Skip to main content
2025年12月9日18時09分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
花嫁

花嫁(21)希望よ 星野ひかり

2025年3月6日17時15分 コラムニスト : 星野ひかり
  • ツイート
印刷
花嫁(21)希望よ 星野ひかり+

夫の病院へ定期健診に行く途中、枯れ木の中に、昨年見上げ続けた桜の木を見つけた。昨年のお花見は、毎日の夫のお見舞いの行き帰りに見る、坂道の途中に覆いかぶさるように枝を広げるこの木の桜であったのだ。

健診の結果、術後の経過は順調。寒空に白んでそびえ立つ立派な病院を見上げる。懐かしい風が吹き、思い出を運ぶ。この4階の病室で、かさぶただらけの夫の顔をぬぐった。幾つもの管につながれながらも、夫は気丈だった。夫のたくましさに支えられながらも、私は統合失調症の再発で3カ月以上入退院を繰り返し、夫に寄り添ってあげることができない日もあった。

忍耐は練達を生み、練達は希望を生み出す。また、私たちの信仰は火の中で精錬される。そう聖書にあるが、この病の経験はまことに世の苦しみの火に投げ込まれるようであった。

聖書は、クリスチャンになってもなお、私たちはこの世の苦しみに遭うが、同時に、絶えず喜べるほどの希望が与えられていることを教えている。それは、最後には御国に行って喜べるというだけにとどまらず、この地上にあって、どんな艱難(かんなん)の嵐の中でも喜べるほどの希望だという。

夫婦の過酷な病の経験を通して、たくさんの人に祈られ、支えられていることを実感した。牧師先生が励ましてくださった言葉を思い出す。「年を重ねることは、人生を生きる知恵も同時に与えられるものですよ」。だからたとえ、今行き先が見えず、最後まで走り切れるか自信がなくとも、いずれそれすら恐れなく生きられる日が来るのかもしれない、と。

まだ、心の傷の故に、涙にぬれ、心ふさぐ日もある。暗い過去を思い出し「どこに神様がいたのか!?」「この世界には、神様のおられない暗いひずみがあるのではないか?!」と思ってしまうこともある。

しかし、例えば幼いころ、また、繁華街で働いていたころ、私の心は悲鳴を上げていたが、神様を求めていただろうか。私はいつの間にか無神論者に近い思いで、死んだら自分はいなくなればいいだけだと思っていた。だから、生きているうちに、好きに楽しく生きただけ勝ちだと思っていた。

あとのことや人のことまで考えられる心の余裕もなかったし、どうでもよかった。もしあの頃に神様を求め、神様に叫んでいれば、確実に神様はその御顔を見せ、手を差し伸べてくださっていただろう。しかし、私は神様を求めなかった。

「神の見えない性質、すなわち、神の永遠の力と神性とは、天地創造このかた、被造物において知られていて、明らかに認められるからである。したがって、彼らには弁解の余地がない」(ローマ1:20)

そう聖書にある通り、被造物の全てに神様の神性は現れている。幼いころは誰しも、木々や雲、空に言いようのない感動を覚えていたはずである。しかし、この世の価値観に染まってゆくと、木々にも、雲にも、空にも心を揺り動かされなくなる。気付けば、興味の対象は自己中心的な思いから欲するものに染まってゆくのだ。

今も、長く神様のいない世界で生きていたときに付いた傷が心に、からだに残っている。しかし、聖書に「あなたがたの会った試練で、この世の常でないものはない」(1コリント10:13)とある通り、私の遭った苦難は決して珍しくも特別でもなく、たくさんの人が同じ苦難を通り、今も苦しんでいることを知った。

イエス様は決して、私のように後ろ暗い過去を持った者も見放されない。イエス様は学のない漁師を弟子とされた。娼婦や取税人、罪人と呼ばれた、社会的にも後ろめたい人たちに囲まれて、立派な身なりのパリサイ人とやりあった。立派な経歴もなくてよいのだ。やぶれかぶれの私のままで、イエス様に付き従ってゆく心だけでいいのだ。

社会不安は募り、明日も見えない思いは社会全体を暗く包み込んでいる。しかし、神様がおられる。絶対的におられるのだ。

まだまだ苦難の火に投げ込まれることもあるだろう。しかし、それが私の生きる力を鍛え、信仰を強め、主のご臨在のあふれる日々を生み出すことを信じている。そしてまた、この世の価値観に染まることはせず、いつも被造物の全ての中に神様の神性を感じ、心揺り動かされて生きてゆきたいと思うのだ。

