Skip to main content
2022年5月26日10時44分更新
Go to homepage
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 社会

広がる高齢者の貧困問題 豊かに老後暮らすノウハウも 聖学院大で講演会

2015年6月5日11時35分 記者 : 坂本直子
  • ツイート
印刷
関連タグ:聖学院大学貧困
広がる高齢者の貧困問題 豊かに老後暮らすノウハウも 聖学院大で講演会+
講演者の藤田孝典氏は、NPO法人ほっとプラス代表理事、反貧困ネットワーク埼玉代表、ブラック企業対策プロジェクト共同代表、厚生労働省社会保障審議会特別部会委員などを務め、生活困窮者への相談・支援活動を続ける=3日、聖学院大学(埼玉県上尾市)で(写真:同大提供)

聖学院大学人間福祉学科主催の公開講演会「広がる高齢者の貧困と老後破産」が3日、同大チャペル(埼玉県上尾市)で行われた。ソーシャルワーカーで、同大客員准教授でもある藤田孝典氏が、日本のこれまでの社会保障の在り方や、高齢者の貧困問題の具体的な対策、老後を豊かに暮らしていくためのノウハウなどを話した。

藤田氏は高齢者の貧困問題を、「下流老人」という言葉を使って説明する。これは藤田氏の造語で、「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」を指す。この日の講演会でも、下流老人を生み出す日本社会の構造や、下流老人になぜ陥るのか、どうしたら防げるのか、藤田氏がこれまで関わってきた事例を通して語った。

藤田氏が代表理事を務めるNPO法人ほっとプラスに寄せられる生活困窮者からの相談は年間約300件。そのうち半数は高齢者からだという。病気にかかっても医療費を支払えないため、病院へ行かず市販薬を飲んで痛みをごまかしながら暮らす老人、夏の暑い中、電気代を気にしてエアコンをつけず、室内で熱中症を起こしてしまう老人。また、持ち家に住みながらも、住宅を補修するお金がないため、ぼろぼろの家に住まざるを得ない老人もいる。さらに、3食心配なく食べられるという理由で刑務所に入りたいと訴える老人もいるという。

藤田氏はこうした例を紹介し、「これまで高齢者の社会保障といえば、介護福祉などが中心で、貧困については社会の領域では考えてこられなかった」と指摘。「高齢になった親は子どもが面倒を見るという社会構造がほとんど崩壊している現在、高齢者の貧困は社会で解決する問題になってきている」と語った。また、「ワーキングプア」を生み出す、非正規雇用の増加といった若者の問題も、高齢者の貧困問題に直結していると話した。

藤田氏は学生時代、どんなに努力してもホームレスになってしまう人々の存在を知り、「ホームレスは社会が生み出している」と考え、以来貧困問題に取り組んできた。自殺や犯罪の背景には必ずといってよいほど、貧困の問題があるという。たとえば、住所不定無職の人が食料品を盗むという事件があったとする。「住所不定無職」の人とは、多くの場合、生活困窮者に他ならず、貧困がもたらす問題だと藤田氏は話す。「どうして貧困になるのか、貧困からどう抜け出せるのか」については、本人を責めてもダメで、社会制度を根本的に見直していく必要があると強調した。

下流老人の特徴は、「収入がない、貯蓄がない、周囲に人がいない」の「ない」が3つあること。収入については、年金の支給額が生活保護基準に満たないことが原因だ。貯蓄については、長寿社会の中で高齢期の備えが足りなくなってしまうことがあり、またお金の工面など相談できる人が周りにいないことが多い。さらに、独り暮らしの高齢者がいまだかつてないほど増加している現状がある。

広がる高齢者の貧困問題 豊かに老後暮らすノウハウも 聖学院大で講演会
この日は約110人が参加。メモを取りながら熱心に話を聞く人の姿も多く見られた。(写真:聖学院大学提供)

こうした下流老人の実態を明らかにした後、藤田氏はそこから抜け出すためのノウハウについて話した。生活保護制度を利用し、社会福祉制度をよく知り、よりよく活用すること、家族や友人がいなくても、公的機関に相談してみることを勧めた上で、「世間の世話になるなんて」といった思いにとらわれないようにと語った。「完全に自立している人など初めからいない」と藤田氏は言い、「関係性の貧困」に陥らないようにすべきだと話した。

さらに、「受援力」を身に付けることを勧めた。「高齢者を助けたいと思っている人は地域社会に大勢いる」と話し、そのためにも「話しやすさや関わりやすさを持つ高齢者を目指し、『助けたくない高齢者』ではなく『助けたい高齢者』になってほしい」と、ユーモアを込めて話を締めくくった。

