米カリフォルニア州南部ハンティントンビーチで3日、米国史上最大規模の合同洗礼式が行われ、7752人が受洗した。主催者によると、1日の受洗者数が米国史上最も多い洗礼式だという。
「バプタイズ・カリフォルニア」と名付けられたこのイベントは、カリフォルニア州南部アーバインなどを拠点とするオーシャンズ教会のマーク・フランシー牧師らが中心となって開催した。当日は、州内の300を超える教会から約3万人が参加。参加者はあらゆる年齢層から成り、海やビーチ沿いに設置された移動式の洗礼槽で洗礼を受け、信仰を公に告白した。
この日洗礼を受けた71歳の女性は、40年間洗礼を受けることを考えていたものの、これまで実行に移せなかったことを打ち明けた。フランシー牧師は、太平洋の海でこの女性に洗礼を授けると、「この洗礼の後、あなたが新しい性質と命を持って立ち上がるよう祈ります」と伝えた。
イベントでは、ベテルミュージックやケアリー・ジョーブ、コーディ・カーネスなど、著名なキリスト教アーティストによる賛美も披露された。
フランシー牧師は参加者に対し、「皆さんは米国史上最大の洗礼式に参加しました。神が米国の他の州でも、同じことが可能だと信じる人はいますか」と問いかけた。

フランシー牧師らは、カリフォルニア州のビーチで2023年から合同洗礼式を行っている。23年は4166人、24年は6015人が受洗しており、今年はこれらを上回った。さらに、ペンテコステの6月8日には、「バプタイズ・アメリカ」として、全米の数千教会を会場に「史上最大の同時洗礼式」を行う計画だ。
聖霊降臨を記念するペンテコステに開催することについて、主催者らは、象徴的で戦略的なものだとし、リバイバルと全米規模の霊的刷新を強調している。フランシー牧師は次のように語る。
「私たちは、米国のあらゆる州の地域教会を大水で満たし、米国全体にわたる大規模な洗礼式を目撃するでしょう」
バプタイズ・アメリカは、信仰を公に告白する「洗礼」という共通の神学的実践により、多様な背景を持つ米国の教会に一致をもたらすことを目指している。ウェブサイト(英語)には、「このイベントは特定の教会に関するものではありません。全米の教会が団結し、大宣教命令の成就を目指すためのものです」と記載されている。
主催者らは、バプタイズ・アメリカが、米国の教会の悔い改めと団結の拡大を象徴するものとなることを願っている。ウェブサイトでは、「神様がカリフォルニア州でできるなら、どの州でもできます。神様が米国でできるなら、世界のどの国でもできます」と宣言し、全米の教会に参加を呼びかけている。
「今日、この運動に参加してください。私たちの国と世界の国々は、神が米国を見捨てていないことを証しするでしょう。米国は救われるでしょう」

フランシー牧師は昨年、米キリスト教メディア「クリスチャンポスト」とのインタビュー(英語)で、バプタイズ・カリフォルニアを米国だけでなく世界中に広めたいと述べている。
「私は、神様が何かを成し遂げたいと思われたとき、それが起こるために適切な雰囲気と環境を創造されると考えています」
フランシー牧師は2022年に祈りの中で、地域教会を支援するため洗礼を推進するよう、神から啓示を受けたという。
「神様が私たちをどこへ導こうとされているのかは分かりません。しかし、神様が私たちに望まれることは何でも、受け入れる準備ができています。最終的には、ペンテコステの日を、キリスト教世界が水による洗礼を祝う日にしたいと思っています」
「この種のことは時々自然に起こるものだと思いますが、使徒言行録(2章における大規模洗礼の記述)は、明らかに祈りの集会で始まり、それが公の場での大胆な説教につながり、3千人が公に信仰を告白し、そして即座に3千人が洗礼を受けているのです」

その上でフランシー牧師は、合同洗礼式で受洗した人々には、オンライン上のデータベースから情報を提供し、希望する地域教会とつながれるように支援していることを付け加えた。
「これは、一時的に現れて消えていくようなパラチャーチ組織ではありません。ただ群衆を集め、興奮させようとするものでもありません。私たちの心は、地域教会が団結し、協力し合い、本当に私たちの世界に行き渡り、そして、地域教会とつながる決意をした人々を結び付けることによって神の国を築くことにあります」
「私たちにとっての勝利とは、いかに多くの人が洗礼を受けたかではなく、いかに多くの人が地域教会とつながることに結び付いたかにあるのです」