西日本豪雨、各教団が被災状況を報告 キリスト教団体の支援始動

2018年7月12日20時24分 印刷
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岡山市東区南古都の平島健康福祉委員会の要請により、パンの缶詰600食分などを届ける日本国際飢餓対策機構のスタッフ(左)=12日(写真:同機構)
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12日午後までに200人に上る死者が出ている西日本豪雨について、キリスト教の各教団・教区は、公式サイトなどで被害状況を相次いで報告している。それによると、人命に関する被害はこれまでのところ報告されていないが、床上浸水した教会もあり、信徒の中には自宅が浸水し救助後に入院した人もいた。一方、キリスト教系の支援団体はすでに被災地に入り、物資を届けるなどの活動を行っている。

カトリック教会

最も多くの犠牲者が出た広島、岡山の両県を管轄するカトリック広島教区は11日、教区の情報サイトで被害状況を報告した。それによると、同教区内の教会や修道院、幼稚園施設などへの直接的な被害は、11日時点で11件あった。建物自体が大きく破損した報告はないが、一部の教会が断水しており、園庭が陥没した幼稚園もあったという。また、ノートルダム清心女子大学(岡山市)では、学生教職員40人以上が、家屋の流失や水没、床上浸水などの被害を受けた。

同教区災害サポートセンターは9日に会合を開催し、その後、被害の実態調査や情報収集を行っており、13日夕に会議を開催する。同センターとしてボランティアや物資の募集を行うかは検討中で、詳しい情報は教区のホームページで告知するという。

カトリック教会では、カリタスジャパンが被災者のための緊急救援募金を受け付けており、被災教区と連携して行う救援活動に用いるとしている。また、ローマ教皇フランシスコは9日、被災者に哀悼を示すとともに、救援活動を行う人々を励ます電報を日本の司教団宛てに送付。日本の司教団も12日、被災者へ向けたメッセージを発表した。

日本基督教団

日本基督教団社会委員会は、12日から緊急救援募金の受け付けを開始した。同教団内では特に、東中国、西中国、四国の各教区で被害があったという。このうち、東中国教区(岡山県、鳥取県)は教区サイトで、被害状況を詳しく報告している。それによると、倉敷教会(岡山県倉敷市)に通う信徒の中には、同県総社市の化学工場爆発の影響で自宅の窓ガラスが破損、その後河川の氾濫により1階部分が浸水する被害にあった人もいた。その信徒は救出後に入院し、11日現在、教会と連絡を取り合っているという。

日本聖公会

被害が集中した広島、岡山、愛媛の各県を含む10県を管轄する日本聖公会神戸教区は9日、被災者支援室を立ち上げた。同室のフェイスブックには、陥没した道路に落ちてしまった消防車や、土砂で覆われた東広島市安芸津町中心部の写真などが投稿されている。11日には気温30度以上の中、教役者と信徒5人が泥出し作業を行った。

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泥だらけになっている倉敷市真備町地区の道路=11日(写真:同機構)

日本バプテスト連盟

日本バプテスト連盟は10日、被害が出ている中四国連合からの報告を公式サイトに掲載した。それによると、同連合内では1教会で床上浸水と雨漏り、1教会で床下浸水、3教会で雨漏りの被害があり、駐車場に泥が流入した教会もあった。

同連盟は、被災教会に対して被災状況に応じて「災害救援引当金」や「教会特別支援・緊急支援」による支援を用意している。緊急募金はまだ受け付けておらず、十分に被害状況を把握してから実施の有無を決め、全国に呼び掛けるとしている。

日本福音ルーテル教会

日本福音ルーテル教会は11日、ニュースブログで所属教会のほか、他のルーテル派教団の被災状況を報告した。それによると、10日時点で広島教会・呉礼拝所(広島県呉市)の関係者のほとんどが断水状態だという。また同礼拝所に通う一人暮らしの女性は、自宅の1階部分がほぼ浸水した。呉市に通じる陸路はほぼ不通の状態だったため、同教会の牧師が11日朝、ボートを使って海路から呉市に入ったという。現在、陸路再開後すぐに支援を行えるよう必要物資を調達している。

