Skip to main content
2025年9月18日19時20分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
新・景教のたどった道

新・景教のたどった道(19)唐代景教最初の宣教師、大秦国の阿羅本について 川口一彦

2019年10月10日21時25分 コラムニスト : 川口一彦
  • ツイート
印刷
関連タグ:川口一彦

唐代景教最初の宣教師、大秦国の阿羅本について

新・景教のたどった道(19)唐代景教最初の宣教師、大秦国の阿羅本について 川口一彦

阿羅本は大秦國の人で読みは不明。アラホン、アラベン、アブラハム、アルワーン、アロペン、ラバンなどの読みがあります。ペルシアからシルクロードで入唐した景教徒初代宣教師。生没年は不詳。

景教碑文には唐の太宗皇帝(598〜649、在位626〜649)の時代に阿羅本が大秦国から来唐し皇帝に会い、景教を伝えたとあります。阿羅本の肩書は大徳・上徳、大法主とあり、大法主はトップのリーダー大主教のこと。大徳は12冠位の最高位で皇帝に接見できる立場で、皇帝に景教を伝えて後に受けた冠位と考えられます(日本人では小野妹子が大徳の冠位を受けました)。

景教碑には他に大徳の肩書がつく大徳及烈、大徳曜輪もいます。

新・景教のたどった道(19)唐代景教最初の宣教師、大秦国の阿羅本について 川口一彦

では大秦国とはどこの国かですが、一般には東ローマ帝国を指し、その属国であるユダヤとも言えます。大秦景教宣元本経に「大秦国那薩邏」ナザレと漢文で書かれており、ユダヤの地を指して言っているとも言えます。初期の景教徒たちは、遠く西アジアから極東の東アジアに来ました。

阿羅本一行は、大変険しく困難な中、宣教目的地のアジア最大の国、中国を目指し、福音を伝える使命を持ってやってきました。彼らが真経(聖書)と像(メシア画のイコンか?)を携え、太宗皇帝に献上したのが635(貞観9)年のことです。

中国の史書、『唐会要』(961年に完成)巻49大秦寺の項には、「ペルシア僧の阿羅本が遠く経と教えを携えて京(長安)に来る」とあり、像は記述していません。

新・景教のたどった道(19)唐代景教最初の宣教師、大秦国の阿羅本について 川口一彦

それでは、阿羅本が皇帝に何を献上し何を語ったのかが問われます。この2つの文献からは、経・教・像の3点が挙げられます。経は聖書で、教は聖書や景教の教えの教理書で、像は碑文にしか見られませんがイコンと考えられます。イコンは聖画像のことで、特にメシアの聖画であろう。イコンはギリシア語でエイコーン・神の似姿で、神の真の似姿は神の御子イエスであり、メシアを画にして救いを想起したのであろう。現在もメシアの聖画がキリスト教書店で売られています。

碑文には、阿羅本一行は太宗皇帝に会い、3年間、書殿で経である聖書を翻訳し、皇帝自身に道(景教の教え)を伝えたとあります。皇帝は道を聞いて良く知り得た結果、正式に伝道を許可しました。それが638年のこと。

900年代に作成し完成した『唐会要』は何を底本に記述したのか。第一は景教会に残されていた景教碑と碑を撰述するに当たっての書物なのか。第二は皇帝側に保存されていた記録書なのか。初代宣教師と皇帝や大臣級の人物との3年間の質疑応答の記録書があるはずと考えると、その発見に期待したい。

中国宋代(960〜1279)に敦煌の石室で発見された『序聴迷詩所経』(636年ごろの作)と『一神論』(642年ごろの作)は阿羅本の作と考えられ、内容から見て、長安の翻訳書殿で翻訳の推敲中、未完成のものと思われます。もちろん阿羅本一人だけが作成に取り掛かったのでなく、複数のペルシア人の景教徒随行者か、現地語に精通したソグド人の景教通訳者たちがいたことは当然考えられます。

景浄が著した「尊経」の末尾には「阿羅本」の名があります。太宗皇帝の時代の貞観9年に西域の大徳僧、阿羅本が、中国に来て翻訳したものを皇帝に献上したことが書かれています。530部が翻訳されていて、30部余りを景浄が翻訳し、ほか多くの訳していないものがあると書いています。しかし、ここには一神論や序聴迷詩所経が書かれていないのが不思議です。

