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聖ニコラスの生涯

サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(25)キリスト教禁止令

2025年8月6日20時39分 コラムニスト : 栗栖ひろみ
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サンタ・クロースと呼ばれた人―聖ニコラスの生涯(1)孤児ニコラス+
聖ニコラスの肖像画(画:ヤロスラフ・チェルマーク)

ローマ軍兵士は、土台も残らないほどに教会堂を破壊し尽くすと、その場を立ち去った。それから程なくして、町のつじには政府からの通達が掲げられた。

一、キリスト教徒の集まりは全て禁止されること。二、キリスト教の教会は、全て土台から破壊されること。三、聖書やキリスト教の教理、十字架、キリスト像などは全て焼き捨てられること。四、キリスト教徒が社会的に高い地位に就く者であっても、逮捕時の拷問は免除されないこと。五、キリスト教徒と認められた者は、全てその身を守る「ローマ法による保護」を失うこと。六、信徒の献金による教会の財産は没収されるべきこと。七、キリスト教徒と認められた者は、全て公職を免じられること。

今までこれほど厳しい禁止令が出されたことはなかった。

アペレを背負ってひとまず安全な崖下の洞窟にたどり着いたニコラスは、自分の下着を裂いて包帯を作ると、洞窟の中を流れる冷たい水にその一枚をひたし、アペレの傷口を洗い、残りの布でぐるぐると頭に包帯を巻いた。幸いなことに、傷は致命的なものではないらしく、しばらくするとアペレは意識を回復した。

彼は信徒の献金を管理する役目だったので、金銭を奪おうとするローマ軍兵士に抵抗した際、盾で頭を殴られたのだと言う。助祭シメオンと長老ユスト、そして信徒のサラの遺体を崩れたがれきの中から引き出して葬ることはできなかったが、今彼らの天国における冥福をニコラスは熱い涙とともに祈るのだった。

「ローマから帰って来た人が、こんな話をしていました」。アペレは言った。「今ローマ皇帝は、その権力を維持するために必死になって後ろ盾を求めているのです。人間が保証する権威のもろさを知っている彼は、それをギリシャ・ローマの神々に求めたのでしょう。東ローマ皇帝ディオクレティアヌスは、特にユピテル(ゼウス)神に供物をささげることに熱心であったそうです。今から少し前に神々に供物をささげる儀式の際に、キリスト教徒の高官が十字を切ったまま、命令を拒絶したことに立腹したディオクレティアヌス帝は、残虐な方法でこの高官を処刑したそうです。そして、これがキリスト教徒の迫害の発端となったということです」

この話を聞いたニコラスは、皇帝はそのうち徹底的に教会を破壊するだろうと感じた。

「ニコラス司教様」。優しい声で名を呼ばれ、ニコラスは洞窟の中で目を覚ました。身を屈めるようにして彼の名を呼んでいるのは、何といつか訪問に行って知り合ったパン屋の女主人クロエだった。彼女の後ろから養子となったアデオダートスが心配そうに顔をのぞかせていた。

「漁師の家の人が、司教様が無事に丘の洞窟に避難されたと教えてくれました。よろしかったら、私どもの店にいらしってください。教会がめちゃくちゃになって、住む場所もおありでないでしょう?」

「ニコラス様。私どもと一緒に暮らしましょう」。アデオダートスも真剣に言った。「お気持ちはありがたいですが、教会が壊されたら、次はわれわれ聖職者の逮捕でしょう。あなたがたの上にまで危険が及ぶことがあってはなりません」

ニコラスは断ったが、二人は聞かなかった。「大丈夫ですよ、司教様。あなたには神様がついています。もし司教様が捕まったら、ミラの町の人が黙っていないでしょう。みんなで旗持って抗議に行きますよ。そうすると、パン屋も肉屋も、雑貨屋も、みんな店を閉めちゃう。そうしたらお役人たちだって生活できなくなっちゃう」

アデオダートスの言葉に、ニコラスもクロエも思わず笑ってしまった。こんなわけで、ニコラスたちはひとまずパン屋の店に避難させてもらうことにした。幸いにもローマ軍兵士たちは教会を破壊した後、一時引き上げたようで姿が見えなかった。

白い帽子をかぶったように、頭をぐるぐると包帯で巻いたアペレを両側から支えるようにして、ニコラスたちはクロエの店に向かった。

店には3歳くらいの女の子を連れた女性が買い物に来ていた。「あっ! 今日はパン屋のお兄ちゃんが二人いる」。女の子は、アペレの包帯をパン屋がかぶる帽子と思ったらしく、手をたたいて笑うのだった。

*

<あとがき>

ローマ帝国が発布した「キリスト教禁止令」は厳しいものでした。教会を破壊し尽くしたローマ軍団の兵士たちは、町のつじに7カ条にわたる「ふれ書き」を掲げると去っていきました。

ニコラスは、まだ息のあるアペレを背負って、崖下の洞窟にたどり着きました。そこには人目につきにくい所で、ひとまず身を隠すには良い場所でした。ここでニコラスは、冷たい水で彼の傷を洗い、薬を塗って包帯を巻くなど、手を尽くして介抱するうちに、ようやくアペレは意識を取り戻しました。

そして彼は、亡くなった助祭シメオンと長老ユスト、サラの冥福を心から祈るのでした。

そんな時、誰かが洞窟の入り口から声をかけました。それはあのパン屋の女主人クロエと、養子になったアデオダートスでした。二人は熱心な口調で、パン屋に身を隠していれば、絶対に見つかりっこないので、どうか自分たちと一緒に暮らしてもらえないかと言うのでした。

その言葉に甘え、ニコラスは迫害が去るまで彼らの所に身を隠す決意をしたのでした。

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◇

栗栖ひろみ(くりす・ひろみ)

1942年東京生まれ。早稲田大学夜間部卒業。80〜82年『少年少女信仰偉人伝・全8巻』(日本教会新報社)、82〜83年『信仰に生きた人たち・全8巻』(ニューライフ出版社)刊行。以後、伝記や評伝の執筆を続け、90年『医者ルカの物語』(ロバ通信社)刊行。また、猫のファンタジーを書き始め、2012年『猫おばさんのコーヒーショップ』で日本動物児童文学奨励賞を受賞。15年より、クリスチャントゥデイに中・高生向けの信仰偉人伝のWeb連載を始める。20年『ジーザス ラブズ ミー 日本を愛したJ・ヘボンの生涯』(一粒社)刊行。現在もキリスト教書、伝記、ファンタジーの分野で執筆を続けている。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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