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聖書と植物

聖書と植物(12)何をささげますか 梶田季生

2022年9月9日18時35分 コラムニスト : 梶田季生
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聖書と植物(12)何をささげますか 梶田季生+
エンマー小麦

1. カインとアベル

アダムとエバの最初の2人兄弟の物語は、短いが有名です。

アベルは羊を飼う者となり、カインは大地を耕す者となりました。時が来て、2人とも主へのささげ物を持ってきました。主はアベルとそのささげ物に目を留められましたが、カインとそのささげ物に目を留められませんでした。

その理由は何でしょう。2人とも、自分の働きの実から一つをささげました。カインは大地の実りを、アベルは自分の羊の初子(ういご)の中から、肥えたものを持ってきました。羊か収穫物か、動物か植物かの違いによるのでしょうか。

ところで主は言われます。「世界とそれに満ちるものはわたしのものだ。わたしが雄牛の肉を食べ、雄やぎの血を飲むだろうか。感謝のいけにえを神に献げよ。あなたの誓いをいと高き神に果たせ」(詩篇50:12〜14)。神はただ、物を求めてはいないようです。

ダビデは大きな罪を犯したとき、告白しました。「まことに、私が供えても、あなたはいけにえを喜ばれず、全焼のささげ物を望まれません。神へのいけにえは、砕かれた霊。打たれ、砕かれた心。神よ、あなたはそれを蔑(さげす)まれません」(詩篇51:16、17)。

ダビデは、自分の心を見ておられる主にあらためて気付かされたのでした。アベルとカインのときも、例外ではありません。ささげる人の心とささげ物とが一つになっていることが鍵です。それは昔も今も、これからも変わりません。

さて、私たちは現在、旧約時代のように祭壇に動物などを屠(ほふ)ってささげることをしません。それは、キリストが十字架で血を流すことによって、旧約の律法に終止符を打たれたからです。実は、祭壇でささげられた動物の血は、その人の罪を贖(あがな)うためであり、また全ての人の罪を赦(ゆる)すためでありました。それは、父なる神の前に永遠に有効な贖いの代価として流されるキリストの血、すなわちキリストの十字架を指し示すひな型だったのです。

「・・・今、キリストはただ一度だけ、世々の終わりに、ご自分をいけにえとして罪を取り除くために現れてくださいました」(ヘブル9:26)。このように、キリストの十字架はあらゆる人の罪を取り除き、きよめるためのささげ物です。同時に、キリストがご自分をおささげになる主体者でもありました。

イエス・キリストは言われました。「だれも、わたしからいのちを取りません。わたしが自分からいのちを捨てるのです」(ヨハネ10:18)。十字架にかけたのは、表面的にはピラトであり、ユダヤ教の指導者ですが、実際は深い愛による父なる神であり、ご自分でした。キリストの十字架によるささげ物はイエスの意志でありました。

このささげ物が神に受け入れられたように、アベルの心のこもったささげ物をアベル自身として神はご覧になり、受け入れられたのです。ところが、カインのささげ物は形だけでした。聖書は言います。「主はアベルとそのささげ物に目を留められた。しかし、カインとそのささげ物には目を留められなかった」(創世記4:4、5)と。

アベルは初子の素晴らしさを経験的に知っていました。自分の羊の最初に生まれた初子の中から、よく肥えたものを心から選び、ささげました。アベルの名は「空」という意味といわれます。彼の空しい生涯を予見されたのでしょうか。自分を無にしてただただ主に心を注いだ生き方を表しているのでは、と思います。

新約聖書に取り上げられています。「彼(アベル)は死にましたが、その信仰によって今もなお語っています」(ヘブル11:4)。形だけでは不十分です。「歌をもって、私は神の御名をほめたたえ、感謝をもって、私は神をあがめます。それは、雄牛にまさって主に喜ばれます。・・・心の貧しい者たちよ、見て喜べ。神を求める者たちよ、あなたがたの心を生かせ」(詩篇69:30〜32)

カインはアベルをねたみ、それ故に怒り、自分ではどうしようもない激情にとらわれ、アベルを殺してしまいました。しかし彼が行動に出る前に、神はカインに罪を示し、心を神に明け渡すように導かれました。「もしあなたが良いことをしているのなら、受け入れられる。しかし、もし良いことをしていないのであれば、戸口で罪が待ち伏せている。罪はあなたを恋い慕うが、あなたはそれを治めなければならない」(創世記4:7)

2. ミンハー(穀物のささげ物)

さて、アベルとカインのささげ物を、ヘブル語でミンハーといいます。アベルは羊をささげ、カインは農作物をささげましたが、いずれもミンハーです。それは「贈り物」「犠牲または供え物」「貢物」などを広く意味する用語で、ささげ物の総称です。

神にささげる「穀物のささげ物」もミンハーといいます。その中心である小麦粉の質について、レビ記2章で添加物と共に詳しく述べられていますので、その心を見てみたいと思います。穀物のささげ物を、英語の欽定訳(KJ)では、ささげた小麦粉の状態をもって fine flour(細かい粉、上等の粉)または flour と強調しています。ある聖書学者は「野菜のささげ物」といっています。

3. 2種類の小麦粉

「穀物のささげ物」とも和訳されたミンハーは、旧約聖書に179回出てきます。そのうち66回は、材料の小麦粉に触れています。これには2種類あって、52回が「上等または細かい小麦粉」を意味するソレトが使われています。全て神へのささげ物ですが、和訳は「小麦粉」です。王のような場合のソレトは「上等または上質の小麦粉」と訳しています。

