Skip to main content
2022年6月29日11時21分更新
Go to homepage
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 文化
  3. 映画

シリーズ20年の総決算にしてキリスト教的な「贖罪」の物語! 「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」(ネタバレなし)

2022年1月13日11時06分 執筆者 : 青木保憲
  • ツイート
印刷
シリーズ20年の総決算にしてキリスト教的な「贖罪」の物語! 「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」(ネタバレなし)+
©2021 CTMG. ©&™2021 MARVEL. All Rights Reserved.

まだマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)が存在しなかった2002年5月、ニューヨークの摩天楼を本当にスイングしているかのような浮遊感を味わえるヒーロー映画として、「スパイダーマン」が公開された。主演はトビー・マグワイア。当時はちょっと暗めの青年役をこなすことが多い演技派俳優だった。しかし、この一作で彼はスターダムにのし上がる。その後、同作の監督サム・ライミの手によって3作目まで製作された。しかし、4作目はキャスティング前に計画が頓挫。リブート企画として12年に復活するまで、「尻すぼみシリーズ」の典型として記憶されてしまうこととなる。

続くリブート作の「アメイジング・スパイダーマン」はもっと悲惨だった。主演は、映画「沈黙」で葛藤する神父役が印象的だったアンドリュー・ガーフィールド。前シリーズとの差異化を狙いながらも、オリジナリティーをうまく出せたとは言い難く、それなりのヒットを記録したにもかかわらず、2作目で留まり、3作目の製作は立ち消えてしまった。

その後はひとひねり加えられ、MCUの世界にアベンジャーズの「新人キャラ」として、スパイダーマンが16年の「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」に突如登場する。ここから本作「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」につながる、トム・ホランド演じる「親愛なる隣人」としてのスパイダーマンの物語が語られていく。17年の「スパイダーマン:ホーム・カミング」から始まった、このさらなる単体リブートシリーズは、19年に2作目「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」が公開。その後、マーベルとソニー・ピクチャーズとの確執が原因で続編製作が頓挫するという悲しいニュースもあったが、結果的に両社が和解することで3作目にして完結編となる本作が無事に公開の運びとなった。

シリーズ20年の総決算にしてキリスト教的な「贖罪」の物語! 「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」(ネタバレなし)
©2021 CTMG. ©&™2021 MARVEL. All Rights Reserved.

なぜこんなややこしい話を冒頭に持ってきたのかというと、「スパイダーマン」の物語(映画シリーズ8作品)がどれほど愛されてきたかを知ってもらいたかったことに加え、最終的に「リブート」という憂き目に遭うという意味では、いかに「呪われたシリーズ」であったかを理解してもらいたかったからである。

とはいえ、本作はそんな愛憎入り乱れたシリーズを見事に着地させ、しかも各々のシリーズの欠落点を最高の形で昇華させている。端的に言うなら、本作は「贖罪(しょくざい)」の物語である。映画製作という一大プロジェクトに関わったすべてのスタッフ、キャスト、監督の無念を晴らすとともに、物語上どうしてもビラン(悪役)として描かざるを得なかった人々(キャラクター)の怨念を浄化するという意味でも、文句のつけようのない「救い」を与えている。まだ公開中なので、一切のネタバレを控える(映画情報誌掲載程度)が、20年近くこのシリーズをリアルタイムでたどってきた筆者にとって、まさかこんな感覚にとらわれる映画人生が来るとは、というのが率直な感想である。

シリーズ20年の総決算にしてキリスト教的な「贖罪」の物語! 「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」(ネタバレなし)
©2021 CTMG. ©&™2021 MARVEL. All Rights Reserved.

本作が独特なのは、「マルチバース」という世界観を持ち出していることである。科学的な説明は省く(というか、そこに本作の力点はない)が、要するに「出会うはずのなかった人たちが出会ったらどうなる?」という「もしも」を一つの時空間の中に詰め込んだということである。この考え方は、クリスチャンならよくするだろう。例えば、故人について「今ごろ天国でイエス様と楽しく語り合っているだろう」と考えるのは、いわば信仰的想像物語である。確かにそんなことを想像するのはよいが、そうしたことのみをいつまでも考えてばかりはいられない。でも、それを思わずにはいられないのが信仰者の常であるとしたら、本作は大いに励ましとなるだろう。マルチバースは、クリスチャンにとっての「天の御国」のメタファーといってもいいだろう(このあたり、もう少し時間がたってからネタバレありで語りたい!)。

本作は、「スパイダーマン」シリーズのテーマ「大いなる力には、大いなる責任が伴う」を骨太に描き出している。それは、単にビランを倒すことで解決するわけではない。文字通り、悪「役」として演じてきたキャラクターにも人生があり、夢があり、希望があった。それを「役」の故に正義のヒーローによって殺されてしまう。だが作品が世に出れば、鑑賞した人々のさまざまな「思い」が作品に付いて回るようになる。そこに生まれる疑問、疑念、そして時として文句のような感想を、本作は救ってくれるのである。

シリーズ20年の総決算にしてキリスト教的な「贖罪」の物語! 「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」(ネタバレなし)
©2021 CTMG. ©&™2021 MARVEL. All Rights Reserved.

