Skip to main content
2025年9月1日17時08分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 社会
  3. 全般
保育施設における虐待はなぜ起こるのか

保育施設における虐待はなぜ起こるのか(8)虐待って何だ?

2023年2月8日09時58分 執筆者 : 千葉敦志
  • ツイート
印刷
子ども/children/kids/幼稚園/kindergarten/保育園/nursery+
※ 写真はイメージです。(写真:ちーらごん / PhotoAC)

保育施設における虐待のニュースについて、私の周囲の人に聞いてみると、「あんなの虐待って言わないよ。昔はあんなものだった」と言う人から、「時代錯誤も甚だしい。許されない」と言う人までいろいろいました。

では、虐待とは一体何なのでしょうか。厚生労働省によると、虐待は「身体的虐待」「性的虐待」「ネグレクト(養育の放棄・怠慢)」「心理的虐待」に大別されています。しかし、ここで定義されている虐待は得てしてグレーゾーンを抱えています。これは重要な着目点です。つまり、「虐待であることを誰がどのように認定するのか」という問題があるのです。

具体的に言えば、私は幼い頃、近所のお兄さんに足を持たれて逆さづりにされることが好きでした。無論、誰からされても喜んだかと問われれば違うと思います。ここには、幼かった私と近所のお兄さんの間に無言の信頼関係があったのだと思います。そして、私の両親もその信頼関係を受け入れていました。だから、虐待にはならなかったのです。はっきり言えば、それを「虐待」だと言って問題にすることは、当事者に言わせれば「余計なお世話」ということです。

ある母親から以前相談を受けたケースですが、「知り合いに米国人がいて、彼女が私の赤ちゃんを抱っこしてキスをしたことが不愉快で仕方がないんです。それ以来、私は彼女には私の子を抱いてほしくはないんです」というものがありました。なるほど、母親からすれば「性的虐待」に見えたのかもしれません。しかし、彼女は彼女で悩んでいるのです。「親しい米国人の友達からすれば、子どもに対する愛情の証しであって、それ以上ではないはず」ということは十分理解していたようです。ただ、その後の心配が彼女を襲うのでしょう。

虐待は誰が認定するのか

ここで気付く人もいるかもしれませんが、「虐待を虐待として認定する」ことは、実は大きな困難を伴うのです。親からすれば、強く叱らなければならないときもあります。育児ストレスでわが子の顔を見たくないと思うときもあります。どんなに努力をしても報われないと涙することもあるでしょう。そんな感覚の時に、「私は虐待してしまうひどい親なんじゃないか」と思いつめてしまう人も多いのです。

そして、その思いが他者に向くことがあります。そうなると、「私は虐待を心配して心配して、最新の注意を払っているのに、あの人(保育者)は!」となるのも、無理はないかもしれません。「じゃあ、出るところに出て、虐待かそうでないかを決めてもらおうじゃないか」となると、もはや手の打ちようがありません。

得てして、「虐待に敏感な人」は、「果たしてわが子は誰と信頼関係を結んでいるのか、結ぼうとしているのか」という疑問と並走することが苦手な人が多いというのが私の感覚です。「わが子と自分は不可分である」という前提に立つことが親の第一歩ですが、その思いとは裏腹に発達過程においては1歳くらいから2歳くらいまでに「親子分離」が始まります。ここをどう保育の側でサポートしていくかが最初の岐路となります。

子どもの成長という神の奇跡

子どもの成長というのは不思議です。私の娘が自転車の補助輪を外したいと言ったときのことです。頑張っていましたが、倒(こ)けつ転(まろ)びつしながら相当苦労していました。しばらくして、「疲れたー」と満足げに帰ってきました。

「明日もやる?」「うん」

翌日はスイスイと乗りこなせるようになりました。子どもにとっては、睡眠も大事なのだと思わされた瞬間でした。彼らは、寝ているうちにその日に得た情報を整理統合して次の日に備えるのです。

保護者の心配に寄り添うために

行き詰まっている保護者は、「私たちが子育てで困っていることを保育施設はどう解決してくれるのか、どう支援してくれるのか」という思いになっており、直接的かつ直感的な答えを求めます。保育施設はこういう求めに対し、果たして答えを用意できるでしょうか。

保護者支援においては、保育施設内での様子を伝えるのと同時に、保育施設で行っている対処法を予め伝えておくことが重要です。そして、自信を持って(迷いのない姿で)それを伝える姿勢が大切です。保護者支援の要諦は、「そのうち、こういうことが起きますから、そういう時にはこういうふうにしましょう」といった感じの「子育ての予言」を行うことなのです。

保護者に家庭での出来事や様子を聞くだけでは後追いになってしまいます。たとえ保護者が困っていることを相談してきたとして、「あ、そういうことをしてはダメですよ。こうしましょう」とアドバイスしたとしても、「無理です」の一言で片付けられる場合が多いです。この場合は、カウンセリングの際によく使われる「ソクラテス式問答」は意味をなしません。カウンセリングを求めているというよりも、解決策を求めているからです。

