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聖ニコラスの生涯

サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(33)これにて勝て!

2025年11月26日20時14分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
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サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(1)孤児ニコラス+
聖ニコラスの肖像画(画:ヤロスラフ・チェルマーク)

ここはローマ郊外の野戦地である。戦いの準備万端を整えたローマの軍勢がいよいよ出発を始めた。先頭に立つのは、西ローマ帝国の副帝であり、軍隊の総指揮官をも務めるコンスタンティヌスだった。

夜通し悶々(もんもん)として彼は、ふと昔の友人であるミラの司教ニコラスのことを思い出し、彼に祈ってもらうことを心に決めたところ、明け方近く、不思議な夢を見た。ニコラスが信仰しているイエス・キリストが、彼にこう告げたのである。

「唯一の神であるわたしの教えに従うなら、あなたは明日の戦いに勝利するでしょう」。そしてギリシャ語でクリスチャンを表記する語の中で、「Χ」と「Ρ」を組み合わせた印をつけて戦いに出て行くことを命じたのだった。

目が覚めると、コンスタンティヌスは、直ちに兵士や将校を集めると命じた。「それぞれ盾に、今から自分がつけるのと同じ印を刻んでほしい。この印は、必ずや戦いを勝利に導いてくれるだろうから」

彼らは、コンスタンティヌス副帝が常に誠実であって、その言葉と行いに偽りがないことをよく知っているので、全員がその命令に服し、夜が明ける前に自分の盾にその印を刻みつけたのだった。

さて、夜明けとともに、いよいよコンスタンティヌスの軍隊はフラミニア街道を南下し、首都ローマに向かった。ティベル川と街道が交差する地点にかかるミルヴィウス橋の手前に平原が広がり、そこが戦場になるはずであった。

「マクセンティウスの軍は相当の数に上るようです」。将校がコンスタンティヌスに言った。「ここで待機して、やつらが来たら片っ端から切り捨てましょう」

この時、コンスタンティヌスの目は、兵士たちが盾に刻んだあの印に引きつけられた。天啓のように、彼の心にある作戦がひらめいた。

(これにて勝て――とは、キリストの精神をもってすれば、勝利するかもしれないということか。つまり、無駄な殺傷をなくし、血を流すことなく、敵が自滅するに任せればいいのだ)

そこで彼は、全兵士に告げた。「よく聞いてほしい。敵が押し寄せても、やたらに殺してはならない。それよりも、ティベル川の方向に追い込むだけでよい」。兵士たちは物足りないといった様子だったが、コンスタンティヌスの命に服した。

やがて、おびただしい数のマクセンティウスの軍勢がローマを出、同じフラミニア街道を北に向かって進軍してくるのが見えた。そして、ティベル川と交差する地点にあるミルヴィウス橋を渡り、こちらにやって来た。

彼らが平原までやって来たときに、待機していたコンスタンティヌスの軍勢が襲いかかった。そして両軍はぶつかり合った。コンスタンティヌスの部下たちは忠実に言いつけを守った。マクセンティウスの兵士たちを殺すことなくティベル川の河口まで追いやったのである。

ところがこの岸辺の葦の茂る湿地は、足をとられやすく、そこに追い込まれたマクセンティウスの兵士たちは身動きがとれなくなってしまった。彼らは恐慌をきたし、後から押し寄せる軍勢もろとも退却を始めた。

ここに恐ろしいことが起きた。川にかかるミルヴィウス橋に、前の軍と後の軍とが一緒に殺到し、身動きできない状態になってしまったのである。圧死する者が続出し、多くの者は苦しまぎれに武具をつけたまま次々とティベル川に飛び込んで溺死したのだった。マクセンティウスも同じ運命をたどった。

こうして、コンスタンティヌスと彼の軍勢は無駄な殺傷をすることなく、味方の兵士の一人も失われることなく、翌日ローマに凱旋した。市民は熱狂的にこれを迎えた。元老院は、コンスタンティヌスの功績をたたえ、彼を副帝から正帝に昇格させた上、彼の名前を刻んだ凱旋門を建てることを決定した。

しかし、コンスタンティヌスは勝利に酔っている間もなく、ミラノに向かった。ここで西ローマ皇帝のリキニウスと大切なことを協議することになっていたからである。

翌年の紀元313年6月。コンスタンティヌスとリキニウス両帝により「ミラノ勅令」と呼ばれる法令が発布された。これはキリスト教を世界に通用する宗教として公認し、信教の自由を世界に向けて許可したものであった。

そしてこの中で、コンスタンティヌス帝はクリスチャンに対して、没収されていた「祈りの場」を返還し、彼らが属していた「教会」や「司教区」が所有していた財産の全てをも返還することを命じたのであった。

*

<あとがき>

夢のお告げを信じたために戦いに勝利したという世界の為政者たちの話は数多くあります。中でも、コンスタンティヌス大帝が、「これにて勝て」というイエス・キリストによって示された印をつけて戦った結果、勝利したという逸話は、世界史の教科書にも載せられています。

この印というのは、ギリシャ語でキリスト教徒を意味する単語の中の「Χ」と「Ρ」を重ねた印で、この印を自分と部下が掲げて戦った結果、勝ち目のない戦いに大勝利がもたらされたのでした。

この時、既に心の中でイエス・キリストを信じるようになっていたコンスタンティヌスは、この印の中にイエス・キリストの精神を読み解きました。そして、「血を流すことなく敵を後方に追いやる」という無血の作戦によって戦いを勝利に導くことができたのでした。

実に、「悪しきものに手向かわず、かえって善をもって報いなさい」というイエス・キリストの教えは永遠に真実であります。

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◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)刊行。また、猫のファンタジーを書き始め、2012年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイで中・高生向けの信仰偉人伝の連載を始める。20年『ジーザス ラブズ ミー 日本を愛したJ・ヘボンの生涯』(一粒社)刊行。現在もキリスト教書、伝記、ファンタジーの分野で執筆を続けている。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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