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聖書をメガネに『仰瞻・沖縄・無教会』への応答

聖書をメガネに 『仰瞻・沖縄・無教会』への応答・その7 沖縄、地理的センス 宮村武夫

2017年9月2日07時31分 コラムニスト : 宮村武夫
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関連タグ:宮村武夫無教会内村鑑三

高橋三郎・島崎暉久共著『仰瞻・沖縄・無教会』(1997年、証言社)への応答

3. 3つの応答

(2)沖縄、地理的センス

本書の書名が「仰瞻(ぎょうせん)」という信仰の在り方を示すとともに、「沖縄」と地名を含んでいる点も注目すべきです。

「沖縄」という地名を含むのは、直接的には1996年6月16日、沖縄でなされた講演「沖縄からの叫び」に基づく第二論考を直接意識していることは明白です。また第三論考「無教会はどこへ行くか」も、沖縄への謝罪・ざんげ旅行を視点として描いています。

第一論考は、「数千年に及ぶ人類の精神的思想的営為を鳥瞰(ちょうかん)しうる者にしてはじめて提示しうる思想」(1ページ)と言われるように、そこでは歴史的展望が重要な役割を果たしています。それに対して、沖縄を課題とする第二、第三論考では、歴史的センスの一面として、時や時代とともに当然不可欠な、場所や地理についてのセンスが深く問われます。

(イ)沖縄と本土

第二、第三論考が沖縄と本土の2つの視点の対比から掘り下げられたものであることは、すでに見てきた通りです。

沖縄と本土。筆者の12年目を迎えた沖縄での生活経験の上から率直に言えば、両者の対比や相違ではなく、類似が目立ちます。沖縄に本土の問題や課題が凝縮しているとの感を強くしています。

例えば、現在でもなされる、沖縄は日本の南の端、南の島との位置づけは、もちろん地球儀の上での話ではなく、東京なり本土なりを視点としたものです。

他者の視点からの決めつけが自己理解へ強く影響する。これは、沖縄についてばかりでなく、本土についても同じではないか。ヨーロッパから極東と決めつけられる日本が、欧米の植民地化から身を守るためと言い、富国強兵、脱亜入欧を目指し1945年8月15日に至る、あの名による道を進んだ理由の根にある問題点ではないでしょうか。

しかし、もう1つの道。内村鑑三の初期の著作、『日本国の天職』(1892年)や『地理学考』(1894年)に見る、地球儀上の日本を聖書で見る地理的センスと不可分な、キリストの再臨に宇宙の完成、新天新地を待望する平和の道です。[参照:『初夢』(1907年)、『日本の天職』(1924年)]

島崎先生の沖縄への視線、また沖縄からの視点は、「もう1つ」の道の現代における提示と受け止めます。

本土と沖縄。その沖縄自体に、本島と離島の関係においてより凝縮された落差があることを見落とすわけにはいきません。薩摩の侵略と搾取の波及とはいえ、首里王府による先島への過酷な対処。この図式を、現代の日本政府と沖縄米政、県政と市町村の関係にも見るのではないか。

島崎先生の講演における本土との対比における沖縄の位置づけを、各論を十分に含み得る総論として受け止める以上、読者の1人として、さらなる各論的掘り下げを求められていることを痛感します。

(ロ)聖書に見る島々

内村鑑三の初期の著書などに見る、島国日本との明確な意識。しかし今日、島国日本などとはほとんど言わないし、その意識すらも薄いのが実状です。これはやはり危険なしるしと思います。そうした現実の中で自他共に認める、島・沖縄。聖書が描く島々の姿に励ましを受け、慰めを見いだします。

イザヤ書42章10、12節など、いわゆるメシア預言の中で、「島々」への言及が繰り返しなされている意味は重いと考えます。初代教会の福音宣教、教会形成において、「島々」は、メシア預言の成就であるかのように大切な位置を占めています。

例えば、クレタ島。テトス1章5節には、1つの島に複数の教会が存在し、一致と協力をなしている姿を見ます。1章11節は、島の歴史文化の徹底した学びに基づく発言です。3章12~15節は、人の行き来と手紙・文書による生き生きとした交わりを浮き彫りにしています。また、キプロス島。使徒11章19~21節、文化や人種の壁を越える海外宣教の1つの模範といえます.

島々の役割は、教会の歴史においても決して小さなものではないこと、一、二の実例からも見て取れます。中世ヨーロッパ宣教に見るアイルランドの役割(トマス・カヒル著、森夏樹訳『聖者と学僧の島――文明の灯を守ったアイルランド』1997年、青土社)。カトリック教会の沖縄宣教、まず奄美大島、そして沖縄へ(安斎伸著『南島におけるキリスト教の受容』1984年、第一書房)。

(ハ)島々からの視点、視野

南北約16キロ、東西9キロのパトモス島にあって、ヨハネは、主イエス・キリストの主権(参照:黙示録1章8節、21章6節、22章13節)について深く教えられます。

ヨハネは聖霊ご自身の導きにより、パトモス島に留まり、そこを視点として小アジア7つの教会を視野に入れ、それぞれの個性と戦いを見分け、同時に1つの地域にある7つの教会を1つの教会のように見、それぞれの教会に手紙を書く(少なくとも文学類型上は手紙の形式で)のです。

また、「御霊に感じ」て、天からすべてを見る視点と視野を与えられます(参照:黙示録4章1、2節)。さらに、ヨハネは聖霊ご自身の導きにより、荒野の教会の姿、つまり地上の戦闘の教会の在り方を悟り(参照:黙示録17章3節以下)、同時に天上の勝利の教会について洞察を与えられます(参照:黙示録21章10節以下)。

沖縄本島北部本部北西、東シナ海に浮かぶ伊江島を、今、沖縄のパトモス島と見て、中・高生バイブルキャンプを春と夏、同労の牧師方と積み重ねて6年目。日本の近・現代を貫く2つの流れを見据え、日本の教育の現状をわがこととして受け止め、ヨハネの黙示録に凝縮している御声に聴従したい、それが本書における沖縄への視線、沖縄からの視点への応答の1つとなればと切望します。

■『仰瞻・沖縄・無教会』への応答:(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)

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◇

宮村武夫

宮村武夫

(みやむら・たけお)

1939年東京深川生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部(組織神学)修了。宇都宮キリスト集会牧師、沖縄名護チャペル協力宣教師。クリスチャントゥデイ編集長兼論説主幹。(2019年8月16日死去、プロフィールは執筆当時のものです。現在はクリスチャントゥデイ名誉編集長)

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:宮村武夫無教会内村鑑三
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