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ヨハネ福音書を読む

ヨハネ福音書を読む(12)「サマリアの女性」(4)―イエス様と弟子たちの会話― 臼田宣弘

2023年7月5日11時07分 コラムニスト : 臼田宣弘
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関連タグ:ヨハネによる福音書臼田宣弘
アンニーバレ・カラッチ「キリストとサマリアの女」(イタリア・ブレラ美術館所蔵)
アンニーバレ・カラッチ「キリストとサマリアの女」(イタリア・ブレラ美術館所蔵)

今回は、4章31節~38節を読みます。

私の食べ物

31 その間に、弟子たちが「先生、召し上がってください」と勧めると、32 イエスは、「私には、あなたがたの知らない食べ物がある」と言われた。33 弟子たちは、「誰かが食べ物を持って来たのだろうか」と互いに言った。34 イエスは言われた。「私の食べ物とは、私をお遣わしになった方の御心を行い、その業を成し遂げることである。

今回お伝えするのは、前回一つの出来事として成形した、サマリアの町でのお話に挟まれている、イエス様と弟子たちの会話です。この場面は、8節の「弟子たちは食べ物を買うために町に行っていた」と、27節の「その時、弟子たちが帰って来て、イエスが女の人と話をしておられるのに驚いた」に連続していて、ヤコブの井戸を舞台としていると考えられます。

弟子たちはイエス様に、自分たちが買ってきた食べ物を食べるように勧めました。しかしイエス様は、「私には、あなたがたの知らない食べ物がある」と言われたのです。ここで読者が考えると思えることは、サマリアの女性との会話の中で、イエス様が「この水を飲む者は誰でもまた渇く。しかし、私が与える水を飲む者は決して渇かない」(13~14節)と言われた「生ける水」と、ここで言われている「食べ物」が対応するのではないかということです。

しかし、ここで言われている「食べ物」は、イエス様が与える「生ける水」に対応するものではありません。ここでの「食べ物」は、それを食べることによって、イエス様ご自身が生きるものだからです。「生ける水」に対応するのは、6章27節以下に登場する「パン」です(ルドルフ・ブルトマン著『ヨハネの福音書』166ページ)。

イエス様は、「私の食べ物とは、私をお遣わしになった方の御心を行い、その業を成し遂げることである」と言われました。3章16節によれば、「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された」のですから、イエス様をお遣わしになったのは父なる神様です。では、その御心とは何でしょうか。ヘブライ書10章5~10節には、次のように記されています。

5 それで、キリストは世に来て、次のように言われたのです。「いけにえも供え物も、あなたは望まず、私のために、体を備えてくださった。6 焼き尽くすいけにえも清めのいけにえも、あなたは喜ばれなかった。7 その時、私は言いました。『御覧ください。私は来ました。巻物の書に私について書いてあるとおり、神よ、御心を行うために。』」

8 初めに、こう言われました。「いけにえや供え物、焼き尽くすいけにえや清めのいけにえを、あなたは望まず、喜ばれなかった。」 これらは、律法に従って献(ささ)げられるものです。9 次に、こう言われました。「御覧ください。私は来ました。御心を行うために。」 第二のものを立てるために、最初のものを廃止されるのです。10 この御心に基づいて、ただ一度イエス・キリストの体が献げられたことにより、私たちは聖なる者とされたのです。

ここにありますように、父なる神様の御心とは、イエス様が十字架において体をささげられることでした。イエス様は、十字架につけられることによって、ご自身の体をささげられました。つまり、弟子たちとの会話で語った「私をお遣わしになった方の御心」を行ったのです。そしてそれを行うことが、イエス様の「食べ物」であったのです。

また、ヨハネ福音書19章30節によるならば、イエス様は十字架上で「成し遂げられた」と言って息を引き取られました。つまり、弟子たちとの会話における「その業を成し遂げること」も果たされたのです。イエス様は、ここにおいてもご自身の食事をなされているのです。

イエス様の「食べ物」とは、「私をお遣わしになった方の御心を行い、その業を成し遂げること」を実現するための歩みであったのです。それは、メシアとしての使命を遂行されることでありました。

イエス様と弟子たちの会話は、サマリアの女性と町の人たちの会話、またイエス様のところへ向かう町の人たちの話と並行しています。町の人たちが問うているのは、イエス様がメシアであるかどうかです。そのような状況において、イエス様は、ご自身がメシアとしての働きをされていることを、弟子たちに語っておられるのです。

蒔く人と刈り入れる人

35 あなたがたは、『刈り入れまでまだ四か月ある』と言っているではないか。しかし、私は言っておく。目を上げて畑を見るがよい。すでに色づいて刈り入れを待っている。(36 聖書協会共同訳では36節を35節と一緒にしているがそうする必要はない) 刈り入れる人は報酬を受け、永遠の命に至る実を集めている。こうして、蒔(ま)く人も刈る人も共に喜ぶのである。37 『一人が蒔き、一人が刈り入れる』ということわざのとおりになる。38 私は、あなたがたを遣わして、あなたがたが自分で労苦しなかったものを刈り取らせた。ほかの人々が労苦し、あなたがたはその労苦の実りにあずかっている。」

弟子たちとの会話が続く中、イエス様のところにはサマリアの町の人たちが向かっています。人々がメシアを告白する時は近づいているのです。イエス様はそのことを、「すでに色づいて刈り入れを待っている」と、時が迫っている様を表しつつ語っています。

イエス様は続けて、「刈り入れる人は報酬を受け、永遠の命に至る実を集めている」と言われます。ここで言われている「永遠の命」とは、第8回でお伝えしましたように、「信仰を通して贈られた神の時や安定性にあずかること」を意味します。町の人たちから、その「永遠の命」に至る実を刈り集めるということでしょう。

問題は、町の人たちがまだ到着していないのに、既に町の人たちから「永遠の命に至る実を集めている」ように書かれていることをどう説明するかです。38節の「私は、あなたがたを遣わして、あなたがたが自分で労苦しなかったものを刈り取らせた」も、過去形になっていて不自然です。

これについての説明はさまざまですが、第5回でお伝えしたように、「ヨハネ福音書は、地上におられたイエス様の時代と、後のヨハネ共同体における時代という、2つの時代がしばしば交錯しながら進行していく」と考えるのがよいように思えます。収穫の出来事は、後のヨハネ共同体でのことかもしれません。

いずれにしましても、蒔く人はイエス様であり、刈り入れる人は弟子たちであるといわれています。そして、「蒔く人も刈る人も共に喜ぶ」のです。

4回にわたってサマリアの女性のお話をお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。精読してみると、このお話の魅力に取り込まれていくのではないかと思います。(続く)

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◇

臼田宣弘

臼田宣弘

(うすだ・のぶひろ)

1961年栃木県鹿沼市生まれ。80年に日本基督教団小石川白山教会(東京都文京区)で受洗。92年に日本聖書神学校を卒業後、三重、東京、新潟、愛知の各都県で牧会。日本基督教団正教師。2016年より同教団世真留(せまる)教会(愛知県知多市)牧師。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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