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栗栖ひろみ

(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)刊行。また、猫のファンタジーを書き始め、2012年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイで中・高生向けの信仰偉人伝の連載を始める。20年『ジーザス ラブズ ミー 日本を愛したJ・ヘボンの生涯』(一粒社)刊行。現在もキリスト教書、伝記、ファンタジーの分野で執筆を続けている。

記事一覧

  • 孤児の父―ハインリッヒ・ペスタロッチの生涯(2)惨めな貧民たち

    もう一人ハインリッヒに影響を及ぼした人物がいた。それは、ヘンクという村に住む祖父アンドレアスであった。ハインリッヒはよく母の手に引かれてこの祖父の所を訪ね、数日間泊まるのが習慣になっていた。

    2019年03月06日14時53分
  • 孤児の父―ハインリッヒ・ペスタロッチの生涯(1)父なし子

    1746年1月12日。スイスのチューリッヒ湖畔の小さな借家に男の子が生まれた。外科医のヨハン・バプテスト・ペスタロッチは医師の資格を持ってはいたものの、あまり成功せず、家族を抱えて生活が苦しかったので輸入ワインを売る仕事にも手を出していた。

    2019年02月20日13時56分
  • ヘボンと日本語訳聖書誕生の物語(最終回)エピローグ―炎の遺書

    祖国アメリカに帰ったヘボンは、イーストオレンジに小さな家を買ってクララと共に静かな日々を過ごしていた。子どもや親戚もなく、故郷の人々の中に見知った顔を一つも見いだせなかった。

    2019年02月06日16時13分
  • ヘボンと日本語訳聖書誕生の物語(20)また会う日まで

    日本国内には、まだ暗く重い空気が立ち込めていた。ヘボンをはじめとする外国人宣教師たちは、いつの日にか日本を引き裂く全体主義思想が生まれ、それが戦争へとつながっていくのではないかという予感を抱いていた。

    2019年01月16日22時10分
  • ヘボンと日本語訳聖書誕生の物語(19)日本への最大の贈り物

    この頃ヘボンは、ミッションスクール(キリスト教主義の学校)を各地に建てるために全力を注ぎ、その傍ら孤児院や養老院などの福祉事業にも協力していたので、長年の疲労も加えて健康を害してしまっていた。

    2019年01月04日16時17分
  • ヘボンと日本語訳聖書誕生の物語(18)「主われを愛す」

    クララはすでに塾を開いて英語を教える傍ら、彼らに聖書の話をしたり、アメリカで覚えてきた賛美歌を一緒に歌ったりしていたが、そのうちミス・キダーが来日すると、彼女を中心として「日曜学校」が誕生した。

    2018年12月19日18時25分
  • ヘボンと日本語訳聖書誕生の物語(17)新約聖書の日本語訳完成す

    1872(明治5)年。山手町39番地のヘボン家の診察室に東京と横浜在住の宣教師たちが集まり会議を開いた。主な案件は、「聖書翻訳の合同作業の結成」「教派によらない日本基督公会の主旨徹底」「日本人宣教師の養成」などであった。

    2018年12月05日20時59分
  • 「ロゴセラピー」をイエスの生涯から読み解く名著 『イエスとロゴセラピー』

    前回、ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』を紹介した際に、ロゴセラピー(聖書を基盤とした精神療法)について触れたが、今回紹介するロバート・C・レスリー著『イエスとロゴセラピー』も同じテーマを扱っているので、ぜひ読んでいただければ幸いである。

    2018年12月02日15時57分
  • ヘボンと日本語訳聖書誕生の物語(16)日本人のための聖書

    ヘボンは辞書も完成したし、売れ行きもよかったので、ここで本来の使命である聖書の日本語訳の仕事に心血を注いだ。上海に行っている間に、共同訳のメンバーの個人的事情がいろいろな形で作業の進行を遅らせていた。

    2018年11月21日16時44分
  • ヘボンと日本語訳聖書誕生の物語(15)近代の足音

    ヘボンが上海に行っている間に世の中は大きく変わっていた。英公使パークスは親日家で、阿波藩主蜂須賀斉裕に招かれて徳島に行ったり、江戸行きを計画して秘書官アーネスト・サトウを山内豊信に会わせたりして友好ムードを盛り上げた。

