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聖ニコラスの生涯

サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(34)教会も、町も生まれ変わる

2025年12月10日17時21分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
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サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(1)孤児ニコラス+
聖ニコラスの肖像画(画:ヤロスラフ・チェルマーク)

こうして「ミラノ勅令」が発布されて、キリスト教が公認されると、各地に散らされていた聖職者たちは、自分の区域の教会を再建するために帰ってきた。弾圧を逃れて寂しい土地に行き、洞窟や墓地などに身を潜めていたクリスチャンたちも、続々と郷里やそれまで住んでいた町に戻ってきた。

長い間散らされていて会うことのできなかった信徒たちは、喜びに顔を輝かせて抱擁し合い、互いの無事を感謝するのだった。

ニコラスとアペレも、晴れてミラの町に帰れることになり、長らく世話になったルキア州知事セルギオの屋敷にいとまを告げた。今では友人以上に親しくなっていたセルギオはじめ、屋敷の者たちとの別れはつらいものであった。

「このままずっとここにとどまってくれるといいのだが、まあ、仕方ないですな」。セルギオは、残念そうに言った。それから彼は2人を兵営に案内し、あの地震以来見ることがなかった地下の牢獄を見せた。

「記念として、こうやって入り口の扉を開けておくことにしたんですよ。今囚人は一人もいません。あの日以来、私は囚人に判決を下さなければならないときも、十分にその言い分を聞いてやり、でき得る限り量刑を軽くしてやっています。もちろん、拷問は一切行わず、死刑の代わりに労働をさせることで罪を償わせています。あなたからイエス様の話を聞いたあの日が、私にとって人生最良の日でした。イエス様は、地獄を天国に変えてしまわれるんですな。ごきげんよう。今後のあなたの活躍と健康を陰ながら祈っています」

「長い間お世話になりました。あなたの人徳が長く人々からたたえられ、末長く幸せに過ごされますように」。そしてニコラスは、昔アレクサンドリアでコンスタンティヌスからもらって以来、外すことがなかった金の鎖を首から外すと、セルギオの手に握らせた。

「今後もし危険な目に遭ったり、災いに巻き込まれたりしたときは、コンスタンティヌス帝の保護を求められるといい。――というのは、彼と私は、若い頃に出会って以来、親しい仲なんですよ」

知事は、目を丸くした。「ほう。すると、あなたがたはお友達というわけで」。そして、ほっと深いため息をついた。「いやいや。あなたと出会って以来、不思議な話ばかり聞いてきたが、この最後の日にみやげとして思いっきり驚かせてくれましたね。あなたの神様にはかないません」

知事は、自らニコラスの旅支度を手伝った後、信頼する兵士4人をつけて彼らをミラの町まで送ってくれたのだった。

さて、コンスタンティヌスが「ミラノ勅令」の中で約束した通り、破壊された教会堂や私宅には、これを修復するための補助金が出されることになり、また工事のために公共の機関から兵隊が派遣されて土台を作り始める光景があちこちで見られた。

ミラの町にも、教会堂を再建するためにローマ軍兵士がやって来た。その中に、ニコラスと同じくらい頑丈な体つきで、ひげ面をした見覚えのある兵士がいたので、彼は笑ってあいさつをした。すると、相手もニコラスのことを覚えていて、手を上げて敬礼した。「自分も正直言って、ああいうお役目はもうご免ですよ」。彼は言った。「壊すより、建て直す方がどれだけ気分がいいことか」

ニコラスは、念入りに刻んだりんごを入れたパンケーキを焼き上げると、それを労働に従事している兵士たちの所に運んできた。「さあ、ひと休みしてこれを食べてみてください。本職の菓子屋よりも、私は上手に作れるんだから」

彼らは大喜びで、ニコラス手製の菓子を頬張った。それから話し始めたが、それはもっぱら本国でも人気上昇中のコンスタンティヌス帝の自慢話だった。「あの方はローマ人からコンスタンティヌス大帝と呼ばれるようになったんですよ。われわれの誇りです」。一人はこう話すのだった。

それから2週間後。ニコラスは教会堂ができるまでの間、ギリシャの商業都市テサロニケに旅することになった。

彼はディオクレティアヌス帝の迫害によって故郷パタラが没落して以来、ずっとルキオ夫妻のために祈り続けていたが、風の便りに、ルキオが身柄をニコメディアからテサロニケに移され、その後釈放され、どうやら教会を建てたらしいといううわさを耳にしたからであった。彼はアペレと共に旅立った。

*

<あとがき>

一人の人間がクリスチャンになることによって、その影響がいかに多くの事柄に及ぶものであるか――私たちはしばしば驚かされます。一人が救われることによって周囲の人間関係を変え、時として関わりを持った権力者や国の運命さえ変えてしまうことがあるのです。

ニコラスの場合もそうでした。一人の孤児が成長して伝道者となり、やがて聖職に就いたことから、迫害者であるローマの地方総督の人格と生き方を変え、ローマ皇帝となるべき人物と友情を結ぶことによって影響を与え、「キリスト教公認」という大役を果たさせたのでした。そして、キリストの福音は世界の隅々まで伝えられることになりました。

実に神の国の働きは静かに、しかし確実に進められていくのです。キリスト教公認の勅令が出されることによって、教会は復興し、敵対する民族は和解し、そして異なる思想や宗教を持つ者同士は共存の道を模索し始めたからでした。

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◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)刊行。また、猫のファンタジーを書き始め、2012年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイで中・高生向けの信仰偉人伝の連載を始める。20年『ジーザス ラブズ ミー 日本を愛したJ・ヘボンの生涯』(一粒社)刊行。現在もキリスト教書、伝記、ファンタジーの分野で執筆を続けている。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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