18日から21日にかけて、米テネシー州ナッシュビルで全米宗教放送者大会(NRBコンベンション)が開催されている。世界最大のキリスト教出版社トーマス・ネルソン会長のマイケル・ハイアット氏と米ミネソタ州ミネアポリスのベツレヘム聖書バプテスト教会牧師のサム・クラブトリー氏による基調講演が18日に行われた。
両者は共にキリスト教指導者らが他者の声を傾聴し、他者の行動を肯定できる姿勢、他者の霊的な必要性に応じることが必要であり、多くのキリスト教指導者らがそのような必要性を見過ごしているのではないかと注意を呼び掛けた。このような姿勢がビジネス提携関係を構築し、神様と人々の関係を構築していくのに必要不可欠であるという。
~他者の修正以上に他者の肯定が必要~
クラブトリー氏は「私たちは皆、職場であれ、個人的な人生のあり方であれ、他者のあり方を修正していく必要があります。しかし他者の生き様を修正するということは『それにも増して他者の生き様を肯定してあげること』が伴われなければなりません。そうでもなければ、私たちは人々をキリスト教会と対立する位置に置いてしまう危険性を帯びているといえるのではないでしょうか。それはただ人々をアンチキリスト者とするだけではなく、キリスト教会全体にとっても益ではない行動を促すことにつながります。他者を修正することは、関係性において他者のエネルギーを吸い取ることにつながります。一方他者を肯定することは他者の活動にエネルギーを注ぎ込むことにつながります。もし私たちが他者に対してあまりに(その活動や人生の生き様を)修正することばかり要求するならば、人々は私たちの声を聞くことを止めるようになるのではないでしょうか。彼らはただ私たちとの関係を切ろうとするのではないでしょうか。それはあなたの声を聞くことを止めるばかりではなく、あなたと話もしたくなくなることにつながるのではないでしょうか」と注意を呼び掛けた。
そのようになることで、教会と他者の関係性が断絶されるばかりではなく、教会の中で、さらには夫婦の関係をも他者を修正することを一方的に行うことで断絶されてしまう危険性があると警告した。その上でクラブトリー氏は「他者を肯定する」ということは重要であり、クリスチャンとしてさし示すべき振る舞いであることを強調し、「配偶者や組織、家族およびミニストリーに対し、まずは『良い事』を言う必要があります」と述べた。
クラブトリー氏は昨年「肯定の実践―神を中心にした他者への賛美」という本を出版している。クラブトリー氏は16年間パレスチナベツレヘムの牧会期間を含めた30年間の牧会経験を有している。
マイケル・ハイアット氏は基調講演を通じ、キリスト者のリーダーシップのあり方について、他者を思いやる姿勢が大切であり、すべての決断を行う際に、他者の意見を傾聴する姿勢が大切であると述べた。
ハイアット氏は自身の出版業界でのキャリアを通して、「あなたの『心』が、もっとも価値あるリーダーシップにおけるツールであるといえます。悪魔はキリスト者の心を良く知っており、悪魔が心を乗っ取ることができるかどうか吟味しています」と述べた。そのため、自分自身の心が何を思っているかに注意する必要があり、特に休息を必要としている心の声にキリスト教指導者、ビジネスリーダーは注意をする必要があると述べた。
ハイアット氏は、「私が知っている指導者たちは皆、十分な休息をとっていないように感じます。指導者が疲れ果ててしまうとき何が生じるでしょうか。利益の損失、悪い決断を行うようになります。そして不平や不満を言い放つようになってしまいます」と述べた。
ハイアット氏は自身のブログでメディアや指導者のあり方についてコラムを公開したり、インタビューを行うなどの活動を展開している。一部はクリスチャントゥデイでも和訳して紹介されている。
NRBコンベンションは、数千人のキリスト教メディア関係者、指導者、エンジニア、その他関係者らが集う国際的な大会となっている。
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