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聖書が教える「行いによる義」 菅野直基

2025年11月3日22時54分 コラムニスト : 菅野直基
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ある日、神はアブラハムに声をかけました。

神は仰せられた。「あなたの子、あなたの愛しているひとり子イサクを連れて、モリヤの地に行きなさい。そしてわたしがあなたに示す一つの山の上で、全焼のいけにえとしてイサクをわたしにささげなさい。」翌朝早く、アブラハムはろばに鞍をつけ、ふたりの若い者と息子イサクとをいっしょに連れて行った。彼は全焼のいけにえのためのたきぎを割った。こうして彼は、神がお告げになった場所へ出かけて行った。(創世記22:2、3)

聖書を見ると、アブラハムは間髪入れずに(「翌朝早く」)従っています。しかし、アブラハムにとってのイサクは、年寄子であり、世継ぎであり、正妻から生まれた最も愛する独り子でした。

ロボットであるなら話は別ですが、夜に神の御声を聞いてから、アブラハムには間違いなく葛藤があり、祈りがあり、翌朝までさまざまなやりとりがあったはずです。しかし、決め手となったのは、神を信じる信仰でした。

私たちの父アブラハムは、その子イサクを祭壇にささげたとき、行いによって義と認められたではありませんか。あなたの見ているとおり、彼の信仰は彼の行いとともに働いたのであり、信仰は行いによって全うされ、そして、「アブラハムは神を信じ、その信仰が彼の義とみなされた」という聖書のことばが実現し、彼は神の友と呼ばれたのです。(ヤコブ2:21~23)

ヤコブは「アブラハムがイサクをささげた行いによって義と認められた」と語ります。そうであるとしたら、宗教改革者マルティン・ルターが強調した「信仰義認」と矛盾があるように感じます。

見よ。彼の心はうぬぼれていて、まっすぐでない。しかし、正しい人はその信仰によって生きる。(ハバクク書2:4)

なぜなら、福音のうちには神の義が啓示されていて、その義は、信仰に始まり信仰に進ませるからです。「義人は信仰によって生きる」と書いてあるとおりです。(ローマ1:17)

ところが、律法によって神の前に義と認められる者が、だれもいないということは明らかです。「義人は信仰によって生きる」のだからです。(ガラテヤ3:11)

わたしの義人は信仰によって生きる。もし、恐れ退くなら、わたしのこころは彼を喜ばない。(ヘブル10:38)

上記の4つの聖句は「信仰による義」を語るのに、ヤコブは「行いによる義」を語ります。

ああ愚かな人よ。あなたは行いのない信仰がむなしいことを知りたいと思いますか。(ヤコブ2:20)

人は行いによって義と認められるのであって、信仰だけによるのではないことがわかるでしょう。(ヤコブ2:24)

矛盾なのか、はたまた信仰の違う側面を語っているのでしょうか。後者です。口で「信じます」と言うことはできても、行いがなかったら、その信仰は本物ではないからです。つまり、信じていないから、行いが伴わないのです。

「イエス様を信じたら、永遠の命が与えられます」と聞いた人がそれを信じたなら、そのまま何もしないで去って行くことはないはずです。私たちの路傍伝道を通して「神様を信じます」と言ってくれた人はたくさんいます。しかし、多くの人が「ありがとう、じゃーね!」と去って行ってしまうのです。それはリップサービスか、口先だけの信仰か、信じたつもりか、よく分かっていないかのいずれかでしょう。

もし、夜中に戸をたたく人がいて「あなたの家が火事ですよ。早く逃げてください!」と言ってくれたなら、直ちに避難行動を取り始めるはずです。「ああ、そーですか? ありがとうございます!」と言って、そのまま寝てしまう人がいるとしたら、それは理解していないか、信じていないかのどちらかです。

アブラハムがイサクをささげたことは、神を信じることとイコールなのです。「いったんは神を信じたが、イサクを殺すのが惜しくなってささげることをやめた」のであれば、途中で信仰を捨てたことになるのです。

今日、あなた自身の信仰がどうであるかを知りたかったら、あなたの神に対する行動を見たら一目瞭然です。もし、行いのない信仰というものがあるとしたら、それは信じているつもりか、口先だけの信仰です。もしあなたがそのような状態であるとしたら、「神様、信仰のない私を助けてください」と祈ってみませんか。

信仰は、恵みによって与えられるものです。恵み深い神は、神を求めるあなたに信仰を与えられ、信仰に伴う行動を与えられます。その信仰によって、あなたを義と認め、祝福してくださいます。

◇

菅野直基

菅野直基

(かんの・なおき)

1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッションなどの地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での賛美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式など、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。

■ 新宿福興教会ホームページ(メッセージをくだされば、皆さんの近くの教会を紹介致します)
■ 菅野直基牧師のフェイスブック

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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