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聖書と植物

聖書と植物(17)用途の広いいちじく桑の木 梶田季生

2023年4月24日11時20分 コラムニスト : 梶田季生
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関連タグ:梶田季生
聖書と植物(17)用途の広いいちじく桑の木 梶田季生+
いちじく桑の木

イチジク属は熱帯地域を中心におよそ900種ある大所帯です。葉はクロミグワの木、果実がイチジクに似ている故、「いちじく桑」といわれます。葉は卵形、基部はハートで、鋸歯(きょし)がなく全縁です。花はイチジクと同じ、隠頭花序です。果実はイチジクより小さく、太い幹に直接群がってつきます。傷をつけると乳白色の汁が出ます。葉と果実を牛に与えると乳量が増すといわれます。

いちじく桑はアフリカの北東部からアラビア半島に分布し、エジプトに多く自生するところから、エジプトイチジク(Ficus sycomorus L. 2n=26)といいます。

熱帯性です。イスラエルの民をエジプトから救い出すとき、神は十の災いを下しました。そのうちの一つに、寒さがありました。常緑樹ですが、ある寒さにあうと落葉性を示します。エジプトの王のかたくなさの故に限度を超え、「雹(ひょう)でぶどうの木を、霜でいちじく桑を枯らした」(詩編78:47、聖書協会共同訳)のです。エジプトにとって貴重な木だったからです。

いちじく桑は、旧約聖書に7回出てきます。木材としての利用に重宝されていました。材質は軟らかく、多孔質で腐りにくいので、古代のエジプトではミイラを収める棺にしました。また家具、ドア、箱などの貴重な材料となっていました。

聖書と植物(17)用途の広いいちじく桑の木 梶田季生
いちじく桑の果実(写真:Atamari)

ダビデ王は貴重な財産を管理する係を任命しました。その一つにいちじく桑がありました。ゲデル人バアル・ハナンが「シェフェラにあるオリーブの木といちじく桑の木を管理した」(1歴代誌27:28)のです。

ソロモン王は、神殿と王宮の建設には質の良い高価な材料を輸入して用いましたが、いかに多く使ったかについて、いちじく桑と比べて繰り返し記録されています。「王(ソロモン)はエルサレムで銀と金を石のように用い、杉の木(レバノン杉)をシェフェラのいちじく桑の木のように大量に用いた」(1列王記10:27、2歴代誌1:15、2歴代誌9:27)

さて、BC700年代の預言者アモスは、北イスラエルの王ヤロブアムへの裁きを語りました。その王に仕えるベテルの祭司アマツヤは「ユダの地に帰れ」とアモスを見下しました。それに答えてアモスは、毅然(きぜん)として言いました。「私は預言者ではなかったし、預言者の仲間でもなかった。私は牧者であり、いちじく桑の木を栽培していた」(アモス7:14)。彼は誇り高い農夫でした。羊や山羊などを繁殖させる育種家であり、いちじく桑の果実を取る技術者でもありました。彼の農場はベツレヘムから南東にある死海の方を臨むテコアでした。

このアモス書7章14節は、欽定訳聖書では「いちじく桑の果実を集める」と訳されています。この果実は自然のままでは完熟しません。幼果実に傷をつけて熟させるのです。傷つけた後は速く成長し、3、4日で収穫です。プリニウスは、その果実は「非常に甘い」でも「鉄製のかぎで、実にかき傷をつけなければならない」と記しています。ギリシャ語の七十人訳聖書では「いちじく桑にかき傷を入れる」としています。ここテコアでは食用のための栽培をしていたとみていたのでしょう。

いちじく桑の産地シェフェラは、地中海よりのペリシテの平地とその東側の山地との間の丘陵地です。そこでは、木材を産出する栽培がされていました。いちじく桑の木は、元の方でねじれて枝を多く出す性質があるため、適宜枝を払い、真っすぐな木にすることがここでの大切な作業です。アモスとは「重荷を負う者」という意味です。アモスは多くの技術者を抱え、木材と果実の両方とも手がけていたかもしれません。

聖書と植物(17)用途の広いいちじく桑の木 梶田季生
果実を実らせたいちじく桑の木(写真:אבישי טייכר)

新約聖書にはただ一度、歴史家ルカが福音書に記しています。ザアカイが登った木です。亜熱帯気候のエリコでの出来事です。

「彼はイエスがどんな方かを見ようとしたが、背が低かったので、群衆のために見ることができなかった。それで、先の方に走って行き、イエスを見ようとして、いちじく桑の木に登った」(ルカ19:3、4)

高さ約10メートルにもなる木ですが、根元の幹はねじれて多くの枝が出る、こぶの多い木です。貧しい人の食料になっていた、手入れをしていない道端の木です。木登りのしやすい木です。枝が四方に出る大きな樹冠をこんもりと作る常緑樹、自分の姿を葉の陰に隠して、イエスをじっくり観察するにはうってつけです。

取税人の彼には、友がおらず、冷たい目で見る人ばかりだったことでしょう。彼は寂しさと背の低い劣等感のただ中にありました。イエスを見たい、見たいと一途に思う心を、前方の街路にあったいちじく桑の木にかけたのでした。恥も外聞も捨ててよじ登りました。

するとどうでしょう。イエスの方から近づき、上を見上げ、「ザアカイ!」と名を呼ばれたのです。ザアカイの心の深みに応えてくださいました。

アモスは忙しく重要な仕事のただ中から、預言者としての専門教育を受けることなく召し出されました。南ユダから、北イスラエルへ。田舎から都会に遣わされました。ただ神を信頼し、神のメッセージを語りました。

ちょうど羊たちの性質やいちじく桑の木の特性を研究し、注意深く受け取って生かしたように、今、自分に新しく与えられたこの召しを重荷として優先し、働きに出かけたのです。アモスの忠実さを主は見ておられました。

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◇

梶田季生

梶田季生

(かじた・すえお)

1946年愛知県生まれ。66年に日本バプテスト宣教団津新町キリスト教会で受洗。学生時代はKGK(キリスト者学生会)で交流。68年に三重大学農学部農学科(育種)を卒業。72年に大阪聖書神学校を卒業後、池田キリスト教会伝道師。80年から南都農園(現ナント種苗)飛鳥育種農場で品種改良に従事し、メロン、カボチャ、大根を担当。農場長および宇陀育種研究農場長を経て退職。単立名張聖書キリスト教会元牧師、みえ洗足キリスト教会元協力牧師。このほど、聖書の視点から植物に託されたメッセージをひも解く『聖書の植物―草と木に託されたメッセージ』(イーグレープ、四六判・300ページ、税込2200円)を出版した。なぜイエスは人との関係をブドウに例えたのか、アーモンドはなぜキリストの復活の象徴なのか。実物のカラー写真を配置しながら、分かりやすい言葉で解説している。注文は、全国の書店・キリスト教書店、Amazon、または、イーグレープのホームページにて。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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