Skip to main content
2025年6月15日20時35分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
キリスト教から2016米大統領選を見る米大統領選

キリスト教から2016米大統領選を見る(5)トランプ氏を支持するWASPとは?・その1

2016年7月25日21時47分 コラムニスト : 青木保憲
  • ツイート
印刷
関連タグ:青木保憲アメリカドナルド・トランプ銃規制
ドナルド・トランプ氏が教皇フランシスコのメキシコ国境訪問を批判、バチカンも応酬+
ドナルド・トランプ氏(写真:Michael Vadon)

「銃規制」と「タラントンのたとえ」と「スチュワードシップ」(羊を養う羊飼い意識)

ついにトランプ氏が共和党全体の大統領候補に指名された。これによって共和党は大きな賭けに出ざるを得なくなった。さあ、大統領選挙本番である。

しかしその前に、テキサス州ダラスやルイジアナ州バトンルージュで起こった悲劇について、2回にわたって見ていきたい。そうすることで、トランプ氏指名の重みがより伝わることになるからである。

7月7日夜、テキサス州ダラスで悲劇が起こった。警官に向かって計画的な発砲が行われ、5人の命が失われた。これには大きく2つの問題が絡み合う。1つは人種問題。これは米国の宿痾(しゅくあ)と言ってもいい。

しかし、今回取り上げたいのはもう1つの問題。「銃規制」である。これについては、オバマ大統領が規制法案を2013年に上院議会に提出したが、あえなく否決されたことが記憶に新しい。

ここで日本人である私たちからすると、どうして銃規制がきちんと行えないのか? みんな銃におびえる社会で本当にいいと思っているのか? と考えてしまう。だが米国人はそう考えない。いや正確には、そう考えない人の数が決して過半数から減ることのないまま、21世紀を迎えたのである。

今回は、この銃規制の問題から、トランプ氏を支持するWASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)層について考えてみよう。

映画「パトリオット」に見る米国建国時代と「銃を持つ権利」

「インディペンデンス・デイ」と同じローランド・エメリッヒ監督の「パトリオット」という作品を紹介したい。これはアメリカ独立戦争が題材となり、1人の男が家族のために戦いに身を投じる中で、いつしか愛国者(パトリオット)となっていくアクションドラマである。

主演のベンジャミン役にメル・ギブソン、そして物語の重要なカギを握る彼の息子役として、デビューしたてのヒース・レジャーが出演している。舞台はサウスカロライナ地方である。

物語では、ベンジャミンとその息子たちが戦争に参加するが、この参加の仕方がとてもユニークなのだ。というのは、彼らは今まで軍人としての訓練を全く受けたことのない、いわゆる「民兵」としてこの戦いに加わることになったからである。

考えてみれば当時、新大陸アメリカは正式な国家ではなかったため、「米軍」という正式な軍隊は存在しなかった。各植民地から、出自の異なる者たちがそれぞれの武器(主に銃器)を手に、自発的に戦いに加わってきたのである。

これをまとめ上げ、あの「大英帝国」と直接対決をしなければならなかったのだから、ジョージ・ワシントン司令官の心情は、決して穏やかではなかったであろう。結果的に「民兵連合軍」はイギリス軍を蹴散らし、ベンジャミン一家のように自ら国のために武器を取った者たちによって「アメリカ合衆国」は独立を勝ち得たのであった。

さて、ここで考えてもらいたい。独立国家が生まれたとして、その貢献者たる民兵たちから、銃器を取り上げることは果たして可能であろうか? 民兵は100パーセントボランティアで国家のために銃を手にしたのである。勝利の象徴たる彼らの銃器を、強制的に国家が取り上げることなどできなかったし、そんな発想も生まれてこなかった。

むしろその後に制定された合衆国憲法修正第2条では、「市民の武装の権利」として自衛のために銃を取る姿を「権利」として認めるほどであった。つまり、銃の扱いについては米国民たちの良識に委ねられたのであった。

この流れの中で、2つのことが確定した。1つは「国民に対する政府の権限」についてである。彼らは必要以上に個々人の生活を規制したり強制したりすることはせず、むしろ自由を保障するために公僕の働きを必要最小限にすることが求められたということである。いわゆる「小さな政府」である。