出典は景教碑、唐会要、尊経。

<<前回へ     次回へ>>

※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)
旧版『景教のたどった道―東周りのキリスト教』

◇

川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

1951年、三重県松阪市生まれ。愛知福音キリスト教会宣教牧師、基督教教育学博士。聖書宣教、仏教とキリスト教の違い、景教に関するセミナーなどを開催。日本景教研究会(2009年設立)代表、国際景教研究会・日本代表を務める。季刊誌「景教」を発行、国際景教学術大会を毎年開催している。2014年11月3日には、大秦景教流行中国碑を教会前に建設。最近は、聖句書展や拓本展も開催している。

著書に 『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年)、『仏教からクリスチャンへ―新装改訂版―』『一から始める筆ペン練習帳』(共にイーグレープ発行)、『漢字と聖書と福音』『景教のたどった道』(韓国語版)ほかがある。

【川口一彦・連絡先】
電話:090・3955・7955 メール:[email protected]

フェイスブック「川口一彦」で聖句絵を投稿中。また、フェイスブック「景教の研究・川口」でも情報を発信している。

■ 【川口一彦著書】(Amazon)
■ 【川口一彦著書】(イーグレープ)

■ HP:景教(東周りのキリスト教)
■ フェイスブック「川口一彦」
■ フェイスブック「景教の研究・川口」

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:川口一彦
  • ツイート

関連記事

  • 新・景教のたどった道(18)中央アジアの遊牧民と景教徒ソグド人 川口一彦

  • 新・景教のたどった道(17)敦煌で発見された景教文書について 川口一彦

  • 新・景教のたどった道(16)唐代中国の敦煌で発見された景教徒の壁画と古文書 川口一彦

  • 新・景教のたどった道(15)マニ教と景教 川口一彦

  • 新・景教のたどった道(14)高昌においてシリア語による降誕賛美礼拝をしていた景教徒たち 川口一彦

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「日本イスラエル・クリスチャン交流会」が発足、世界62カ国に広がる議員ネットワーク

  • 花嫁(33)愛には恐れがない 星野ひかり

  • 後藤文雄神父死去、96歳 カンボジア難民の子ども育て、学校建設に尽力

  • 右も左もわきまえないやから 穂森幸一

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(28)ニコラス司教逮捕される

  • ワールドミッションレポート(9月18日):パプアニューギニア イースターは1日じゃない、1カ月続くリバイバルだ

  • キリストの心と思いが与えられている恵み(3)神の御霊と一つ 加治太郎

  • 主につながり、人々を主につなげよう 万代栄嗣

  • 「日本イスラエル・クリスチャン交流会」が発足、世界62カ国に広がる議員ネットワーク

  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • 「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 後藤文雄神父死去、96歳 カンボジア難民の子ども育て、学校建設に尽力

  • 石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(12)「苦しみ」から「光」へ 三谷和司

  • 「日本イスラエル・クリスチャン交流会」が発足、世界62カ国に広がる議員ネットワーク

  • 「世界で最も優しい裁判官」 フランク・カプリオさん死去、敬虔なカトリック信者

  • 米保守派活動家で熱心なクリスチャンのチャーリー・カーク氏、イベント中に射殺される

  • 石破茂首相が退陣表明、15年ぶりのクリスチャン首相

  • 「信教の自由を脅かす」 旧統一協会の解散命令巡り特別集会、西岡力氏らが登壇

  • 牧師を辞めた理由は? 元牧師730人を対象に調査 現役牧師や信徒へのアドバイスも

  • キリスト教に回心したウィキペディア共同創設者、所属教会を発表

  • 「聖書を読まなかったら、今の自分はない」 元ヤクザの進藤龍也氏と山崎純二氏が対談

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • ウェールズ聖公会、首座主教にレズビアンの女性主教選出 保守派からは強い批判の声

編集部のおすすめ

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「罪のない赤ちゃんを殺さないで」 東京でマーチフォーライフ、中絶の問題を訴え

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.