Skip to main content
2025年8月17日06時59分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 教会

北関東の渡瀬・鬼石キリシタン殉教者顕彰祭

2017年5月12日06時51分
  • ツイート
印刷
関連タグ:カトリック教会隠れキリシタン
北関東の渡瀬・鬼石キリシタン殉教者顕彰祭+
カトリック教会の司祭、助祭の7人の他、県内外からカトリック教徒を中心に約200人が参加=3日、神流川河川敷

秩父(ちちぶ)と高崎のほぼ中間に位置する埼玉県と群馬県の県境。神流(かんな)川を挟んだ群馬県藤岡市鬼石(おにし)地区と埼玉県渡瀬(わたらせ)地区に350年ほど前、キリシタンが身を隠し、命がけで信仰を守っていたことをご存じだろうか。「渡瀬鬼石殉教者顕彰祭」(カトリック本庄・伊勢崎・高崎・藤岡・新町・富岡教会主催)が毎年5月に行われており、今年も連休初日となった3日、埼玉県、群馬県のカトリック教会の司祭、助祭の7人の他、県内外からカトリック教徒を中心に約200人が参加した。

「隠れキリシタン」と聞いてまず思い浮かぶのは、映画「沈黙」の舞台にもなった長崎県の五島列島だろう。多くのバテレンやキリシタンたちが迫害を受け、拷問の末に殉教した地として有名だ。しかし、北関東のこの小さな集落にもかつてキリシタンが実在していた。このことは、1658(明暦4)年に編集された『契利斬督記(きりすとき)』にも次のように記されている。

「伊奈半左衛門御代官所。三波川(さんばがわ)村、渡瀬村、鬼名村、中カツ原村、コノ四ヶ所ヨリ、明暦二申年五月マデ、宗門一四、五人モ出デ申シ候」

この史料は当時、キリシタン弾圧の指揮をとっていた井上筑後守政重(『沈黙』にも登場する)の手記など、禁教の記録をまとめたもので、捕らえられたキリシタンを出身地別に整理した「吉利支丹出デ申ス国所ノ覚」の中に記されている。

顕彰祭が行われた河原は、現地の人々によって「キリシタンが処刑された場所」として語り継がれてきた。爽やかな風が吹き、新緑が映える里山と、そこを縫うように流れる渓流。このような美しい場所で先人たちが命がけで信仰を守り抜くため苦しみを受けていたのかと考えるだけで胸が痛くなる。

ミサの司式をした國本俊一司祭は、次のように話した。

「かつて『キリシタン』と呼ばれた人々が、なぜ十字架上のキリストを命がけで信じることができたのだろうか。それは、自分たちが信じているものに確信があったからだと思う。迫害は大きな苦痛を伴うが、それでも彼らは信仰を守り抜いた。人間を超える力を信じることで、安堵(あんど)感を得ていたのではないか。一方、現代の私たちを顧みると、信仰や祈りよりも物質的なものを優先させがちだ。しかし、信仰とはもっと尊いもの。私たちも先人の祈りや信仰を見習い、受け継いでいきたい」

北関東の渡瀬・鬼石キリシタン殉教者顕彰祭
ロザリオ巡礼の様子

同地域には多くの外国籍の人々が住んでいることから、会場ではさまざまな言語が飛び交った。晴天の河原で子どもたちのダンスや歌などを楽しみながら昼食をとった後、参加者が一列になり、日本語、英語、ポルトガル語などによるロザリオ巡礼を行い、「渡瀬鬼石キリシタン之碑」へ向かった。

北関東の渡瀬・鬼石キリシタン殉教者顕彰祭
顕彰祭の様子

同石碑の前で顕彰祭が行われ、皆で賛美と祈りをささげた。石碑には、「わたしのためにののしられ、迫害され、身に覚えのないことであらゆる悪口を浴びせられるとき、あなたがたは幸いである。喜びなさい。大いに喜びなさい。天には大きな報いがある」(マタイ5:11~12)と刻まれていた。

顕彰祭の後、希望者のみ、この地に残るキリシタン遺物を見学するツアーを行った。この地には14、5人のキリシタンがいたと先の史料には書かれていたが、その多くは、現在の東京都文京区にあったとされる「切支丹屋敷」に幽閉され、牢死(ろうし)したとされている。

北関東の渡瀬・鬼石キリシタン殉教者顕彰祭
キリシタンの墓石

『北関東の武州渡瀬と上州鬼石のキリシタンたち』(渡瀬キリシタン殉教者顕彰会編集発行)によると、幕府はキリシタンを根絶するため、転んだ(棄教した)キリシタンを村々に帰した後も、その子孫が再びキリシタンにならないよう、数代にわたって監視していたという。

現在もなおキリシタンの末裔(まつえい)がこの地に住んでいるが、その多くはキリスト教を信仰していない。ツアーの案内をした武井利泰さんは、「弾圧された直後、苦しみを受けた親族を思うと、信仰を継承するには至らなかったのでは」と語る。

