨハネ福音書の記述を裏付ける証拠に

  • 映画「空中の権威」が日本語字幕で視聴可能に 現代クリスチャンに警鐘鳴らす作品

  • 21世紀の神学(27)プロテスタント教会側から見るローマ教皇 山崎純二

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • フランスのカトリック教会、復活祭に成人1万人以上が受洗 昨年比45%増

  • カリフォルニア州のビーチで7752人が受洗、米国史上最大規模の合同洗礼式

編集部のおすすめ

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 後藤健二さん没後10年、追悼イベントで長女が映像メッセージ 「誇りに思っている」

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.