コロナ時代のネット伝道、説教に求められる「脱教会用語」

2020年5月29日22時59分 印刷
+コロナ時代のネット伝道、説教に求められる「脱教会用語」
※ 写真はイメージです。(写真:Matt Botsford)

新型コロナウイルスの広がりにより、多くの教会が感染防止策としてこの期間、オンライン礼拝に切り替え、さまざまな教会の礼拝説教がインターネット上で誰でも手軽に聞けるようになった。こうした中、米国の宣教学者は、教会外の人々により良く伝道するため、教会はいわゆる「教会用語」を避け、より未信者を意識したメッセージを伝える必要があると指摘する。

北米地域の伝道と教会開拓に取り組むシンクタンク「センド研究所」は今月初め、「教会による宣教とリーダーシップの未来」(英語)と題したオンラインセミナーを開催した。その中で、北米ローザンヌ委員会副委員長で米ホイートン大学ビリー・グラハム・センター副センター長のジョシュア・ラクストン氏が、新型コロナウイルス禍において変化が求められている教会の宣教について語った。

ラクストン氏は、特に多くの教会がオンラインのみで礼拝をささげている今のような状況においては、ソーシャルメディアを「イエスと近くない人々との関わりを持つためのプラットフォーム」と認識する必要があると語った。

「私たちは『モノリンガル』、つまり『教会用語』と呼ばれる一つの言語しか話せない状態から、『バイリンガル』、つまり未信者の人たちが使う言葉によって話すこともできるように変化しなければなりません。私たちは教会用語を使うのは上手です。私たちは、教会内の人々に対して語り掛けることに関してはうまくやっていますが、未信者に対して語り掛けているでしょうか。それが問題なのです」

ラクストン氏は一例として、神学的な言葉や表現を何の説明もなしに使ってしまうことを挙げた。

「先週の日曜日、ある説教者が『神は誰が救われるかを決められるのです』と語るのを聞きました。これは多くの意味を含む言葉ですが、彼はそのまま別の話題に移っていきました。イエスと近くない人、またクリスチャンになりたての人のことを考えるなら、このような神学的な話をする際には、恐らくそれを説明するのが一番良いことでしょう」

ラクストン氏はまた、「バイリンガル」になるための良い方法の一つとして、説教者が映画やテレビ番組、歌謡曲、個人的な体験談などを用いることで、「伝えたいポイントを色付け」することだと語った。「(聞く人が)定義を質問しなければいけないほどの複雑な言葉を使って、聴衆に感銘を与えようとしないようにしてください。信仰者だけでなく、すべての人に話し掛けるよう心掛けるのです」

ラクストン氏はまた、説教を「注解書みたいなものより、もっと個人が適用しやすいもの」にし、「長年の信仰者」と「求道者」それぞれにバランスよく通じるようにする必要も語った。

オンラインセミナーには、センド研究所のダニエル・ヤン所長も登場した。ヤン氏は、今回の新型コロナウイルスがある意味、すべての教会に「全面改装」や「再スタート」を強いることになったとし、それは単に状況を向上させるために技術をどう利用するかという以上のものだと語った。

ラクストンとヤンの両氏は、新型コロナウイルスの結果起きた米国における宣教の方法のさまざまな変化を挙げ、それらを「個人」「スモールグループ」「教会」「地域社会」という4つのカテゴリーに分類。さらに各カテゴリーが他のカテゴリーに影響を与えていることに注目した。

ヤン氏は「これを機会にして家庭礼拝を充実させるべきだ」と指摘。P・C・マシュー著『宣教的な家庭になる』(原題:Becoming a Missional Family)の実践を勧めた。

新型コロナウイルスに伴い教会が閉鎖されたことは、教会の恒久的変化を示すかとの問いに、ラクストン氏は「そうとも言えるし、そうでないとも言える」と回答。今回の事態により、メガチャーチや「消費者志向の教会」が終焉(しゅうえん)を迎えるとする見方には否定的な考えを示した。

「私は消費者志向の教会は、今も健在だと思います」とラクストン氏。「(礼拝のオンライン化で)過去2カ月間に礼拝の内容や形式、アクセス方法などにさまざまな変化が生じ、これまで以上に多くのコンテンツが消費されるようになっていると思います」と語った。

また、「メガチャーチがなくなるわけではありません。(第1次世界大戦中の1918年に始まった)スペイン風邪(インフルエンザ)で大規模な集会がなくならなかったのなら、新型コロナウイルスにおいてもなくならないでしょう」と続けた。

大規模集会の制限緩和に伴う教会再開の時期について問われたラクストン氏は、教会は「激動の時代」を迎えるかもしれないと語った。「教会の再開を決定しても、一部の教会員がそれを気に入らない場合、彼らはより安全な教会に行くでしょう。その逆も同じです」

ラクストン氏はまた、「スモールグループが幾つかある教会」から「複数のスモールグループで構成される教会」へと、スモールグループが主体となる教会にシフトする必要があるとの考えを示し、その中でも聖書の学びを中心としたスモールグループが、その要となっていなければならないとした。

ヤン氏は、スモールグループの重視に同意しつつ、「(牧師などの)教会のリーダーたちと、スモールグループのリーダーたちを集めて、一緒に宣教的なプロジェクトを実施するべき」だと勧めた。

その一方で、「突然、リーダーたちを任命して聖書の学びを突発的に始めるようなことはしないでください」と注意。「(スモールグループの)リーダーたちを何カ月か教会周辺の住民のための奉仕に当たらせてください。人々と触れ合うことで感覚を養い、体で覚えさせるためです」と語った。

「大規模集会などが行われていない今この時に幾分かのエネルギーを使って、スモールグループのリーダーたちと共に奉仕する経験を持ってください。そうすることで彼らは、家庭以外でリーダーシップを取ることが、どのようなものであるかを学ぶでしょう」

※この記事はクリスチャンポストの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。一部、加筆・省略など、変更している部分があります。

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