<<前回へ     次回へ>>

◇

星野ひかり

星野ひかり

(ほしの・ひかり)

千葉県在住。2013年、友人の導きで信仰を持つ。18年4月1日イースターにバプテスマを受け、バプテスト教会に通っている。同年より、クリスチャントゥデイで連載を始める。これまでの掲載作品は、「のりぼと神様」(18年)、「はっつぁんとかおる姫」(同年)、「背徳の街のマリヤ」(19年)、「み使いダニエル」(20〜21年)、「さくら時計」(21〜22年)、「すみれ時計」(22年)、「小菊時計」(同年)、「夜明け前」(22〜23年)、「花嫁」(24年〜)。

■ 星野ひかりフェイスブックページ
■「花嫁(9)白百合の願い」で取り上げた星野ひかりの石鹸はこちら

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
  • ツイート

関連記事

  • 花嫁(20)おひなさま 星野ひかり

  • 花嫁(19)日常よ 星野ひかり

  • 花嫁(18)繁華街で 星野ひかり

  • 花嫁(17)生き難く 星野ひかり

  • 花嫁(16)祝福なる結婚 星野ひかり

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 【書評】鶴見太郎著『ユダヤ人の歴史―古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』

  • 南・東南アジア各国で洪水・土砂崩れ、1700以上人が死亡 キリスト教団体が緊急支援

  • 東京・銀座で牧師がトーク&ライブ「メリエストクリスマス2025」 12月25日

  • 日本聖書協会が恒例のクリスマス礼拝、聖書普及事業150年を感謝しコンサートも

  • 人生を楽しもう 菅野直基

  • 元阪神マートンさんが来日ツアー「クリスマスの贈り物」 関西学院大でトークイベントも

  • 篠原元のミニコラム・聖書をもっと!深く!!(256)聖書と考える「野原ひろし 昼メシの流儀」

  • ワールドミッションレポート(12月9日):ウクライナ 砲火のとどろく中で、福音は止まらない(4)

  • もしもクリスマスがなかったら 万代栄嗣

  • 東洋英和女学院大学、次期学長に藁谷友紀氏

  • 元阪神マートンさんが来日ツアー「クリスマスの贈り物」 関西学院大でトークイベントも

  • 日本聖書協会が恒例のクリスマス礼拝、聖書普及事業150年を感謝しコンサートも

  • 【書評】鶴見太郎著『ユダヤ人の歴史―古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』

  • 京都ノートルダム女子大学、次期学長に酒井久美子氏 学生募集停止の来年4月から

  • 映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く

  • 米最大の民間慈善財団、神学教育機関やキリスト教団体に総額1千億円超を助成

  • もしもクリスマスがなかったら 万代栄嗣

  • 東京・銀座で牧師がトーク&ライブ「メリエストクリスマス2025」 12月25日

  • 東洋英和女学院大学、次期学長に藁谷友紀氏

  • 人生を楽しもう 菅野直基

  • 元阪神マートンさんが来日ツアー「クリスマスの贈り物」 関西学院大でトークイベントも

  • 映画「ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師」 「信仰と抵抗」の生涯描く

  • 「神の霊によって、主はこの国を造り替えられる」 日本リバイバル同盟が「祈りの祭典」

  • 英国で「路傍伝道者憲章」 相次ぐ街頭説教中の逮捕受け

  • ニカイア公会議1700周年を記念、開催の地で一致求め祈る 教皇や全地総主教らが参加

  • 東洋英和女学院大学、次期学長に藁谷友紀氏

  • 京都ノートルダム女子大学、次期学長に酒井久美子氏 学生募集停止の来年4月から

  • 日本聖書協会が恒例のクリスマス礼拝、聖書普及事業150年を感謝しコンサートも

  • 中国の大型政府非公認教会「シオン教会」の主任牧師ら18人逮捕、最大拘禁3年の可能性

  • 【書評】鶴見太郎著『ユダヤ人の歴史―古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』

編集部のおすすめ

  • 15人の演者でマルコ福音書を再現、観客をイエスの物語に引き込む「マルコドラマ」

  • 全ての人に福音伝えるための「イエスのモデル」 WEA総会でリック・ウォレン氏が講演

  • 「神の言葉を全ての人に」 日本の聖書普及事業150年で記念式典・レセプション

  • 教団・教派超えて神の平和求める 戦後80年で「日本国際朝餐祈祷会」初開催

  • イエスの統治を祝う祭典「ジーザス・レインズ」が10周年 ラップ賛美など新しい試みも

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • RSS
Copyright © 2002-2025 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.