もう1種類は14回出ています。普通の「小麦粉」を意味し、原文ではケマハです。人への贈り物の場合です。例えば「ソロモンの一日分の食糧は、上質の小麦粉三十コル(6900リットル)、小麦粉六十コル(1万3800リットル)」(1列王4:23)です。特別に心を使うところがここにあります。

ソレトはほとんどがモーセ五書に出てきます。その内訳は、レビ記に14回、民数記に21回、申命記に5回、出エジプト記に2回、合わせて42回です。しかし、モーセ五書に2回だけケマハが使われています。

アブラハムは3人の客(ヘブル書では「み使いたち」と解説)を上等の小麦粉(ケマハ・ソレトと表現)でパンを焼き、もてなしました。恐らく、いわゆるソレトがなく、ケマハのうちからできるだけソレトのような粉に再度ふるい分けしたのではないかと思います。

もう1カ所は「大麦の粉(ケマハ・セオリーム、大麦の複数形)」(民数記5:15)です。この大麦が皮性であれば、穀粒を包んでいる穎(えい、ふすまの意)はノリで粒に付着している状態です。故に、ふすまも一緒に粉にされてしまいます。穀粒だけのきれいな、均一の細かい粉になりにくいです。だから、この大麦粉にはソレトという言葉を使うことができず、神へのささげ物でありながら、ケマハを使わざるを得なかったようです。このように、神にささげるとき、どれだけ畏れ、心を使ったかを見ることができます。

4. ふるい分ける

当時の小麦は、今、全世界で栽培されている小麦(普通小麦・六倍体)ではありません。現在一部で栽培されているマカロニ小麦(四倍体)とエンマー小麦(四倍体)でした。マカロニ小麦の穀粒は、包んでいる穎から離れやすく、手のひらの上で穂をもむだけで穀粒を取り出せます。

エンマー小麦の穀粒は、2つの穎によって固く包み挟まれていて、簡単には穎を離すことができないです。籾摺(もみす)りで容易に穀粒を取り出せない場合が多く、粉の中に粉々になった穎も混じります。穎の断片をふるい分けるにも、人の技術によって差がつくと思います。

穀粒と穎とを分離しやすいマカロニ小麦は、細かく均一にできたと思います。それで、口語訳では「細かい麦粉」(創世記18:6)と記しています。このように、恐らくマカロニ小麦は上質の粉に、エンマー小麦の方は普通の粉に、基本的には各付けされたと思います。

いずれにしても、夾雑物(きょうざつぶつ)をできるだけ除き、粗挽きよりもさらに細かくする心遣いは、どんなにその人を成長させるでしょう。

「人にではなく主に仕えるように、喜んで仕えなさい」(エペソ6:7)

5. 神へのささげ物

穀物のささげ物のささげ方です。材料の「上質の小麦粉」には、パン種(イースト菌)を入れません。罪を象徴するからです。粉にオリーブ油を注ぎ、乳香を添えます。オリーブ油は聖別と聖霊のきよめを、乳香は祈りを表します。祭司はその一部を祭壇の上で焼き、煙とします。

「これは主への食物のささげ物、芳ばしい香りである」(レビ2:1)。穀物のささげ物は、聖別と香りの祈りによる、人と神との人格的な交わりを表します。

「穀物のささげ物はみな、塩で味をつけなさい。穀物のささげ物に、あなたの神の契約の塩を欠かしてはならない。あなたのささげ物も、塩をかけて献げなければならない」(レビ2:13)。贖われた者と神との、キリストにある信仰の交わりが永遠、不変である証しです。

「イスラエルの子らが主に献げる聖なる奉納物をみな、わたしは、あなたと、あなたとともにいる息子たちと娘たちに与えて、永遠の割り当てとする。それは、主の前にあって、あなたとあなたの子孫に対する永遠の塩の契約となる」(民数記18:19)

それ故に、パウロは勧めます。「あなたがたのからだを、神に喜ばれる、聖なる生きたささげ物として献げなさい。それこそ、あなたがたにふさわしい礼拝です」(ローマ12:1)

「私たちはイエスを通して、賛美のいけにえ、御名をたたえる唇の果実を、絶えず神にささげようではありませんか」(ヘブル13:15)

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◇

梶田季生

梶田季生

(かじた・すえお)

1946年愛知県生まれ。66年に日本バプテスト宣教団津新町キリスト教会で受洗。学生時代はKGK(キリスト者学生会)で交流。68年に三重大学農学部農学科(育種)を卒業。72年に大阪聖書神学校を卒業後、池田キリスト教会伝道師。80年から南都農園(現ナント種苗)飛鳥育種農場で品種改良に従事し、メロン、カボチャ、大根を担当。農場長および宇陀育種研究農場長を経て退職。単立名張聖書キリスト教会元牧師、みえ洗足キリスト教会元協力牧師。このほど、聖書の視点から植物に託されたメッセージをひも解く『聖書の植物―草と木に託されたメッセージ』(イーグレープ、四六判・300ページ、税込2200円)を出版した。なぜイエスは人との関係をブドウに例えたのか、アーモンドはなぜキリストの復活の象徴なのか。実物のカラー写真を配置しながら、分かりやすい言葉で解説している。注文は、全国の書店・キリスト教書店、Amazon、または、イーグレープのホームページにて。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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