プロボクサーの村田諒太、息子への手紙で新約聖書の「タラントのたとえ」

2019年7月16日23時54分 印刷
+プロボクサーの村田諒太、息子への手紙で新約聖書の「タラントのたとえ」
村田諒太=2017年(写真:Ogiyoshisan)

ロンドン五輪金メダリストのプロボクサーで2児の父親でもある村田諒太(33)が、長男・晴道君(8)に宛てた手紙で、新約聖書に記されているイエス・キリストが語った「タラントのたとえ」を引用した。

エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)で12日に行われた世界ボクシング協会(WBA)世界ミドル級タイトルマッチ12回戦に臨んだ村田は、晴道君を自身の試合に初めて招待。試合会場で父が戦う姿を初めて生で見た晴道君に、その将来を励ます温かい手紙を送ったとして、日刊スポーツ紙が手紙の内容全文を伝えた。

村田は、「少し前に話したと思うけれど、新約聖書の話で『タラントのたとえ』の話は覚えているかな?」と切り出し、新約聖書のマタイによる福音書25章14~30節に記されているたとえ話の内容を伝えた。

タラント(タラントン)は、ギリシャで当時用いられていた通貨などの単位で、6千デナリ(デナリオン)に相当する。1デナリはローマの銀貨で、当時の1日分の賃金に相当した。そのため、1デナリを1万円と仮定すると、1タラントは6千万円に相当し、かなりの金額となる。

タラントのたとえでは、旅に出た主人が3人の僕(しもべ)に、自分の財産をそれぞれの能力に応じて、5タラント、2タラント、1タラントずつ預ける。5タラント、2タラントを預けられた僕2人はそれぞれ商売をし、5タラント、2タラントを稼ぎ、財産を2倍に増やす。一方、1タラントを預かった僕は、失うことを恐れて地中に埋めてしまう。

旅から戻ってきた主人は、預けた財産を2倍に増やした僕たちを「忠実な良い僕だ」と褒めた。しかし、1タラントを地中に埋めて何もしなかった僕は「怠け者の悪い僕だ」と叱咤し、持っていた1タラントまで、財産を10タラントに増やした僕に与えてしまう。

村田は、このたとえ話を「神さまは与えられた『賜物』をそれぞれどのように使うのかを見ているという話だったよね」と説明。そして次のようにエールを送った。

「タラントは、持って生まれた人の能力のことだと思うよ。晴道の爺には優しさのタラントがあるよね。やっぱりパパはボクシングになるかな。晴道のタラントは何だろう? パパは今日、タラントをたくさん使ったと思う。これからもボクシングを頑張るから、これから晴道も自分のタラントを見つけていこうよ。ずっと見守っているから」

タラントは、村田の言うとおり、主人が僕たちに、その能力に応じて与えたと書かれていることから、英語の “talent”(才能・能力)の語源となっている言葉でもある。

村田はこの日、昨年10月に米ラスベガスで行われた2度目の防衛戦で負けた米国のロブ・ブラント(28)と再戦。2回TKO勝ちし、王座に返り咲いた。

一方、村田がキリスト教に関わる話をするのは、これが初めてではない。今年1月には自身のフェイスブックで、桃山学院大学社会学部の滝澤武人教授による著書『イエスの現場』を紹介。金持ちが多額の金を賽銭(さいせん)箱に投げ入れる中、貧しいやもめが全財産であるレプタ銅貨2枚を投げ入れるのを見て、イエスが「この貧しいやもめは、賽銭箱に入れている人の中で、だれよりもたくさん入れた」と話す内容を引用した。

これは、新約聖書のマルコによる福音書とルカによる福音書に記されている話だ。レプタ(レプトン)は、新約聖書に登場する最小の銅貨で、1デナリの128分の1の価値に相当する。先の仮定で計算すれば、1レプタは80円弱。

村田は「イエスは弱い立場に徹底的に立った」「自分自身に問うと、慈善活動や社会貢献と言っても、やっていることはこの富裕者層に過ぎないのではないか」などとコメント。その一方で、「綺麗事を言うならすべてを富なき人に分け与えよ、そんなことを思ってしまいますが、自分たちがやれることをやっていこう」「自分の出来る範囲で最大限の奉仕をしていこう。他人は関係ない、それこそが自分らしさなのだろう」などとつづっていた。

また、昨年7月には同じくフェイスブックに、感銘を受けたという神父の言葉を投稿。「『心にゆとりを持ちましょう。ちゃんと休みましょう。人を恨んだり、ねたんだりする気持ちがゆとりをなくします』。今の社会はこの2つで動いている感じですもんね。自分を愛していればこんな気持ちにはならないかなと。自分を省みる言葉でした」などと書いていた。

この他、同年8月には、毎日新聞掲載のコラム「改善主義」の中で、次のようにもつづっている。

「相変わらず慌ただしく過ごしています。ただ、最近、どうやったら慌ただしさから抜け出せるかを見いだしました。無理やり休む時間を作ることです。自ら能動的に休みを作らない限りは『まず休めることはない』と痛感しています。キリスト教の聖職者が『忙しい時ほど教会にきてください』と言っていたことなどを思い出しています」

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