子育ての予言

現代は、子育てに深い悩みを持つ保護者が多いです。さまざまな子育てマニュアルがネットを中心にあふれ、保護者の周囲にいる家族や友人なども多彩な子育て論を展開するからです。ひどい場合には、そうしたものが夫婦の間に割り込んでしまい、離婚の危機にひんすることもあります。

そんなさまざまな混乱から、その親子を救うためには、想定できる保護者の苦労とその解決法を予め、タイミングをつかみながら「予言」しておくことが、一つの手段なのです。自分の経験を中心にタイミングを見て、情報提供していくのです。

「もう少しすると、いろいろ欲が出てきてお母さんの言うことにそっぽを向いたりするようになりますよ。それは、お子さんの中に自立心が出てきた証拠です。寂しいかもしれませんけどね。そういう時には、捕まえてくすぐったり、スキンシップをしたりしてあげるといいですよ」

このような感じで、予め保護者が不安に陥りそうなポイントを「予言」しておくのです。これなら、個別にしなくても、クラス便りなどで伝えることができます。また、子育て経験のある保育者だったら、「うちもそうでした。でも、2週間もすると落ち着きますよ」などと、期間を明示してあげることも保護者にとっては力強く感じるものです。

保育施設が保護者との間に共通の子育て理念を打ち立てていくことは、卒園までの期間を有意義なものにします。また、そうやって育った保護者は、後輩保護者に対しても同じようにアドバイスができるようになります。(続く)

<<前回へ     次回へ>>

◇

千葉敦志

千葉敦志

(ちば・あつし)

1970年、宮城県生まれ。日本基督教団正教師(無任所)。教会付帯の認可保育所の施設長として、保育所の認定こども園化を実施。施設長として通算10年間、病後児保育事業などを立ち上げたほか、発達障害児や身体障害児の受け入れや保育の向上に努め、過疎地域の医療的ケア児童の受け入れや地域の終末期医療を下支えするために、教会での訪問看護ステーション設置などを手がけた。その後、これまでの経験に基づいて保育所等訪問支援事業を行う保育支援センターを立ち上げた。現在、就労支援B型事業所「WakeArena」を立ち上げ、地域の福祉増進を目指している。

  • ツイート

関連記事

  • 園児置き去りはなぜ起こるのか 日本の保育システムに根強く残る問題

  • 児童福祉法・児童虐待防止法の改正を受けて(1)チャイルド・プロテクション・チームから学べること 千葉敦志

  • 子どもたちをどう守るか―児童福祉の現場から(1)数字で見る虐待の現状と現場の実情

  • 【緊急提言】新型コロナウイルス感染症に対応するために

  • 牧師の小窓(169)子どもたちの霊的成長のための祈り 福江等

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(前半)悪魔の起源 三谷和司

  • 主キリストと共にある私たちの毎日 万代栄嗣

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(後半)救いの計画 三谷和司

  • ウクライナ、米大衆伝道者フランクリン・グラハム氏に勲章授与 人道支援を評価

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

  • ワールドミッションレポート(9月1日):リビア 砂浜に響く殉教者たちの祈り(5)

  • DVを受けた人のための礼拝「やすらぎ」 第1回、東京・吉祥寺で9月28日

  • 「森は海の恋人」の畠山重篤さん、気仙沼市の名誉市民に

  • 21世紀の神学(30)伊藤貫氏が提唱する古典教育とセオセントリズムの復権 山崎純二

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

  • 進藤龍也氏×山崎純二氏対談イベント「神様との出会いで人生が変わった」 埼玉・川口市で8月30日

  • 米福音派の重鎮、ジェームス・ドブソン氏死去 フォーカス・オン・ザ・ファミリー創設者

  • 花嫁(31)神に従う者の道 星野ひかり

  • 21世紀の神学(30)伊藤貫氏が提唱する古典教育とセオセントリズムの復権 山崎純二

  • 「森は海の恋人」の畠山重篤さん、気仙沼市の名誉市民に

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(前半)悪魔の起源 三谷和司

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(11)「苦しみ」が始まるまでの経緯(後半)救いの計画 三谷和司

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • 新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版

  • キリスト教徒が人口の過半数を占める国・地域、この10年で減少 米ピュー研究所

  • N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(10)「苦しみ」から「苦しみ」へ 三谷和司

  • 日本キリスト教協議会、戦後80年の平和メッセージ キリスト者の戦争加担にも言及

  • 福音派増えるベネズエラ、大統領が「マーチ・フォー・ジーザスの日」制定 全国で行進

  • 米カトリック教会で銃乱射事件 ミサ参加中の付属学校の子どもら2人死亡、17人負傷

編集部のおすすめ

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.