これなど、私たちが聖書を読む営みに似ている。何度も、何度も聖書を読む。そして「どうしてイエス様はこんな言動をするのか」とか、「この箇所、よく分からないな」、または「絶対にこんな展開はいやだ」と、難解さを感じたり、時には不条理感を伴った感想を持ったりするだろう。そしてある時、説教などで問題の箇所の解釈を聞く。すると今までよく分からなかった箇所が、別の聖書の箇所と連関させられることで、霧が晴れるように一気に納得へと導かれる――。そして最後に、神の計画、その知恵深さに感嘆させられ、心が洗われたような感覚にさせられる。

本作は、20年も続く「ピーター・パーカー(スパイダーマン)物語」の「負の感情」を一気に解放してくれる傑作である。シリーズのテーマ「大いなる力には、大いなる責任が伴う」を地で行くように始められたブロックバスター映画における未回収の問題を、しっかりと責任をもって回収し、昇華させている。もしかしたら、2022年最初にして最大の作品かもしれない。ぜひお早めに劇場へ!

■「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」予告編

■「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」公式サイト

◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士、11年)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

  • ツイート
▼関連記事を見る  ▼クリスチャントゥデイからのお願い

関連記事

  • 1人の青年の成長物語がいつしか「私たちの物語」に! 「スパイダーマン:ホームカミング」

  • 「スター・ウォーズ / スカイウォーカーの夜明け」(1)私とスター・ウォーズ

  • ヒーローとは何か? 福音的キリスト像の本質描き出す長編シリーズ完結編!「アベンジャーズ / エンドゲーム」

  • 映画『GODZILLA』が世界的なヒット ゴジラはなぜ “GOD” なのか?

  • 大ヒット中の映画「シン・ゴジラ」をキリスト教の宣教論から考えてみた!?(ネタバレあり)

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 米連邦最高裁「ロー対ウェイド」判決覆す、中絶の是非は各州の判断へ

  • バチカン銀行、21年の純利益は26億円 過去2年に比べ半減

  • 沖縄復帰50年 NCC、カトリック正平協が「沖縄慰霊の日」に声明、談話

  • 癒やしの信仰を拡大させよう 万代栄嗣

  • 神様のご計画の中を歩んでいるか 加治太郎

  • ハンガーゼロ、西南学院大が包括連携協定締結

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(76)聖書と考える「タクシー運転手さん一番うまい店に連れてって!」

  • 米南部バプテスト連盟、新議長にバート・バーバー牧師 1期で議長交代は数十年ぶり

  • 壊れやすい土の器に宝が! 菅野直基

  • スマホが動くのも量子力学のおかげ? 東工大名誉教授を講師にサイエンスカフェ

  • 米連邦最高裁「ロー対ウェイド」判決覆す、中絶の是非は各州の判断へ

  • 【対談企画】参議院全国比例区立候補予定者・金子道仁牧師ってどんな人?(1)日本のチャーチスクールを救いたい

  • 神様のご計画の中を歩んでいるか 加治太郎

  • 癒やしの信仰を拡大させよう 万代栄嗣

  • 【対談企画】参議院全国比例区立候補予定者・金子道仁牧師ってどんな人?(3)子ども8人のビッグダディ

  • スマホが動くのも量子力学のおかげ? 東工大名誉教授を講師にサイエンスカフェ

  • 沖縄復帰50年 NCC、カトリック正平協が「沖縄慰霊の日」に声明、談話

  • ルカ福音書を読む(11)「してほしいことを人にもしなさい」―新約聖書の黄金律― 臼田宣弘

  • ハンガーゼロ、西南学院大が包括連携協定締結

  • バチカン銀行、21年の純利益は26億円 過去2年に比べ半減

  • 【対談企画】参議院全国比例区立候補予定者・金子道仁牧師ってどんな人?(1)日本のチャーチスクールを救いたい

  • 必要なのは「キリストの基礎知識」 国分寺の教会が無料のオンライン聖書講座

  • 4K映像で再び劇場に!「ショーシャンクの空に」 キリスト教的世界観をベースに描き出された希望の寓話

  • 【対談企画】参議院全国比例区立候補予定者・金子道仁牧師ってどんな人?(3)子ども8人のビッグダディ

  • 【ペンテコステメッセージ】衰退し続ける教会の起死回生の決定打としての聖霊 手束正昭

  • ロシア正教会モスクワ総主教庁、渉外局長のイラリオン府主教を解任

  • ラムゼイ・ハント症候群告白のジャスティン・ビーバー「イエス様が僕と共にいてくれる」

  • トルコで巨大な地下都市跡発見、最大7万人居住 迫害下の初期キリスト教徒らが建設か

  • ニューヨーク便り(6)米国の大学で学びながら考えた「日本でクリスチャンが少ない理由」

  • 【対談企画】参議院全国比例区立候補予定者・金子道仁牧師ってどんな人?(2)教会は地方創生の鍵

編集部のお勧め

  • 【対談企画】参議院全国比例区立候補予定者・金子道仁牧師ってどんな人?(1)日本のチャーチスクールを救いたい

  • 被害者が加害者になる連鎖を断ち切るには? 「記憶の癒やし」のラプスレー司祭が講演

  • 必要なのは「キリストの基礎知識」 国分寺の教会が無料のオンライン聖書講座

  • 教会でウクライナ支援コンサート、現地で難民支援するハンガーゼロのスタッフが報告

  • ひとり子を十字架につけられる程の愛 小坂忠

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 論説委員・編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2022 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.