北関東の渡瀬・鬼石キリシタン殉教者顕彰祭
屋根の側面には十字が刻まれている。

牢死したキリシタンの遺骨は地元の寺が引き取り、墓石の下に埋めた。この地区のキリシタン墓石には1つの大きな特徴がある。家のような形をした石碑の屋根の部分は、真横から見ると細長く、正面から見ると古民家の屋根のような台形をしている。真横には十字架が刻まれていたり、家の窓の部分には十字架が格子のような形で残っているものもあった。

北関東の渡瀬・鬼石キリシタン殉教者顕彰祭
墓石の中から発見されたマリア観音

今回のツアー中、殉教者の子孫である木村家を訪問した。墓を寺から家の敷地内に移し、代々の子孫と共に葬っている。木村家の墓には、はっきりとキリシタンと分かる墓石が3基あり、群馬大学山田助教授(当時)が研究のために訪れた際、墓石の中から木彫りのマリア観音が発見された。大人の手のひらに載るほど小さなものだが、幕府からの迫害やさまざまな苦しみを、これを握りながら必死に耐えていたのではないだろうか。

北関東の渡瀬・鬼石キリシタン殉教者顕彰祭
木村家の敷地内にある3基のキリシタン墓石

ツアーは1時間以上にわたり、参加したシスターや信徒たちは、殉教したキリシタンたちに思いをはせ、帰路についた。

関連タグ:カトリック教会隠れキリシタン
  • ツイート

関連記事

  • 隠れキリシタン口伝の祈り歌「オラショ」原曲 今年もバチカン国際音楽祭のミサで披露

  • 隠れキリシタン・浦上四番崩れ・原爆投下 浦上天主堂の壁にキリスト教信仰400年の歴史を投影 6000人が見守る(動画あり)

  • 4地域の関係者集い「隠れキリシタンの里サミット」 歴史遺産から地域活性化を考える(2)

  • 『沈黙』のキリストは人間の悲しみを理解する 町田市民文学館開館10周年記念講演会

  • 映画「沈黙」 ロドリゴ神父の実在モデルとなったキアラ神父の信仰

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 米韓政府の政策で対北朝鮮ラジオ放送が80%減少、キリスト教迫害監視団体が懸念

  • 嫌いと無関心 菅野直基

  • ワールドミッションレポート(8月17日):オランダ ペルシャ語教会の静かなるリバイバル(1)

  • キリスト教徒が人口の過半数を占める国・地域、この10年で減少 米ピュー研究所

  • 新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版

  • N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025

  • 立ち向かう勇気 佐々木満男

  • ドイツで神学生が大幅に減少、5年前の3分の2に

  • ヨハネの黙示録(6)スミルナ教会の御使いへ 岡田昌弘

  • シリア語の世界(30)シリア語新約聖書の和訳(1)マタイ福音書からテサロニケ人への手紙第二まで 川口一彦

  • キリスト教徒が人口の過半数を占める国・地域、この10年で減少 米ピュー研究所

  • 新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版

  • ドイツで神学生が大幅に減少、5年前の3分の2に

  • N・T・ライト著『わたしの聖書物語』が大賞 キリスト教書店大賞2025

  • 日本キリスト教協議会、戦後80年の平和メッセージ キリスト者の戦争加担にも言及

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(10)「苦しみ」から「苦しみ」へ 三谷和司

  • 立ち向かう勇気 佐々木満男

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(228)宣教は聖霊の働きによって拡大する 広田信也

  • 主キリストの選びに生きよう 万代栄嗣

  • 根田祥一氏の敗訴確定、最高裁が上告棄却 本紙に対する名誉毀損で賠償命令

  • キリスト教徒が人口の過半数を占める国・地域、この10年で減少 米ピュー研究所

  • 新約聖書学者の田川建三氏死去、89歳 新約聖書の個人全訳を出版

  • 「20世紀のフランシスコ・ザビエル」 聖心女子大学で岩下壮一神父の特別展

  • 「苦しみ」と「苦しみ」の解決(10)「苦しみ」から「苦しみ」へ 三谷和司

  • コンゴで教会襲撃、子ども含む43人死亡 徹夜の祈祷会中に

  • 日本基督教団、戦後80年で「平和を求める祈り」 在日大韓基督教会と平和メッセージも

  • 日本キリスト教協議会、戦後80年の平和メッセージ キリスト者の戦争加担にも言及

  • メディアに取り上げられるキリスト教のイメージを改善する4つの方法

  • ドイツで神学生が大幅に減少、5年前の3分の2に

編集部のおすすめ

  • 教育改革が「日本のリバイバルにつながっていく」 牧師の金子道仁参院議員が講演

  • いのちの言葉聖書学校、日本語クラス2期生7人が卒業

  • 淀橋教会で新主管牧師就任式・祝賀会 金聖燮牧師が6代目に

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.