社会福祉へのクリスチャンの関わりについて藤田氏は、「ミクロレベルでは、地域などで困っている人々に積極的に手を差し伸べることができるはず」と言う。さらに、「宗教の団体として、貧困問題にもっと注目して、下流老人などを生み出さないようにし、より住みやすい社会に変えていってほしい」と希望を述べた。

茨城県でソーシャルワーカーとして働いているという男性は、「今日の話を聞いてこれまで仕事の中で不安に思っていたことが少し解消された。もっといろいろ学んでいきたい」と話した。聖学院大学では、毎週水曜日の2時限目を「アセンブリアワー」と定め、さまざまなプログラムを行っている。今回の講演会は、この時間を地域にも提供しようと企画された。今後も地域の情報発信の場となれるよう、学外に向けたさまざまな催しを企画していくという。

関連タグ:聖学院大学貧困
  • ツイート
▼関連記事を見る  ▼クリスチャントゥデイからのお願い

関連記事

  • 福祉・教育・教会のネットワーク構築目指し キングス・ガーデン東京が第1回シンポ

  • “地域の悩みを教会の悩みに” 「浦河べてるの家」理事ら招きシンポ、障がい者・教会・地域の連携探る

  • 教皇「お年寄りへの理解・尊重を」

  • キリスト者メーデー集会、貧困と格差なき社会目指し今年も開催

  • 共生の場提供する複合施設「サマリア館」オープン 大分県

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • サンフランシスコ大司教、ペロシ米下院議長の聖体拝領を禁止 中絶権の支持めぐり

  • 菊地功・東京大司教が新型コロナウイルスに感染 教区が発表

  • しっかりと韻を踏んだスカイアクション大作の続編にして贖罪の物語!「トップガン マーヴェリック」

  • 破顔一笑で一生幸せ 安食弘幸

  • 「イスラム国」系グループ、キリスト教徒20人の処刑映像を公開 ナイジェリア

  • カンタベリー大主教、カナダ寄宿学校の先住民虐待問題で謝罪

  • アルケゴス社のビル・ファン氏、逮捕・起訴される 無罪主張

  • 神の子どもとされる特権 さとうまさこの漫画コラム(35)

  • 福音は力である?(その1)

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(147)献身的な信仰者を求める日本社会(3)広田信也

  • アルケゴス社のビル・ファン氏、逮捕・起訴される 無罪主張

  • 「イスラム国」系グループ、キリスト教徒20人の処刑映像を公開 ナイジェリア

  • 「天の故郷」に帰った小坂忠さんに最後のお別れ 思い出のホールで追悼告別式

  • 元外務官僚の牧師、日本維新の会の参院比例区支部長に

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(147)献身的な信仰者を求める日本社会(3)広田信也

  • ニューヨーク便り(4)日常に「ゴールデンルール」があるニューヨーク

  • 燃えない症候群 佐々木満男

  • 米教会銃乱射、牧師や信徒が命懸けで容疑者取り押さえ 犯行動機は台中関係への不満か

  • 小塩節・フェリス女学院元理事長死去 ドイツ文学者、キリスト教功労者

  • 菊地功・東京大司教が新型コロナウイルスに感染 教区が発表

  • 「天の故郷」に帰った小坂忠さんに最後のお別れ 思い出のホールで追悼告別式

  • シンガー・ソングライター、牧師の小坂忠さん死去 73歳

  • 元外務官僚の牧師、日本維新の会の参院比例区支部長に

  • ひとり子を十字架につけられる程の愛 小坂忠

  • 16歳の高校生、洗礼受けた数時間後に銃弾受け死亡 米フロリダ州

  • 世界最高齢の田中カ子さん死去、119歳 戦後クリスチャンに 教会で幼稚園開設

  • 「悪」はいかに伝染するか 「心の闇」描くサイコサスペンス映画「死刑にいたる病」

  • 米教会銃乱射、牧師や信徒が命懸けで容疑者取り押さえ 犯行動機は台中関係への不満か

  • 同志社大神学部・神学研究科が公開シンポ「戦争と同志社」 戦時下知る有賀誠一氏が講演

  • 米教会で銃乱射事件、1人死亡5人重軽傷 教会員らが容疑者取り押さえ

編集部のお勧め

  • ひとり子を十字架につけられる程の愛 小坂忠

  • 同志社大神学部・神学研究科が公開シンポ「戦争と同志社」 戦時下知る有賀誠一氏が講演

  • 第4回日本ゴスペル音楽祭、4年ぶりオンラインで念願の開催

  • 「妥協しない」テーマに ジーザス・レインズ、終戦記念日の8月15日開催へ

  • 「必ず日本にリバイバルは起こる」 首都圏イースター、高木康俊牧師がメッセージ

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 論説委員・編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2022 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.