もう1つは、銃は単なる殺傷能力を備えた「武器」ではなく、「米国独立の象徴」と見なされたことである。米国では細かな手続きさえ踏まえれば、誰でも銃を売買することができる。この権利が米国民にはある。この事実こそ、米国がこの世に独立国家として存在する根源的な意味を象徴していたのである。

この前提を真剣に受け止めているのがWASPである。彼らは祖先の自己犠牲によって米国の土台が築き上げられたことを自負している。これを政府が規制し、抑止しようとすることは、米国がもはや独立以来の理念を打ち捨てることになる。だから、どんなに銃器による犯罪やトラブルが生じようとも、彼らは銃規制には反対する。

豊臣秀吉や明治維新政府などによって、たびたび「刀狩り」をされてきた日本とは、その国家の草創期からして異なっていることになる。このあたりを理解できないと、銃規制に関しても「正論」を訴えることはできても、真の「改善」を促すことは難しいと言わざるを得ない。

それでは、WASPがどうしてトランプ氏を支持するのかについて見ていこう。彼らに共通する意識は、「自分たちがこの国をつくった」というものである。その精神を自分たちは後代に伝えなければならない、と考えている。ここに米国保守主義の源泉があると言えよう。

こういう彼らが願う政府とは、先ほど述べた「小さな政府」ということになる。自分たちの活動や生活にあれこれと注文や規制をつけず、そして助けが必要な時だけ手を差し伸べてくれる機関ということになる。

米国人の意識の中の「タラントンのたとえ」の物語と「スチュワードシップ」(羊を養う羊飼い意識)

しかし、これは一面でしかないのである。なぜなら、このような政府が実際に存在できるとしたら、それは個々人の良識やモラルが一定水準に保たれ、健全に機能していることが証明されなければならないからである。このことにWASPも当然気付いていた。そして自分たちは大丈夫、と表明できる根拠を、彼らは聖書の例え話に求めたのである。

新約聖書でイエスが語る「タラントンのたとえ」がそれだ。この物語で、主人から異なる財産を預けられたしもべたちは、その能力に応じて財産(5タラントン、3タラントン)を活用した。しかし、最後の1人だけは、せっかくの財産(1タラントン)を預かっておきながら、それを用いることをせずに、地面に埋めてしまった。それを主人は責めた。そして、彼から財産を取り上げ、すでにもうけを出しているしもべにこれを託してしまう。

この物語の解釈はこうなる。「各々与えられた能力を自発的に用いるなら、それは神が喜ばれ、必ず祝福を与えてくださる。しかし、もしうまくいかないなら、それは与えられた能力を用いずに地面に埋めておいたこのしもべの自己責任である。だから、貧富の差がついても仕方がない」

なぜならイエスも「持っている者はさらに与えられ、持っていない者は持っているものまで奪われるであろう」と語っているではないか。彼らにとって、自己責任と自発性があってはじめて「神の国」の住人となる資格が与えられることになるのだ。

今、この解釈の適合性は問題ではない。彼らはこのような解釈で、自分より後にやってきた移民たちが貧しい暮らしをしていることから目を背け、自分たちが既得権益に浴することを正当化してきた、ということである。

この考え方を「スチュワードシップ(羊を養う羊飼い意識)」という。もちろんスチュワードシップには良い側面もある。これについては、次回述べたいと思う。いずれにせよ、このような考え方をする者が多ければ(過半数であれば)、「小さな政府」は機能することができる。

トランプ氏が「移民を排斥し、他国の警備から手を引く」と訴えることは、WASPたちにどう響くであろうか?「かつてのWASP全盛期がもう一度復興するのでは?」というはかない希望を見いだす者が生み出されることは想像に難くないだろう。

もちろんこれがWASPの中でもブルーカラー層を中心に、というところが現代的なのだが・・・。これにはもうひとひねり考察が必要である。なぜなら、一見麗しく見える「タラントンのたとえ」ではあるが、いつしか自分たちが最後のしもべになってしまっている、という現実を突き付けられているWASPたちは、次第に多くなってきているからである。