    2018年11月07日20時33分
  • ヘボンと日本語訳聖書誕生の物語(14)世界を結ぶ言葉

    そのようなわけで、ヘボンは辞書を日本で印刷することをほとんど諦めていた。そんな時、ブラウンが1人でコツコツまとめていた『会話ノート』が、彼を尊敬する商人W・ケズィックの出費でもって1冊の本にまとまった。

    2018年10月17日11時02分
  • ヘボンと日本語訳聖書誕生の物語(13)血と汗の和英辞典

    ヘボンは一日の休みもなく、訪れる患者の診療を行い、聖書の翻訳に魂を注ぎ、その間に日本語の研究を続けてきたが、気が付くと、彼の「単語帳」に収録された日本語は膨大なものとなり、そろそろ形にしなくてはならなくなった。

    2018年10月03日8時00分
  • ヘボンと日本語訳聖書誕生の物語(12)ギュツラフの悲願

    1863(文久3)年。ヘボンと同じ教団「長老教会海外伝道本部」からタムソンが宣教師としてやってくると、ヘボンはいよいよ聖書の日本語訳事業を始める時が来たと思った。

    2018年09月19日16時34分
  • 極限の苦悩の中で見いだした「人生の意味」 『夜と霧―ドイツ強制収容所の体験記録』

    精神医学の世界的権威、ヴィクトール・フランクル博士は、ある日ナチスの軍隊に逮捕され、妻と共にアウシュヴィッツの強制収容所に送られた。この書は、原題「強制収容所における一心理学者の体験」に記されている通り、収容所における彼の体験談である。

    2018年09月14日11時16分
  • ヘボンと日本語訳聖書誕生の物語(11)横浜アカデミー

    横浜に移ることを渋っていたヘボンだったが、新しい目標を与えられた今、横浜行きを申請した。大いに喜んだ神奈川奉行は、谷戸橋のほとりの一等地、39番地を斡旋した。ヘボンは自ら居留地を測定し、自分で設計して住居を作ることにした。暮れも押し詰まった12月29日に家は完成した。

    2018年09月05日20時55分
  • ヘボンと日本語訳聖書誕生の物語(10)闇に輝くともしび

    凶悪な事件が跡を絶たないので、幕府は神奈川一帯に住む外国人を横浜に移す計画を立て、彼らに退去を迫った。ヘボンは診療所として借りている宗興寺を引き続き借用したい旨を申し出たが、許可されなかった。

    2018年08月15日21時24分
  • ヘボンと日本語訳聖書誕生の物語(9)ジョーイとは何ですか?

    1860(万延元)年の暮れから、悲惨な事件が次々と起きた。まず11月末に、外国奉行の堀織部正がプロシヤとの条約締結で相手国調査の不十分、条約不備の責任を負わされて切腹した。

    2018年08月01日19時52分
  • ヘボンと日本語訳聖書誕生の物語(8)希望を持ち帰った船

    ところで、「日米修好通商条約」を結ぶためにペリーのあとから来た米公使のハリスは温厚な人格のクリスチャンで、ブラウンとは友人同士だった。ヘボンが日本に来てからはヘボンとも親しくなり、時折彼を公使館に招いていろいろと語り合った。

    2018年07月18日19時15分
  • ヘボンと日本語訳聖書誕生の物語(7)ヘボンの単語帳

    ヤゴロウを得てから、ヘボンの日本語の学習は格段に進んだ。ブラウンの方も助手兼通訳として矢野隆山を雇うことができたので、4人は時間の許す限り膝を突き合わせて日本語の研究に余念がなかった。

    2018年07月04日15時49分
  • ヘボンと日本語訳聖書誕生の物語(6)見えるようになりたいのです

    ヘボンが散歩をして洲干弁天という神社の所まで来たとき、そこで一心不乱に祈っている男を見た。「どうかお願いでございます。目を治してください。痛みだけでもなくなりますように」。そして、彼はさい銭箱に銅貨をチャリンと入れ、こちらに歩いてきた。

    2018年06月20日14時11分
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