近畿福音ルーテル教会、西日本福音ルーテル教会、フェローシップ・ディコンリー教団の他の各ルーテル派教団については、西日本福音ルーテル教会の玉島教会(倉敷市)が床下浸水したのみで、他はいずれも教会、信徒に大きな被害はないという。一方、玉島教会は、同市真備町地区の被災者支援のために、日本福音ルーテル教会九州教区から高圧洗浄機4台を受け取った。現在、どのようなルートで同地区に届けるか検討中だという。同地区在住で教会まで取りに来ることができる人がいれば、すぐに貸し出すことができるとし、フェイスブックで案内している。

日本同盟基督教団

日本同盟基督教団は11日、西日本豪雨災害対策本部を設置した。10日に発表した被災状況の第一報によると、同教団内では1教会の信徒宅が浸水した程度で、大きな被害はなかった。社会厚生部では緊急募金の実施を検討しており、今後、被災地で活動する現地教会やキリスト教支援団体から要請があれば、募金や物資の供給、ボランティア派遣などに応じていくという。

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被災した倉敷市の真備中学校(写真:同機構)

イムマヌエル綜合伝道団

イムマヌエル綜合伝道団災害対策委員会が教団サイトで発表したところによると、インマヌエル呉キリスト教会(呉市)は建物自体に大きな被害は出ていないが、現在「陸の孤島」状態だという。呉市内では多くの地域で断水が続いており、呉教会では水が出るものの異臭がする。教団としては現時点で募金や支援は行っていないが、諸団体から要請があり次第伝えるとしている。

一方、同委によると、広島地域の福音派教会で構成される広島宣教協力会は10日、ボランティアの受け付けを決めた。呉市で7月16日から8月10日まで、主に水の運搬や泥出し、教会の支援が中心になる見込みだという。日本福音同盟(JEA)を通して詳しい案内が来るとしている。

日本福音同盟

JEA援助協力委員会は、11日から「西日本豪雨災害支援金」の受け付けを開始した。被災地の地域教会ネットワークやJEA加盟の各支援団体などが支援に関する話し合いをしており、同委は各地域の諸教会の意向を尊重し、それぞれの必要に応じた支援を行っていく予定だという。

九州キリスト災害支援センター

九州キリスト災害支援センター(九キ災)は10日、呉市に向け緊急車両を送り、水約1000リットル、災害用備蓄缶詰約1500缶、その他マスクやウェットティッシュなどの日用品を届けた。呉市を訪れた物資搬送チームのレポートによると、救世軍愛光園(呉市)が今後の物資拠点となり、広島宣教協力会のネットワークを基に教会ベースの支援が展開されるという。同協力会は九キ災からトラックを借り受け、タンクを積んで給水車とする計画。九キ災は、被災者支援のための募金も受け付けている。

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廃棄処分される家具がすでにたくさん集まっている=12日(写真:同機構)

日本国際飢餓対策機構

10日からスタッフが倉敷市と岐阜県関市に入り、支援を行っている日本国際飢餓対策機構は、公式サイトで随時支援の状況を報告している。12日は、岡山市東区南古都の平島健康福祉委員会から緊急の要請があり、パンの缶詰600食分と使い捨て歯ブラシ、タオルなどを届けた。同地区では近隣の町内会で約600戸が床上浸水した。物資支給後には「こんなにたくさん!本当にありがとうございます。助かります」と喜ばれたという。

同機構ではより円滑に被災者支援を行うため、派遣人員を拡大することを決めた。倉敷市にスタッフ2人、呉市にスタッフ1人と、経験豊富なボランティア2人を配置し、地元の支援組織と協力してさまざまなサポートを行う予定。募金もすでに寄せられており、「心より感謝致しますとともに、引き続き応援をよろしくお願い致します」としている。

日本YMCA同盟

日本YMCA同盟は12日、「日本豪雨災害YMCAポジティブネット募金」(受付期間:7月14日〜10月31日)を行うと発表した。この他、全国各地のYMCAで緊急の街頭募金も行い、広島、岡山の両県を中心に、全国のYMCAの協力の下、支援活動を進めていくとしている。

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