この辺りは次回、もう少し突っ込んで考察していきたい。

<<前回へ     次回へ>>

◇

青木保憲

青木保憲

(あおき・やすのり)

1968年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院卒業後、小学校教員を経て牧師を志し、アンデレ宣教神学院へ進む。その後、京都大学教育学研究科修了(修士)、同志社大学大学院神学研究科修了(神学博士)。グレース宣教会牧師、同志社大学嘱託講師。東日本大震災の復興を願って来日するナッシュビルのクライストチャーチ・クワイアと交流を深める。映画と教会での説教をこよなく愛する。聖書と「スターウォーズ」が座右の銘。一男二女の父。著書に『アメリカ福音派の歴史』(明石書店、12年)、『読むだけでわかるキリスト教の歴史』(イーグレープ、21年)。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:青木保憲アメリカドナルド・トランプ銃規制
  • ツイート

関連記事

  • 米司教協議会長、警官襲撃で「祈り・省察・礼節・対話」求め WCCは「人種をめぐる暴力の拡大」を非難

  • キリスト教から2016米大統領選を見る(3)トランプ氏は米国の「帰ってきたヒトラー」になるのか?

  • キリスト教から2016米大統領選を見る(2)「アメリカン・ドリーム」と政教分離・その1 青木保憲

  • 米ナイトクラブ銃乱射事件:現場から2街区にある南部バプテスト教会、犠牲者の家族を助ける

  • 米ナイトクラブ銃乱射事件:ラッセル・ムーア牧師「同性愛者にイエスの愛を示してほしい」

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • コヘレトの言葉(伝道者の書)を読む(5)時の賛歌 臼田宣弘

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • ワールドミッションレポート(6月14日):スイス 信仰で買ったトラクター、ローレン・カニングハムとYWAMに託された農場の奇跡

  • ワールドミッションレポート(6月15日):ベラルーシのために祈ろう

  • ワールドミッションレポート(6月12日):ベルギーのために祈ろう

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • ヨハネの黙示録(3)御言葉と証し 岡田昌弘

  • 花嫁(27)絶えず喜んでいなさい 星野ひかり

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

  • 戦時下でも福音は止まらない ウクライナの伝道者が欧州伝道会議で講演

  • 米南部バプテスト連盟、同性婚、ポルノ、中絶薬の禁止を求める決議案を可決

  • 「ハーベスト・ジャパン2025」開催決定! “世界的な癒やしの器” ギエルモ・マルドナード牧師が来日

  • 『天国は、ほんとうにある』のコルトン君、臨死体験から22年後の今

  • 1990年代生まれのプログラマー、カトリック教会の聖人に

  • 大統領選の結果受け韓国の主要キリスト教団体が相次いで声明、和解と相互尊重を訴え

  • クリスチャンロックバンド「ニュースボーイズ」元ボーカルに性的暴行・薬物疑惑

  • 【ペンテコステメッセージ】約束の成就と聖霊の力―ペンテコステの恵みにあずかる 田頭真一

  • フランクリン・グラハム氏、ゼレンスキー大統領と面会 和平求め祈り

  • 淀橋教会、峯野龍弘主管牧師が引退し元老牧師に 新主管牧師は金聖燮副牧師

  • 「みにくいアヒルの子」など数々の童話生み出したアンデルセン自伝 『わが生涯の物語』

  • ウォルター・ブルッゲマン氏死去、92歳 現代米国を代表する旧約聖書学者

編集部のおすすめ

  • 四国の全教会の活性化と福音宣教の前進のために 「愛と希望の祭典・四国」プレ大会開催

  • イースターは「揺るぎない希望」 第62回首都圏イースターのつどい

  • 2026年に東京のスタジアムで伝道集会開催へ 「過去に見たことのないリバイバルを」

  • 「山田火砂子監督、さようなら」 教会でお別れの会、親交あった俳優らが思い出語る

  • 日本は性的人身取引が「野放し」 支援団体代表者らが院内集会で報告、法規制強化を要請

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.